加賀の国から、凄いものが届いた。
現れた瞬間から、
ただならぬ気配が漂う。
テープを切って中身を出した。

凄く美しい瓶だ。
蔵元は農口尚彦研究所と書いてある。

ゴールデンパインの味か。
見るだけでワクワクした。

色々なつまみを用意して味を合わせる。

封を切ると、
ポンとガスが抜けた。
生ではないが熟成しているのか。
或いは半殺しなのか。

口に含んで分かった。
火入れした味とは思えない。
呑み心地が良く、
何にでも合う。
好きな甘さだな。
嫌味が無く舌に円やかで、
旨味のある甘さだ。
純米無濾過の生原酒と変わらない味ながら、
あれほどデリケートに扱う必要もない。
幅広く流通が可能で、
しかも超一級の香りと味だ。
沼澤さん、
ありがとうございました。

〆のチーズラーメンにさえ、
この酒は程良く溶け込む。
カレースープにインスタント麺を放り込み、
鍋でぐつぐつ煮ながらチーズを振りかけた。
こいつはうまかった。
世の中には、
まだまだ知らない旨い酒がある。
丹精込めて熟成させたレガシィを、
とてもお気に召して戴いた。
次は是非中津川にお出かけください。
しっかり呑んでぐっすり休んだ。
その翌日、
急ぎの用事で川上屋に寄った。

クルマで数分の場所に、
東農地方で一二位を争う名店がある。
とても便利で有難い事だ。
美味い菓子を作る七福さんも、
川上屋で修行され独立された。
中津川の誇る和菓子屋だ。

流石に一月も終わりで平日の午前中となると、
客の姿は全く無かった。
待つ時間がもったいないので好都合だった。

サッと四品ほど包んでもらい、
車に飛び乗り先を急いだ。
気持ち良く走る。

こじっかりしている。
足回りは良く動きフラットライドな印象だ。
それでいて操舵応答性も確かで、
最近の軽自動車から消え去った、
良い意味で硬派な味付けだ。

目的地の周辺はとても狭く、
軽自動車だと都合が良い。

目的地に着き敷地の中にクルマを置いた。
実に端正なリヤフォルムだ。
古い町並みにもキュッと溶け揉む愛らしい姿。
訪問先は林文二さんのお宅だ。
現在お住いの御家は、
元々畑だった所に建っている。
建てられたのは昭和47年頃らしい。
林さんは島崎藤村の初恋の人と言われる、
とある女性の末裔だ。
その女性は馬籠で生まれ、
この妻籠に嫁いだ。

林さんのお宅を出て、
表通りに抜けると、
一気にタイムスリップが始まる。

元々林さんはここに住んでいたのだが、
重要文化財に住むわけにもいかず、
裏の畑に家を作った。
景観条例のモデルケースとして有名な場所だ。
それは簡単な道のりではなく、
大勢の人の努力の上に成り立った。
妻籠を保存し、
或いは修復させ価値を高めるために財団を作り、
その理事長を長きにわたって務められた。
残す事の蓋然性と、
そのための道筋を知りたくて、
仕事のついでにお邪魔した。
何しろスバリストなので。
残さねばならぬものに、
苗木城址がある。
そのまま維持修復するのなら良いが、
どうしても観光地化すると俗性が高まる。
この近辺に同じようなモノは多く要らない。
だからそのまま残すのに必要な知恵をもらおうと訪れた。
久し振りに本家が見たくなり、
宿場町の枡形に足を伸ばした。

昔のまんまだ。
冬の寒い時期こそ、
木曽路は本当の姿を見せるのだが、
それを楽しむヒトは驚くほど少ない。

勿体ないね。
そんな事もあり、
人気の宿場町でもこの時期は閑散としている。

ここが祖父の生まれた家だ。
300年くらい経つのだろう。

この木戸を開けて、
家から出ると、

左は諏訪を経由して高崎へ、
そして江戸へと続く。
右を見ると、

近江の国を経て京へと続く。
桝形を出て西へ向かう。
江戸時代が容易に想像できる。
クルマや自転車は無く、
馬か籠の時代だ。
久し振りに「いこまや」の前まで歩くと、
急に雪が激しくなった。
こりゃいかん。
サマータイヤのままだ。

慌ててクルマに戻り、
中津川へ向かった。
国道に出ても、
雪は激しくなる一方だ。

幸いなことに路面には雪が積もっていない。
登坂車線でフィールダーを追い越した。
軽とは思えぬ上質な走りだ。

前方が詰まった。
遅いトラックに道を阻まれた。
前に居るのはマツダか。

マツダのデザインは、
ロードスターなどを見ると、
ちょっと逝き過ぎてテールランプも安全性では見劣る。
けれど、
やるじゃないか。
フォレスターの場合、
デザインまで出来たが、、
それをプロダクトとして具現化できなかった。
灯火器の重要性をスバルより遥かに理解していて、
作り込みで遥かに先を走っている。
R1やR2、
それに4代目レガシィワゴンの灯火器で、
かなり先を走ったけどね。
最近はわざとだと思うけど、
やり切れて無い感を残すよね。
R2と過ごした66kmは愉快だった。
やっぱりお金をかけたクルマは違うね。
古きを訪ねて新しきを知ると言う。
いう事は簡単だ。
古きを訪ねることなどいくらでもできる。
問題は「何を知る」かという事なのだ。
単なる懐古主義で言ってるわけじゃない。
軽でありながら、
このロードフォールディングと操舵応答性は、
スバルの美徳の結晶だと言える。
SGPで素地は整ったが、
それだけで満足せず車種ごとに煮込むことが大切だ。
更に良いクルマ作りを期待しよう。