アキグミが収穫期に入った。

妻が籠を持って採り始めたので、
今年の出来具合を確認した。

今年も凄い。

実が繁った重みで枝が川に向って垂れ下がった。
余程この環境が適していたのだろう。

この辺りの実は甘い。
ちょっと複雑な事情があって、
この樹木は枝ごとに味が違う。

妻の収穫している枝は、
渋味の強い実がなる。
グミ酒にするから関係ないと言う。
確かにその方が面白いかもしれない。

これくらい手に取ってまとめて食べると美味しい。
渋味はだんだん慣れてしまう。
種も柔らかいので噛んでも気にならない。
口に残ったら、
まとめてプッと吐き出してしまえばよい。
思わぬ樹木が育った。
大切にしてやろう。
熟したクルマに乗って、
つくば市から管野さんがいらっしゃった。
先日は、
美味しいお菓子とファイト一発を差し入れて戴き、
本当にありがとうございました。
おかげさまでみんな元気です。
管野さんのクルマは、
レガシィB4の6気筒マニュアルミッション搭載車だ。
管野さんのクルマをリフレッシュ車検する前に、
工房にあるB4を仕上げる必要がある。
松本の松井さんからお預かりしている、
BLEの整備が加速した。

リヤデフを取り外し、
新品のサブフレームを箱から出した。
いよいよリヤサスペンションのリフレッシュが始まった。
効率良く作業が進み、
老化したパーツは全て交換された。

高速テストを依頼され、
完成度の高さに驚愕した。
やはり手を掛けると凄い。
こちらは5速オートマチックで、
パドルシフトを持つ後期型だ。
マニュアルミッション感覚で操れるが、
ダイレクト感のある5速ATのまま、
ワインディングを攻めるのも悪くない。

良いセンスのマフラーだ。
官能的なサウンドは、
S402以上だと言っても過言ではない。
化学調味料を一切使わず、
昆布出汁で丁寧に作られた料理のようだ。

シートもレカロの逸品だ。
BLEのドラポジと抜群に合うので、
SUBARUに乗っているのだけれど、
欧州の高級なスポーツカーの香が、
何となく漂う。

ダンパーは硬めだが、
しっかりストロークする秀逸な乗り味。
STIには6気筒に触るだけの技術力が備わらなかった。
従ってSシリーズはターボに特化するのだが、
最近の7や8より味が良い。
比較的6に近いのだが、
ベース車のシャシーに掛けたコストが違うので、
脚だけを比較すると6さえもに凌駕する様に感じる。
SUBARUは金を掛けさえすれば、
相当なポテンシャルのクルマを創る土壌がある事を、
これらの逸品たちが如実に証明している。
SUBARUはP-1というFR方式のクルマを創り、
自動車メーカーの第一歩を踏み出した。
次にRR方式で橋頭保を築き、
世界に類のないFF車を世に出した。
この前のブログで予告した内容を続けよう。
4WDも成功させ、
その技術を生かして新世代のFRも作った。
と言う事は駆動方式を知り尽くしている。
一部雑誌で、
SUBARUがミッドシップを作ると流布された。
その調査を実施した。
見れば解る。

これはイタリヤのスポーツカーメーカーなら許される。
だが、
日本のSUBARUに許されるだろうか。
決して許されない。
なぜならSUBARUは、
大衆に受け入れられる、
バリューな商品を作る会社だ。

危険を顧みない、
麗しすぎるホイールリムと扁平率。
これもイタリヤなら許されるが、
日本のSUBARUには許されない。
キャッツアイを踏んだだけでも、
いとも簡単にバーストしそうだ。
売る側から見ると、
「絶対に出ないな」と感じる理由は、
昔からそのような不文律があるからだ。
当然のことながら、
SUBARUの内規には明確に定められているだろう。

凄く複雑だな。
考えあぐねた結果のリヤブレーキだろうか。
流石イタリヤだ。
いくら高性能車でも、
SUBARUには許される構造ではない。
そしてキモはシースルーだ。

色気のあるオンナほど、
見せる工夫も忘れない。
ガラスを曇らせずに、
綺麗に発動機を見せる。
スバルにはありえない生産精度だ。
このクルマを思わず買いそうになったが、
気持ちを戒めてその場を去った。
けれども誰かに頼まれたらどうなるのか。
昔、
高校の同級生が発売されたばかりのMR-2に乗って、
得意満面で現れた。
カローラのユニットを反対に載せただけのクルマじゃないかと、
内心蔑んでいたのだが、
実際に見るとなかなか格好が良かった。
乗らせてくれると言うので、
ステアリングを握ってガッカリした。
当時、
既にポルシェ911のステアリングを握らせてもらえたので、
相当舌が肥えていた。
チープなクルマだなあと思って、
それからずっと乗った事は無い。
BRZが出た時、
MR-Sから乗り換えたお客様がいらっしゃった。
久し振りにトヨタのミッドシップを味わったが、
「危ないクルマだな」と感じた。
BRZで雪道を走っても、
どうってことない。
でもMR-Sだとかなりリスキーだ。
まず86を一緒に作って、
次にスープラをBMWと再建した。
セリカやMR-2も再建したいのなら、
またしてもスバルの出番が来るような気がする。
セリカは自分でも作れるだろう。
だってカローラスポーツはなかなかの出来だ。
FWDのスタイリッシュクーペなら、
なにもスバルと作る必要はない。
ところが、
MR-2やMR-Sの出来を見た限りでは、
近代的なミッドシップ車を単独では作れないだろう。
それよりもSUBARUに頼んだ方が、
より安価で、
それなりにボクスターと張り合えるクルマが作れそうだ。
縦置きの水平対向ユニットを逆向きにして搭載すれば、
かなり戦闘力のあるクルマが作れるだろう。
SUBARUにもメリットがある。
それは新規でドライブトレーンを作るのに、
自前でやるより開発費が大幅に下げられる。
元々スバルのパワートレーンは、
そのデザインが4WD化に向いていた。
トランスミッションが2階建て構造なので、
ある意味で効率が良く、
ある意味では効率が悪い。
ミッドシップレイアウトにできる二輪駆動専用のパワートレインは、
FWDにも転用できる。
それを基本に、
超コンパクトな水平対向4気筒のドライブユニットを開発できる。
エンジンは新世代の4気筒をチョイスするはずだ。
これまでのエンジンはグローバルで考えると、
どうしても2.5リットルを重視した。
するとそれに合わせたシリンダーブロックが必要になる。
その結果、
テンロクから2.5迄、
エンジンの大きさはほとんど同じだ。
この先を考えると、
もっとコンパクトな水平対向ユニットが必要になる。
従ってSUBARUはかなり以前から芯間の小さい、
次世代パワーユニットの開発を進めている。
これを使ってトヨタに稼がせてもらえば、
とてつもなく大きなシナジー効果が生まれるだろう。
ヒントは初代インプレッサにあった。
このクルマが世に出た時、
初めてテンゴが誕生した。
この時、
レガシィから引き継いだテンハチがあった。
いつの間にか消えてしまったが、
なかなか面白い動力性能だった。
次はディメンションを妄想したい。