一人酒もたまには良い。
だが、
暴走する。
付き出し食べて、
刺身を食べて、
次に焼き魚が食べたくなった。
「本日のカマ」
魅力的な褌がぶら下がっている。
何があるか聞いたら、
カンパチ、さけ、ワラサだと言う。
迷わずワラサを焼いてもらった。
このカマは美味かった。
出世魚なので、
コロコロ名前が変わる。
食い終えてから、
酒のつまみに、
へぎ蕎麦を頼んだ。
江戸に来たなら、
こんな粋な酒の飲み方が良いね!
でも、甘かった。
カロリーが足りない。
居酒屋を出て、
ふらふらと歩いた。
同じ通りにあるラーメン屋に入った。
屋台風で吹きっ晒しの、
カウンターが直角に並んだ面白い造りだが、
入りたいと思った事は一度も無かった。
こんな気持ちになるのは珍しい。
でもこれが大きな間違いだった。
酷い味だ。
くそ不味い。
それだけなら良いが、
嫌々作る素振りが不愉快で、
チャーシューの不味さに留めを打たれた。
半分以上残して、
そのまま店を後にした。
カロリーが足りない。
入ろうか、
止めようか。
二度ほど行き来して迷った挙句、
思い切って暖簾をくぐった。
へい!らっしゃい!
と、
聞こえるかと思ったら、
商店街でよく聞く鐘が鳴った。
支払いの終わった客が、
くじを引いていた。
一等賞!
景気が良いね。
何かのイベントらしい。
ハイボール飲んで、
寿司を頼んだ。
付け出しが出たけど、
冷たくて不味い。
次に行った時は、
もう少し丁寧に。
付け出しこそ、
その店の真髄を語る。
マグロを頼んだ。
たまごを頼んだ。
これが江戸前なのだろう。
恵比寿と同じように小粒だ。
お会計は1400円で、
まあ、こんなものかな。
くじを引くように促された。
ゆっくり回すと紫色の玉が出た。
カランカランと鐘がなり、
大当たりだと声が響いた。
ちょっと食べただけなのに、
当ててしまってすみません。
また来ます。
そう言えば、
寿司屋に入ったのに海苔を食べなかった。
巻物を一つぐらい頼もうと思ったが、
自制心が何とか働きそこで留まった。
無駄遣いしてるし反省しなきゃ。
翌朝早起きしてホテルを出た。
目的地への近道を探そうと、
いつもより手前で左折したら、
見慣れた看板が見えてきた。
大好物が目の前に現れた。
海苔だけ食べてもいい位、
好きで好きでたまらない。
白子のりの本社は、
意外なところにあった。
海苔は日本の「心」だね。
コツコツ集めて、
美味しいモノに加工する。
今日のラッキーカラーは「黒」だな。
スバルの「心」は発動機にある。
コツコツと磨きぬいて、
美味しいクルマを創る。
それを忘れず、
これからも美味い料理を作って欲しい。
確かにそれだけじゃクルマは売れない。
小手先の得点稼ぎも大事だ。
昔からオプション10万円プレゼントや、
無料点検キャンペーンなど、
他のメーカーが手本にするほど素晴らしいアイディアを出す。
こうしたプレゼントの企画は、
顧客を再来店させる動機付けになるし、
決め球にも使える。
こうした販売促進術や、
震え上がるほど見事なマーケティング力を持つ。
驚異的なセンスで、
これまでも危機を逃れ、
前略を見事成功させ続けた。
でも、
でも、
でも、
ちょっとこれからは厳しいぞ。
だってスバルの中古車価格も、
これまでのように高止まりしない。
急激な相場低下が起きており、
この急ブレーキを深刻に受け止める必要がある。
だからこそ、
ホンモノを正しく見抜き、
しっかり乗り越えよう。
めぼしいラッキーカラーを見渡す。
このように「縁」を探すのも、
クルマの目利きには重要だ。
おお!
海苔のようなクルマを見つけた。
色つやも良く、
多分一人のオーナーに可愛がられたに違いない。
これは仕事のやりがいがある。
こんなラッキーカーを見つけた時は、
以外と仕事がスルスル捗る。
アイボリーレザーではなく、
ブラックのファブリックだが、
内外装の調和が取れて良い感じだ。
エンジンを掛けた瞬間に、
ステキなサウンドが心に沁みた。
スバルしか作れないこの音を、
さっさと捨ててしまったね。
でも、
残っているうちは味わえる。
スバルの文化を継承するつもりで、
仕事の本質を見極めたい。
SUBARUもこれからは、
本当に美味しい料理を作る事だ。
手っ取り早く化学調味料を使わず、
真面目にキチンと元から作ることが大事だ。
昔の様に不器用で良い。
内燃機のよさを磨け!
カッコ良く勝ち逃げする奴も、
その場はそれで良いかもしれないが、
人生は必ずどこかで帳尻が合う。
マーケティングで、
小手先の勝利を得るのは、
もう先が見えたな。
20年先に、
これは凄い!
そう言わせる何かが欠けている。
本質で復活しようじゃないか。
次のエンジンに、
期待している。