
川淵さんに戴いたピーナッツ、

とっても美味しくいただきました。
味が良い。

本当に素の味の良さを感じる。
止められなくなる美味しさだ。
同じように、
止められない美味しさを持つ加工食品は多い。
でもそれらには、
ほぼ必ずと言って良いほど、
化学調味料が添加されている。

面白いお酒を戴いた。
「幻の酒米」を使って、
特別に付加価値の高い酒を造ったのだそうだ。

世界の山ちゃんと言う居酒屋で売ることが目的で、
中津川市落合地区にある、
耕作放棄地を買収して米作りから始めたと言う。
話題としては面白いが、
真の「日本酒」というものは、
そう簡単に作れるものでは無い。
店舗提供だけではなく、
一部を販売しているらしい。
評価して欲しいのだろう。
知人が持ち込んでくれた。
全く偶然ではあるが、
先日訪れた名古屋のマリア フェリアの隣に、
世界の山ちゃんが並んでいた。
目もくれずに一位を訪れたのだが、
両者に共通するのが「自分の店で売る酒」の存在だ。
妻が運転手で飲めなかったことを知り、
大将が妻に家で飲みなさいと一本渡して下さった。

一位さんは路地を入った所にあるので、
ちょっと見つけにくいかもしれないが、
御園座の近くなので行けばすぐわかる。
大将が見送ってくれている場所に、

「いちい」と書かれた緑色の看板がある。
そこを左に入るだけだ。
この場所の正面に、

御園座の看板がある。
これを見て、
左に顔を向ければ一位に行き着ける。
持って帰って、
翌日の夜、
一口飲んでぶったまげた。

全てをリセットさせる魔力がある。
最近、
風邪の後遺症で嗅覚センサーが狂ってしまった。
特定の匂いが全く分からなくなったり、
一度強い匂いを嗅ぐと、
次に何を嗅いでもその匂いが鼻腔を彷徨う。
だから本来の匂いを紛らわせたり、
他に転換する様な悪戯をする。
この時も、
朝から家に帰るまで匂いの感覚が狂っていた。
戴いた一泉(いちいずみ)は一位さんで売るために瓶詰めされた、
純米吟醸酒で、
しかも無濾過の生原酒だ。
そもそも、
日本酒で言えば最高ランクの酒で、
しかも取り扱いに最高の注意が必要だ。
居酒屋チェーン店のマニュアルでは、
とてもでは管理できない種類の酒で、
それと横並びに比較するのは酷かもしれない。
しかし、
本物の味が何で、
これを作るためにはどういう働き方をしなければならないのかを、
少しでも知らせるためにあえて味を比べる。
先日阿部さんに戴いた、
永平寺のお酒も俎上に置いた。

ベンチマークが一泉では、
ちょっとあまりにもレベルが高すぎる。

しかし茜雲は「ひやおろし」という手法で熟成を増していた。
旨味がある。

火入れは一度だけなので、
無濾過生原酒に近い風味が楽しめる。
これも原酒だ。
次に中津川の酒米で作られた純米酒、
尾張名無を見る。

火入れした純米酒だが、
他と同様に冷蔵庫で冷やした。

上下でラベルを読み比べると、
どちらの酒の本気度が上か、
やはり滲み出ている。
何の表記が足りないのか、
酒好きならすぐ解るはずだ。

勝負は一発で決まった。
福井産の米を使った茜雲は、
一口含むと、
まるでそれが舌の上に乗って小躍りする様な味の良さだ。
深みのある甘さが喉の奥にも蕩けるように響く。
それに対して中津川の米を使った、
尾張名無がどんな味で応えるのか。

残念だが、
実力には「中入り後」と「十両」くらいの差がある。
酸味が立つ中途半端な旨味が舌に乗った。
なぜならば、
新潟産のカップ酒に負けるからだ。
確かに後味を引かないので、
スッキリしているかもしれないが、
飲み足したくなる味では無かった。
さて二つの酒を後ろに回し、

一泉の出番が来た。

冒頭に記したように、
他の香りを全てリセットさせる横綱の味だ。
番付はこんな感じだ。

手前が一泉、
右奥が茜雲、
かなり後方になるが尾張名無だ。
一泉の味を茜雲に比べて例えると、
コクのある旨味が口中一杯に膨らむ。
深い香りと蕩ける舌触りが魅力だ。
こういうクルマに、
時々偶然巡り合う事がある。
舐めていたわけではないが、
単なるSOHCでオートマチックじゃあ、
やっぱり売れなくても仕方がないかと諦めていた。

そこでかわら版号外の目玉車に仕立て直すため、
夜の中津シェライフェに連れ出した。
ビックリした。
一泉の味がするのだ。
このクルマが何故凄いのか、
いくつかの理由が挙げられる。
一つはビッグマイナーして最終型のセッティングになって、
エンジン出力と変速タイミングがバッチリなのだ。
また軽いクルマに4ATの組み合わせは、
意外にも高速ワインディングで抜群のマッチングを見せる。
しかもパドルシフトを装備したので、
若干変速タイミングがずれるようなシーンでは、
指先一つでそれを是正できる。
これは見くびっていた。
思いがけない美味しい味で、
名機BP系をまた見直したぜ。
素の味の良さと、
作られた味にはかなり大きな開きがある。
酒もクルマも、
そこは重なり合うね。