人気ブログランキング |

WRX STI「RA-R」と蕎麦の味

伊那谷でRA-Rを撮影し、
ふと空を見上げると
二羽のトンビが気持ちよさそうに輪を描いてた。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_13573565.jpg
飛ぶ姿を見て、
ニュルブルクリンクの走りを思い出した。

あそこでは、
なるべく大きな円弧を描くよう、
一発でステアリングを切り、
摩擦を最大限に活かす。

二羽のトンビも実に無駄が無い。

一発で舵を切ると、
上手く風を浮力に換え、
巧みに場所を移動していく。

そして獲物を見つけた時の、
急降下も美しい。

このような走りを目指したい。

もしその相棒として、
クルマを選ぶならば、
最新のRA-Rはどの位置にいるのか。

長いスパンでWRXと言う存在を俯瞰すると、
その真実が読めてくる。

クルマに家畜的性能を求めた時、
如何に頑強で長寿命なのかも、
実に重要なファクターだ。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_17540866.jpg
四代目レガシィは高いロバスト性を誇り、
オーナーを虜にする。

その直系の存在に当たる、
スポーツカーがBRZだ。

恐らく将来に渡り、
ほぼ同じ事が言えるはずだ。

強烈なロバストネスと、
まるで綱渡りする様に高剛性がバランスし、
愉しくて長持ちするクルマになっている。

このクルマも家族の一員として、
孫子の代まで愛され続けるはずだ。

何しろ日本に100台、
世界でも1000台しか存在しない。

いつまでも可愛がって欲しい。

さてここで、
「STIコンプリートとは何か」

これを改めて振り返る。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_18333693.jpg
本格的に売れ始めたのはS203からだ。

それに続くS204は、
更に外部から高い評価を得た。

トヨタがスバルと提携するきっかけになるほどだったと、
当時トヨタの社内で評価試験を担当した人から直接聞いた。

トヨタがスバルの実力を、
改めて見直したのだ。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_18334016.jpg
そのいずれも強靭な体力を誇り、
現在も多くの人に愛され続ける。

それを教科書と認めた「平川丸」が、
それに劣るクルマを創るとは思えない。

STIは、
工場の製造ラインまで含めて、
「コンプリートカーとはどうあるべきか」と、
商品企画を考える。

その結果、
スペックCが無いと言う状況下で、
相当な努力を続けた。

見えない部分に、
徹底的な軽量化を施したようだ。

WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_13574372.jpg
トンビが舞う場所から、
峠に向ってクルマを走らせた。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_13574873.jpg
クルマの中から見た光景と、
全く違う世界が現れた。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_13575320.jpg
カラマツの葉を踏みしめながら、
小さな扉をくぐった。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_13575851.jpg
良い雰囲気の蕎麦屋だ。

不易と流行を感じる場所だ。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_13580458.jpg
久し振りに投じ蕎麦を食べた。

キッチリ押さえる所を押さえ、
変わるべきところは変る。

囲炉裏のあるテーブルで、
自在鉤ではなく卓上コンロを使う。

炭はあくまでも演出で、
合理的なガスを使うが、
燃やすと言う行為から外れない。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_07162203.jpg
柄杓のようなざるに蕎麦を入れ、
サッと「しゃぶって」椀に入れる。

寒い地方、
米の穫れ難い土地ならではの食べかただ。

囲炉裏でぐつぐつ煮る鍋を、
家族が取り囲んで食べたのだろう。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_07162768.jpg
だから様々なレシピがあり、
この店のキモは鴨肉のようだ。

おもしろい。

良い味だな。

この場所でWRXの姿を見たら、
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_13581051.jpg
本当に痺れた。
こちらも良い味がする。
そう思わないか。

このクルマにも不易と流行が、
とても良い具合に現れている。

軽さの追求を見直し、
安全性を維持しつつ、
可能な限り原点回帰。

そして、
ここを強調したい。

「NBR2018優勝」をバッチにしていない。
そこも実に潔い。
このクルマに800km乗って、
気が付いた事が一つある。
いわゆる「辰己マジック」と言われる、
「いなす」パーツが一切組み込まれていないのだ。

これは初代のRA-Rも同じだ。
既に存在したフレキシブルタワーバーを、
あの時もレスされた。

初代に比べホイールは良くなった。
当時は白い鋳造ホイールだったが、
今回はマットブラックの鍛造ホイールだ。

そこでスタッドレスタイヤにも、
贅沢な鍛造ホイールを奢った。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_16364223.jpg
モノブロックキャリパーにさほど大した変化は無い。

けれども制動フィールは良い。

WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_16364860.jpg
このホイールもSTI純正の鍛造品なので、
とても軽く交換後の性能低下は無いはずだ。

ただし、
S204の後に出た、
初代spec-C Type RA-Rに比べ、
走りのフィーリングは異なった。

そこが評価する上で最も悩んだ、
とても重要なポイントだ。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_16365495.jpg
悩んでいる時、
偶然にも望桜荘の庭からヒヨドリが飛んだ。

それを見て、「ハッ」と気が付いた。

ヒヨドリの飛び方は矢のように速い。
ところが角がある。

あまり長続きしない飛び方で、
直ぐどこかの木に降りる。

RA-Rはヒヨドリだ。
日本のサーキットには向くかもしれない。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_16370042.jpg
(ヘッドライトは初代に比べ抜群の進歩を遂げRA-Rと言えどもLEDを維持しハロゲンではない。ウオッシャーも軽量化で省略された。素晴らしい)



けれども、
世界の舞台では通用しないだろう。

筑波や群馬にある、
平らで狭いサーキットで走る事を、
念頭に置いたのだろうか。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_16370583.jpg
(リヤスポイラーの無い端正なリヤビュー。空力面では不利だがレースに出るわけでは無いのでシンプルで軽い方が良い。スペアタイヤもレスし軽量化)



前のブログでも書いたが、
筑波アタックで比較することが、
クルマを良くする行為とは思えない。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_16371093.jpg
(リヤフォグもレス。大型のフロア下アンダーカバーはトランスミッションの下から床下に続く。それもレスして徹底的に軽量化)



たった一言で片が付く。
最新のRA-Rは、
トンビにはなれなかった。

やはり世界水準の脚ではない。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_16371629.jpg
(お馴染みの軽量化アイテムがSTI製ジュラコンMTシフトノブだ。黒光りして手触りも良くSTIのロゴも似合う)




但し1000kmしかまだ走っていない。
もう少し味わって本性を確かめよう。

角のある動きが消えるのか、
あるいはこのまま続くのか、
暫く見極める必要がある。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_16372790.jpg
(目に見える軽量化はドライカーボン製のエアロドアミラーカバー。見えない軽量化アイテムが4から2.5Lに小型化されたウオッシャータンクだ)



なぜならば、
ロバストネスとバーターした結果が、
この「子供っぽい」脚ならば、
それはそれで意味がある。

長持ちさせるために。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_16374301.jpg
(車体の鉄板やガラスの薄板化は出来なかったが必要のない板金パーツをレスしたと平川さんから聞いた。ホイールは鋳造から鍛造に代わり更に軽い)




だから今後の課題は一つだ。

バーターしなくても、
最初から大人の脚にできる開発スキルを、
STIが努力して持つ事だろう。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_16373298.jpg
(スポーツシートは認証されたWRX用のシートで一番軽い。軽量化にドライカーボンシートを採用しないのは価格だけじゃなくトラウマかな)



子供っぽい脚ではなく、
大人の脚を目指してほしい。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_16374859.jpg
(シートベルトはSTIらしくチェリーレッドでリヤシートのレッドステッチも良い。カップホルダー付センターアームレストをレスし軽量化)




その点だけが初代に比べ進歩していない。
即ち大雑把なんだ。
アメリカンと言っても良い。

そこをもっとホンモノにしないと、
やはり世界の舞台で通用しない。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_16375468.jpg
(フロントサイドシルのSTIロゴ入りステンレス製プレートをレスして軽量化。制限の中で何が必要で何を省くのか教科書通りに練り込まれた)




一つ謎がある。

NBRで速く走るためには、
この脚では全く駄目だ。

とてもではない。
この脚でニュルブルクリンクを走ったら、
怖くてたまらない。

ハッツェンバッハの先で、
嫌になってクルマから降りるだろう。

NBRに通ずる脚を、
なぜ「形だけでも優勝」した年に、
スバリスト達に具現化できなかったのか。

あ!
逆説的に捉えたら解った。

だからこのクルマには、
「NBR優勝」の記念バッチが無いんだ。

RA-Rのシャシー開発が、
欧州レベルまで追い付かなかった。

まだ美味い蕎麦じゃないな。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_11510937.jpg
(軽量化のためにリヤ間欠ワイパー&ウオッシャーもレス。その代わりに今後の設定が期待されるパーツはインタークーラーウオータースプレイだろう)




「トンビ」と「ヒヨドリ」の対比で理解しがたいなら、
開田の蕎麦に例えよう。

開田高原に行って、
間違えて「霧しな」の蕎麦を本物だと思い、
食べてしまった感覚だ。

即ちインスタントに近い味なんだ。

ホンモノの蕎麦は
もっと美味しい。

さて、
インスタントな蕎麦が、
どうホンモノの味に変わるのか。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_16380065.jpg
(インシュレーターが無い方とフロントフードの裏側が美しい。これは継時劣化する。少しもうるさくないので問題無い)





或いはまた、
どのように調教するのか。
変わらないなら変える。

そこが今後の楽しみだ。
改めてスバルマガジンを見たら、
表紙の画像にフロントフードの裏側が写っていた。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_11505351.jpg
それとRA-Rの現物を比べ、
やっとパフォーマンスシュラウドの正体が分かった。
WRX STI「RA-R」と蕎麦の味_f0076731_20341236.jpg
(基本的にインシュレーターの材質も形状も初代からあまり変化無し。最近はエンジンそのものが随分静かになった。大きな座布団は要らない)


触っても違いが分かったけれど、
並べて見るとボルト止めの数が増え形状も違う。

何故カタログに載せないのかな。

もっとしっかり乗って、
更に深く試してみなくちゃ。

相変わらずドキドキさせてくれる。

とても楽しみだ。

Commented by aki at 2018-12-23 00:12 x
いつも楽しくブログを拝見しております。
私もra-r を購入し、1週間で1500キロ走り込みました。
確かに、脚はイマイチかと思います。
クイックレシオと言いながら、ステアリングの中立付近の座りと微小舵角の手応えが薄く、硬さの割に動きにダイレクト感がありませんし、ロールにより荷重が外輪に乗りすぎると思います。私ももう少し馴染みが進むのが楽しみです。
Commented by ワタナベ at 2018-12-23 20:37 x
期待はずれでしたか?もう熊野になってるように捉えましたが、、、
Commented by U.Yuji at 2018-12-25 13:00 x
はじめまして、いつも楽しく拝見させていただいてます。新RA-Rの足回りがいまひとつのようですが
初代RA-Rとの違いを具体的に語っていただけると嬉しいです。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by b-faction | 2018-12-22 15:46 | Comments(3)

毎日の活動やスバルについてご紹介します


by b-faction