日本の朝飯も美味いが、ドイツの朝飯の美味さと言ったら、ちょっと例えようがない。例えばこのバター、
これで一人前だ。
昨年はホイップクリームみたいに柔らかく、
パンに塗って口に入れるとふわっと溶けた。
今年はもう少し硬くてしっかりしていたが、
相変わらずライトタッチで香しい。
日本に居る時は、
余程の事が無いとバターを食べないが、
こちらでこのように出されたら、
しっかり塗って食べる。
美味しいからね。
それとバターを沢山食べることに、
全く罪悪感を感じない。
それほど、
日本のバターは塩辛く重い。
平日なので宿泊客は3組程度だ。
窓の外には料理に使うハーブが、
何種類も植えられている。
ドイツは居心地が良い。
宿を後にしてフランクフルトに向かった。
フォレスターに乗って国道を走る。
時速百キロで対面通行しても、
この国のドライバー民度なら何の不安も無い。
羨ましい交通文化だ。
日本もいつかきっとこのレベルに引き上げられる。
それを信じて精進しよう。
ドイツはラジオ放送も充実していて、
余分な音楽メディアの必要性を感じない。
借りた時にセットしたチャンネルのままで、
切れ目なくず~~~と音楽が流れ続けた。
しかも心地よい曲ばかりで、
全く飽きることが無い。
羨ましい国だ。
アウトバーンに乗ってしばらく走り、
FRAに向かう幹線道路に合流すると、
急に交通量が増え始める。
トレーニングですっかり体が左ハンドルに馴染み、
帰路は簡単に最高速が維持できる。
速度無制限の第三車線に入り、
e-BOXERの手綱を引き締めた。
徐々にスロットルを開けていく。
時速130kmを超えると、
最新のシャシーとe-BOXERが絶妙だ。
まるでタンゴを踊る様に、
気持ち良く道路を駆け抜ける。
時速80kmから130kmにかけては、
日本で使った事もあるので、
既にどのような特性か良く解っていた。
ところがドイツでは、
それ以上の速度域を常用できる。
時速140km辺りでは、
とてもステイブルで気持ちが良い。
日本の高速領域では、
若干ナーバスな特性を見せる。
その領域はドイツでも同じだけれど、
更に上ではドシッと動きが治まる。
その辺りは国内の普通の人には解らない。
なので、
何の心配もいらない。
おそらくステアリングアシスト機能があるからだ。
自動的にモーター介助が入るので、
その前提で設定した味付けなのだろう。
気落ちよく飛ばすと、
前方に目を引くブルーが見えた。
何とレガシィB4じゃないか。
ピッカピカで速いし、
乗ってるオーナーもまさにスバリストそのものだ。
ドイツのスバル好きは、
日本人と相性が良い。
ニュルに行くとすぐわかるよ。
良く見たらドイツのナンバーじゃなかったけれど、
BE5を「こんなに大事にしてくれてる!」と、
思わず頬が緩みっぱなしになった。
ひょっとしたら六発かな!
これイイよね!!
とても走り易い道だ。
フラットアウトでぶっ飛ばす。
全面投影面積の大きさを、
あまり意識させない。
このトルク感は、
エンジンをモーターでアシストする効果だ。
滑るように走るうちに、
また遠くにユニークなクルマが見えた。
すっげえ!
本当にそう思った。
ノスタルジックカーとして、
決して趣味で乗っている訳じゃない。
現役の実用車だ。
正に愛馬そのもので、
加速すると第三者栓をまだまだ平然と走れる。
この文化が凄い。
こういう人から高い付加税をむしり取る真似をしない、
成熟した大人の国家だ。
何百年も昔から「半社会主義」の日本では、
ありえない考え方なのだろう。
良いものを見せてもらった。
こうありたいね。
グッと右足に力が入った。
3800rpmで時速160kmを維持。
少し上り坂なのでさらに踏み込む。
リニアトロニックは自在にギヤを作るので、
小気味よくエンジンの美味しい所を引き出す。
後ろにクルマが居ないので、
SUVだけど第三車線の走行を維持する。
グッと踏むと、
高いギヤ比を使って思うように走れる。
おおよそ時速180kmで、
都市部に近づき混雑してきた。
アウトバーンを降りてスバルドイツの本社に向かった。
今回のドライブは450kmを超え、
クルマ天国におけるe-BOXERの性能を、
しっかりと確かめることが出来た。
タイヤの空気圧が車上で確認できることは、
アウトバーンでは非常に大切だ。
スローパンクチャーが非常に恐ろしいからだ。
この機能を国内仕様にも装着して欲しい。
これだけ飛ばしたのにもかかわらず、
借りてから450km走った最終的な燃費は、
リッター当り13kmだった。
飛びぬけて良いとは見えないかもしれないが、
一緒に旅したなら「エネルギー回収って大事だ!」と気っと思った事だろう。
なかなかやるぜ!e-BOXERは。
これが車体の軽いXVならどうなるのか。
ちょっとワクワクしちゃったぜ。
ドイツ導入が本当に楽しみだ。
国内においても、
この性能ならこれまで以上に安心して使える。
SUVでターボが無い!と嘆かずとも、
電池とモーターでかなりいけてる。
速いクルマが好きな人は、
是非購入を!!
このメーター見たなら、
乗らずに買っても安心だよね。
ドイツのバターを思わせる、
意外に軽くてネットリした美味しさを持つんだ。
気になる人はディーラーで試乗してみてはいかがだろう。
是非、
ハイウエイを走らせてほしい。
Sモードを使えばもっと楽しめるよ。