早朝から出勤し、仕事の段取りをつけ撮影に赴いた。
いよいよ登録する日がやってきた。
会社の裏で撮影するため、陽が高くなるのを待って出かけた。撮影ポイントに着いてクルマを降りたら、
前方に素っ頓狂な鳥がいる。
突っ立ってぼーっと何かを見ている。
近くの家では鯉を盗み食うので、
物凄く嫌っていた。
クルマを撮影するため、
止むを得ず歩み寄ると、
向きを変え首を伸ばした。
次の瞬間、
パッと跳躍し、
水平飛行に移行する。
くちばしから脚の先まで一直線になると、
翼を曲げ空気を押し下げて揚力を増やす。
必要な揚力を得たら、
翼を一杯に広げ滑空する。
低速域のトルク特性が非常に良く、
図体の割に優れたダッシュを見せる。
馬力もあるので速度も乗る。
この辺りから鳴きながら飛び始めた。
文句言ってるのかな。
この辺りのヒトは、
ゴイサギと呼ぶが、
まさしくこの鳥はヘロンだ。
山下達郎の歌を聞いた時は、
イスラエル辺りの都市の名前を連想したが、
実は鷺のことだと改めて知った。
泣かないでヘロン、雨を呼ばないで、
この意味が良く分からなかった。
この鳴きながら飛ぶ姿を見て、
歌の意味が納得できたが・・・・・、
山下達郎はヘロンとグレイヘロンを混同したようだ。
だからきっと、
明日も雨は降らないだろう。
ヘロンが飛ぶ先にWRXが居た。
飛ぶように走るクルマだ。
実際に良く飛ぶ。
飛んだことがあるから、
その優れた姿勢を体が覚えている。
飛行姿勢が極めて良い。
いつも語る事だが、
それは偶然の産物で、
クーペは最高の重量バランスを手に入れた。
六連星(むつらぼし)を背景に、
インプレッサが遂に転生した。
走行可能なプレミアムスポーツの転生は、
長年の夢ではなく野望だった。
インプレッサ PREMIUM SPORTS COUPE 22B-STi VERSION
【駆動方式】
AWD(全輪駆動)
【型式】
E-GC8改
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4365×1770×1390
ホイールベース(mm):2520
トレッド前/後(mm):1480/1500
最低地上高(㎜):140
車両重量(kg):1270
最小回転半径(m):5.2
乗車定員 5名
【エンジン】
EJ22改/水平対向4気筒2.2L DOHC16バルブインタークーラーターボ
内径×行程(mm):96.9×75.0
圧縮比:8.0
最高出力(PS):280/6000rpm
最大トルク(kgf・m):37/3200rpm
【燃料供給装置】
EGI
【変速機】
5MT
【発売当時税抜車両本体価格】
5.000.000円
ボディカラー:ソニックブルー
但し発動機はEJ22ではなく、
EJ20を継続使用し、
レーシーな感覚をそのまま維持させた。
後ろの線路を快速電車が駆けていく。
中津川に向って延びる中央線だ。
同時に背後で大きな音がした。
反射音かと振り返ると、
名古屋に向かう上り快速が駆け抜けた。
思わずギョッとした。
最後尾の3両が昔の客車を思わせる奇妙な色で、
車体に化け物の絵が沢山描かれている。
何か悪趣味だな。
全く知らなかった。
これは何だろう。
実はこのポイント、
「てっちゃん」たちの隠れた名スポットでもある。
複線化した時にトンネルを掘ったので、
ここから中津川にかけて複雑に線路がうねる。
更に9年後、
この先をリニアモーターカーがクロスする。
窓に見える小高い山の向こうには、
JR東海が誇るリニアモーターカーの車両基地が出来上がる。
磁力で浮き上がるのと、
空力で飛ぶのでは、
根本的に原理が異なる。
空力で浮き上がるのを抑える。
それがスポイラーの役目だ。
ラリーシーンでビュンビュン飛ぶクルマには、
ダウンフォースで安定させるために、
大きな羽が取り付けられる。
戦いの中から空力を身に着け、
素晴らしく美しいクルマが誕生した。
この思いを込めて、
次のかわら版を作った。
裏面は大宮君が担当し、
二人で渾身の力を込めた。
ダイレクトメールを明日完成させ、
出来上がり次第発送する。
L1ラリー開催まであと4日だ。
応援メッセージも増え続けている。
会場でも是非メッセージをお願いしたい。
先着100本で応援旗を用意した。
スペシャルステージは根ノ上高原に設置される。
5本のSSのうち、
3本が根ノ上高原のサテライト会場となる。
ヘッドクオーターからシャトルバスが出るので、
是非利用すると良い。
お楽しみに。