思いがけないクルマが待っていた。1月のオートサロン以来だ。
当時はプロトタイプだったが、
立派に特別仕様車としてデビューした。
5月7日に正式発表され、
8月下旬から発売になる。
テンロクのGT-Sがベースで、
その手法はチャールサイトイエローのBRZだと思えばよい。
名古屋スバルの小笠原社長が熱心に覗き込んでいた。

何か面白い所がありますか、
と尋ねたら、
「これを見るのは初めてなので」と仰った。
レヴォーグらしく質感の高い内装で、
初心に戻ってブルーアクセントを際立たせた。
アドバンテージラインは、
レガシィから引き継がれた完熟期の特別仕様車だ。
これは後々になって価値が出るから、
購入を検討している人は対象にすると良い。
価格はアウトバックの特装車ともろにかぶる。
なので、
商品特性をよく考えて、
迷う楽しみを味わおう。
このクルマが出たので、
好調だったV-SPORTはカタログモデルになった。
他にも消費税込みで300万円を切る、
スマートエディションもカタログモデルに昇格した。
「国内市場を軽視しない」
吉永さんがその信念を形にしたクルマだ。

その上で米国市場を熟知していないと、
今の国際情勢でクルマビジネスに活路を与えられない。
グローバルな視点が大切だ。
米国でレガシィを立ち上げた時に、
大変苦労された経験を持つからこそ、
今のSUBARUの成長がある。
約束通りお目に掛かれて嬉しかった。

クルマの展示を抑える代わりに、
数か所にフォトスポットを用意して、
参加者が気軽に写真を撮影できる場所を用意した。
今回の年間表彰式典は、
昭和57年に初参加して以来、
最も温かみのある優れた演出だった。
昨年来の苦境から脱出するために、
吉永さんは会長職として持てる力をフルに発揮し、
国内生産体制に喝を入れている。
使うお金も桁違いで、
その本気度は相当なものだ。
「新社長の中村さんだけに苦労は掛けない」
その思いがジンジン伝わってきた。
社長業は業界団体の集まりや、
国土交通省など国との接点として多忙を極める。
それらを省けないからこそ、
吉永さんが黒子役で手腕を発揮するのだ。
その苦労も相当なものなので、
この機会にぜひ一緒に飲みたかった。
暖かさは料理にも表れていた。

良よりも質を徹底的に高め、
余分な時間をなるべく取らず、
味を楽しむ時間に傾注していた。
そのため、
コック長の料理説明などは無いが、
余計なお品書きを出すより、
美味いモノを喰わせて驚かす方が良い。
新鮮な刺身の組み合わせが抜群だった。
それに黄色いクリームが謎的な味のアンサンブルを添えた。
美味い。

ステーキも肉質はジューシーで、
余計な脂が一切なく、
レヴォーグ1.6GTの味覚にそっくりだった。
上に乗ったフォアグラが、
まるでコンチネンタルタイヤのように良い味を引き出した。
操舵応答性が抜群なクルマのように、
狙った味をピタリと引き出した。
エンターテイメントにも最高の配慮がなされ、
佐藤国内営業本部長と、
松木常務が財津和夫を挟み込む形でスタートした。

大好きな曲を沢山この世に溢れさせた、
まさに時代を代表したアーティストだ。
病気を克服しながら、
張りのある歌声を維持する姿に感動した。
暖かさのあるエンターティナーなので、
奥田社長はさぞかし安堵したのだろう。
爆睡していた。

余りの爆睡振りに呼吸しているか、
ちょっと心配したほどだが、
そんな事は余計なお世話だった。
全曲が終わり舞台のそでに財津和夫が下がった。
猛烈なアンコールの嵐の中、
再び彼は登場し名曲を歌いながらこちらに歩み寄ってきた。
まだ爆睡してるので、
きっと彼も心配になったのか、
近寄って肩を組んで歌い始めた。
会場がどっと沸いた。
奥田社長は一瞬目覚めたが、
彼が立ち去ると再び深い眠りについた。
流石に岐阜県一の販売実績を誇るだけあり、
彼は相当の大物だ。
というよりも、
それほど温かみのある式典だったと証明された。
三次会の席で、
その時の様子を離すと、

彼は全く覚えていないと言った。
「勿体ない事しちゃったね、へへへへ」
屈託なく笑った。
ここが彼の持ち味だ。
確かにもったいない。
チャンスは活かさないと。
翌日も色んなチャンスが待っていた。

全く予期していなかった平安神宮が現れた。
お参りしなくちゃ。

ここは空気が全く違う。
お守りをもらって帰ろう。
妻はちゃっかりと御朱印帳を持参していた。

「ワタシは集合時間ギリギリまで並んでみる」
頑張ってね。
一か八かの挑戦だった。
目的を終えて門まで戻ると、
妻が嬉しそうに立っていた。
「運よく前の二人が抜けたので無事に御朱印をいただいた」

他にもラッキーなことが沢山あり、
厄年を抜け出る兆しが見えた。
温かみのある式典をありがとうございました。

また、
是非お目に掛かり、
たくさん飲みながら凄いスバルを語りましょう。
吉永さん、
楽しみにしています。
ありがとうございました。