たまにはこんな事もある。
蕎麦の美味さを書き出せなかった。
美味い蕎麦は、
何も付けずに食べてもスルスルと喉を通る。
まずい蕎麦はつゆを付けても不味い。
江戸前の蕎麦は、
チラっと汁を付けて、
一気に啜り込むのが「通」だと聞いたことがある。
それに対して、
木曽路や伊那路の蕎麦は、
噛み締めて楽しまないと損だ。
グンっと旨味が増すからだ。
筆は走るが、
とめどなく文章が増えて収まりがつかない。
エンジンを語り始めるとキリがない。
深みにはまると抜け出せなくなる。
蕎麦も深みにはまると抜け出せない。
親切な店員さんは、
「三枚注文するより二枚で大盛りがお得よ」
とアドバイスしてくれた。
それに従って注文したが、
あとから来た男性客は、
「大盛り三枚!」と元気が良い。
見ている所で蕎麦を打つ、
価格も値打ちなお店だ。
これまで、なぜ気づかなかったのか。
中津川のあお木と同じで、
薬味に大根おろしが付く。
もう一つの焼き味噌も魅力的で、
汁に解くと世界が変わる。
近所ならば休日の真昼間に来て、
これで蕎麦前に冷や酒を飲むのも良い。
噛み締めた素の蕎麦を、
美味い酒で胃の腑へ流し込む。
次に大根おろしを加えた汁に、
サッとそばを付けて啜り込む。
2枚目になると、
最初は素のままで噛み締めて、
次に山葵と葱をたっぷり入れた、
少し多めの汁に浸し、
ガバッと一気に貪り食う。
単純であっさりしてるけど、
旨味の溢れる味が好ましい。
良く行くマーケットが様変わりした。
スマートインターチェンジの威力は、
まさにこのように表れるのだ。
中津川も同じ風が吹くはずだ。
湯舟沢から落合に掛けて、
逆の流れが生まれるだろう。
このマーケットも集客力があるので、
本来の利益を追求しないスタイルから、
遂に大型投資で金利を払うスタイルに衣替えだ。
銀行が融資したくてたまらなくなる、
そんな世界が簡単に生まれる。
とは言え、
建物に過大な金をかけず、
知恵と工夫で美しく整えられた。
アイキャッチは郵便ポストだし、
これまでと同様に派手な看板も無い。
いくつかに切り分けていた建物は、
一棟のスッキリした店舗に代わり、
床も綺麗にコンクリートで整えられた。
構成をよく見ると、
壁材や天井は中津スバルの工房のように、
プラスターボードの裏張りになっている。
断熱効果は薄いが、
余計な内装材を使わずに済むので安上がりだ。
床のコンクリートも、
インプレッサハウスで使った構造に近い。
決して安物ではないが、
工期が短くて済むし仕上がりも綺麗だ。
華美ではないが、
安普請でもない。
この微妙なバランスが好きだ。
エンジンのブログが、
書いても書いても、
次から次へと言葉が浮かぶので、
一向にまとまらない。
だから次のブログに進めない。
期待して待ってる人も多いかな。
そう思うとモチベーションが維持できる。
もっと時間が欲しい。
でも仕事もしないと食っていけない。
お客様あっての中津スバルだ。
頑張らなくちゃ。
元気を出そうとマーケットで卵を買った。
いくつかの種類の中から、
妻は比較的安価でパッケージが面白い卵を選んだ。
名前も良い。
一発で気に入った。
透明なパックではなく、
籠のような容器に様々な卵が入っている。
あまり見たことが無い包装だ。
このマーケットのように、
そっけない造りなのがインプレッサハウスだ。
様々なお泊りプランを展開するので、
これからも親しいお得意様のアジトになるはずだ。
「屯」をキーワードに、
これからも工夫を凝らす。
テーマは「そっけなく」する事だ。
周囲と調和してひっそりと「屯」出来れば、
一人一人の頭にとめどない野望が浮かぶだろう。
ここに屯して、
想像力を働かせてほしい。
件のマーケットと同様で、
出来るだけ質素に仕上げるとは言え、
かなりの投資は必要だ。
ただそれを外部から調達すると、
大変なことになる。
融資を受けたら、
それに見合った利益を、
この施設から直接産み出す必要性が生じる。
そいつは、
けっこう苦しいし、
万一期待通りに事が進まぬと、
外から侵入を許す隙を作る事になる。
単眼的に利益を得る事に躍起になると、
本当の道がどこにあるのか見失う。
そっけない建物だけど、
見れば見るほどゾクゾクする。
コンクリートの塊を見上げると、
太い柱がある。
単なるモニュメントだ。
実は何の意味も無い。
そこに鉄筋が出てたから、
切るのを惜しんで柱を立てた。
たったそれだけのことだ。
本当はあと2本立てたかったが、
「馬鹿じゃないの」という娘の意見に従った。
残りの四本の柱の間に、
信楽焼を据えたのも、
何となく想像した結果だ。
遂に露天風呂に簡単な覆いが付き、
カンカン照りの昼間でも、
雨がしとしと降っていても、
景色を楽しみながら湯舟に浸かれる。
周囲をメンテナンス中で、
暫く使う事が出来ず、
平方さんに不自由な思いをさせた。
もう大丈夫です。
なので、
また遠慮なくどうぞ。
平方さんにはお酒を沢山戴いた上に、
お菓子も山ほど戴いた。
キムラヤのお菓子は味が良い。
山形が産む産物は、
全て旨味が迸る。
特に美味しかったのが、
お土産に戴いたお米で炊いたご飯だ。
あの時のお握りも美味しかったが、
鉄火丼を作ってもらって仰天した。
滅茶苦茶美味い。
余りに美味しいので、
妻がラップに包みお弁当にしてくれた。
おかずは一つだけ。
例の卵だ。
何故異なる色が混じるのか、
その理由はまるで解らない。
一番手っ取り早く味を知るためには、
卵かけご飯が良い。
ご飯も2パックあるので都合が良い。
喰いすぎだが大目に見てね。
まず茶色い卵を割った。
黄身の色が良い。
かき混ぜる。
頬張る。
美味い。
なんたる味の良さだ。
生卵を苦手とするヒトには申し訳ないが、
これを毎日食べても飽きないだろう。
日本人に生まれて良かった。
海外では生で食べる習慣の方が少ない。
特にアフリカでは絶対に食べてはいけない。
鮮度が外から確認できず、
火を通さないと危険だ。
卵の殻にも細菌が付着していて、
菌だけなら良いが悪玉のウイルスだと、
重篤な内蔵疾患を被むる。
白身の適度なヌルヌル感も良い。
シャビシャビの白身が多くなったし、
カラザも目立たぬようになった。
そしてその分
味が抜けている。
とても我慢が出来ず、
もう一つのご飯を器に載せ、
レンジにかけた。
ちーん!
もうこのまま食べても良いくらい、
素敵な芳香が漂ってきた。
今度は少しアレンジした。
普通のスライスチーズをちぎって、
ご飯の3分の1に載せた。
そして白い卵を割った。
卵ご飯専用の醤油は、
塩辛くなくて丁度良い。
ご飯の熱でチーズが程好く溶けた。
良い感じだね。
それぞれの素の味を楽しみながら、
次にはゴージャスなハーモニーを奏でさせる。
素の味こそ奥が深いね。
片山さんにお買い上げいただいたR1も、
実に素の味が良い。
納車前のテストで中津シェライフェを走り、
久し振りに素の味の良さを堪能した。
比較的走行距離も少なく良い味の個体だ。
80km弱を調子良く走り切った。
夜と朝で全く異なる表情を見せる、
とても素敵なベリールージュを纏い、
直列4気筒DOHC16バルブのエンジンサウンドを奏でる。
テストを終えた翌朝、
改めてリヤボディを見て惚れ直した。
この角度が一番美味しい。
ショートホイールベースで、
ギリギリ四隅に踏ん張った足回り。
面白いクルマを作ったもんだ。
SUBARUの歴史はK111で始まり、
軽の歴史を11Kで閉じた。
そう思うと、
このクルマの先進性や独創性が納得できる。
さあ、
スランプから立ち直った。
またハードな仕事が目前に迫った。
頑張ろっと。