4~5年前の写真が出てきた。
ミニカーと言えども馬鹿に出来ないのは、重機や特殊車両で好きだから衝動買いする。
といっても、
たま~~に買い求めるだけだけどね。
ミニカーの横にあるのは、
中津スバルの敷地内から出土した土器の破片だ。
これに加え化石や珍しい石など、
拾っては並べて眺める。
そんなひと時が大好きだ。
時々本物の土器が出る理由は、
以前にも書いたけれど、
弥生から室町に掛けての遺跡があるからだ。
冒頭にある土器の破片は、
須恵器と呼ばれる。
このような小物は、
気をつけないとすぐ紛失する。
飾る場所があれば良いけれど、
意外にそう言う場所は無い。
ミニカーも一緒で、ちょっと油断すると紛失する。

このモールもどこかで買った。
和名はジェットモグラタンクだ。
行方不明というよりも、
置き場所をうっかり忘れていた。
欲しかったサンダーバードが揃った機会に、
まとめて飾ることにした。

重要な本などを置くための飾り棚も、
ミニカーの住処の一つだ。
サンダーバードを並べたら、
レガシイがはじき出された。

あれこれ思案していたら、
地雷処理の重機が出てきた。

直感で買った重機の一つだ。
先日手に入れて掃除した仲間に加え、

4つともインプレッサハウスへ移動する。

あちらには中原さんに修復して戴いた仲間が沢山並ぶ。
松井さんもお泊りになるし、
一杯飲みながら楽しもう。
いろいろ想像しながら、
並べ直してみようと思っている。
所だ愛と二代目の丸目もはじき出されたが、

デスクサイドの本棚に置いた。
この方が想像力を掻き立てられ、
次の仕事づくりに役立つ。
バス三両も色使いが気に入って購入した。

どれも程度が良いのでインプレッサハウスに直行だ。
特に決まったルールは無く、
衝動買いすることが多いけど、
見たり触れたりすると意外なほど心が落ち着く。
今回の仕入れは大当たりだった。

そのミニカー達が、
3月26日に整った。
ミセス大鶴の手でスチーム除菌が終わり、
全て綺麗に蘇った。
その日は大切な日だった。
妻の誕生日でもあるし、
もう一つ面白い仕事を始めた日でもある。

この可愛らしいクルマの鮮度向上に着手した。

DOHCエンジンを搭載するので、
タコメーターが格好良い。
メーターそのものも透過照明だ。
トパーズイエローは魅力的だね。
このリフレッシュも、
今日でほぼ完了した。
クルマの状態は元々かなり良かった。
初期型の最も可愛らしいR2だ。
顔も良いが色も大好きで、

室内も上質な仕上げで、
特にボーイング747´400のコクピットのような、
色使いのインパネが好きだ。
ブラック内装だからかな。
お客様には魅力的に映らないらしい。
それとも、
5速マニュアルのせいかな。

このクルマは、
お気に入りのミニカーみたいで、
そばに置いておくだけでウキウキする。
このようなクルマを、
大好きだと言うお客様も多い。
スロープにズラリと並べると、
とっても店先が華やぐ。
このR2も初代のR-2も、
中津スバルに欠かせない、
永遠のマスコットだな。
これは平成17年のR2だ。
駆動方式は4WDで、
グレードは「R」。
凄く珍しい個体だと思う。

まずエンジンを調整し、
タイヤのエアチェックを終え、
高速テストに出ようとした。
車検整備も終わり、
綺麗に清掃されてる。
でも、
そんな無茶なことは止めた。
まず、
中津川リンクを軽く一周し、
10kmほど走って体調を探った。
4WDはどうしても重量と、
走行抵抗という二つのハンディを持つので、
エンジンの状態がモロに走りへ跳ね返る。
走ってみたら、
やはり何となく重いし、
足回りの動きもぎこちない。
もう一度サスペンションを調整し、
テスターでジオメトリーは確認した。
熟練の整備士が適切に手を掛けると、
人間でいえば「整体」を受けたような、
極めて明確な効果が上がる。

また同時にヘッドライトを外して、
老化した樹脂部分を削ぎ落した。

良く乾かしてから、
保護皮膜を塗り直し、
綺麗に磨くと、

元のハンサムに顔に戻った。
エンジンにも時間を掛けた。
プラグ交換など、
消耗品は勿論のこと、
バルブクリアランスまで調整を終えた。

エンジンオイルは勿論、
ギヤオイルやデフオイルも交換した。
5速マニュアルの4WDは、
スポーティな直列4気筒DOHC16バルブエンジンを積み、
本来ならば54馬力を発揮するはずだ。

そしてエンジンオイルに、
面白いモノを加えた。
本来の力を引き出すための、
まさに栄養ドリンクを飲ませた。
過走行車オイル用に作った、
特別な添加剤だ。
当社の多走行車専用オイルは、
グループⅢと言われる、
VHVI油をベースに良質なFM材(粘度指数向上ポリマー)を調合している。
それに加えエンジン燃焼時における、
FM材と融和性が高い二硫化モリブデンをブレンドした。
油膜を強化し油圧を高め、
金属表面に滑り易さも出す絶妙な配合を得ている。
このボトルの中に、
その専用エッセンスだけが詰まっている。
それを最後に与えた。
こうして十分な整備が行き届き、
高速道路を思いっきり走る準備が整った。

R2自慢の新環状力骨構造ボディは、
レガシィ譲りで小型車並みの安全性を誇る。
さらにABSを装備して、
デュアルSRSも組み合わせているので、
軽自動車の中でも安全性はピカイチだ!
こうして十分な整備が行き届いたので、
トリップメーターをリセットし、
高速道路を思いっきり走った。

ランプウエイを気持ち良く駆け上る。
ツインカムの可変バルブタイミングシステムをエンジンは、
軽々と7000回転まで吹き上がる。
5速あるギヤを伸びやかに使って、
思いっきり加速する。

ここでサスの動きに劇的な変化を感じた。
工房から乗り出した瞬間に、
サスのストロークに変化を感じたが、
高速になればなるほど気持ち良さが違う。
サスのジオメトリー見直しは、
R2にとって抜群の効果をもたらした。
この4輪独立サスペンションは、
小型車と変わらない走行安定性と、
しっかりと乗員を包み込む豊かな乗り心地を兼ね備える。
R2本来の実力を発揮させたら、
とても9万キロを超えたクルマに思えなくなった。

一羽のスズメが猛禽類に捕食されていた。
待望のクラウンを得て、
彼等も元気いっぱいでやる気十分だ。
ルーズな運転をするドライバーや、
追い越し車線を譲らない非常識な連中を、
どんどん捕食して快適な道路環境に整えて欲しい。
期待している。

中間地点でクルマの状態を点検した。
随分変わった。
操舵応答性も良く、
NVHも改善した。
高速からヒルクライム、
そして長い下り坂と、
あらゆる環境を全力で走り帰還した。

こうして性能は十分確認できたので、
下回りやエンジンルームも綺麗に洗った。
まだあちこちに塩が粉末で舞っていた。
そしてボディを綺麗に洗って、
表面に付着した見えない異物まで落とした。
いわゆる鉄粉除去という、
ポリマーコートの前に行う儀式だ。

社員全員でドアの内側まで徹底的に磨くと、
これくらいチッカチカになる。

マッドガードの取付ボルトが錆びていた。
それもみすぼらしいので交換した。
さあ、
これで準備万端だ。
ゴールデンウイークに、
可愛いクルマで遊びまわるのも楽しいぞ。
トパーズイエローのR2は,
飛びっ切りお洒落な相棒になるはずだ。

R2のデビューに合わせて、
R-2もレストアし、
その直前にサブロクを黄色く塗った。
インスピレーションだったね。

デビューしたR2もクリームイエローだった。
何しろ横にある色見本が示すように、
全部で11色のカラーバリエーションだった。
竹中社長は太っ腹だったよね。

この色が好きで、
当時米国でデビューしたバハとお揃いで飾った。
けれど富士重工は少し戦略を誤った。

レディッシュモーブと呼ぶ赤系統の色をメインに置き、
イメージキャラクターを渋い個性的な女性にした。
ド外れだった。
この時、
少し竹中社長に意見を述べた。
色もキャラも違うってね。
少し経つと、
良い感じのCMが出来た。
黄色をメインに観月アリサが登場し、
R1のデビューと共に、
クリームイエローからより耐光性の高いトパーズイエローになった。
赤系統も刷新され、
明度の高いベリールージュに変更された。
R2はスペインにあるフォーレが原形をデザインした。

見事な造形で色も良かった。
これがさらに磨きこまれ、
この素晴らしいデザインが完成した。
モーターショーで発表された時、
前を通ったゴーンは凍てついたように立ち止まったと聞く。
スズキの鈴木社長も驚愕したらしい。
「うちでなぜこのクルマが作れないんだ!」と、
近くにいたスズキの社員に呟いたと聞いた。
このプロトタイプを知っているので、
ピスタチオグリーンにも惹かれる。

このクルマの後は、

このクルマを蘇らせる。
お楽しみに。