
STIの高津部長に戴いた北海道土産だ。
初めて食べた。
冷蔵庫に寝かせて、

一口齧って驚いた。
美味しい!
流石に北海道だけの事はある。
気温が低くて溶けにくい土地柄なので、
チョコレート菓子が美味しい。
フィンランドの芸者チョコを思い出した。
日本人をこよなく親しむフィンランド人は、
芸者チョコや東郷ビールなど、
日本にまつわる名前を好む。
フィンランドの隣はスラブ民族の国だ。
けっこう卑怯なことをさんざんやったんだろう。
彼等の誇りだったバルチック艦隊を、
撃破した日本に対し、
きっと尊敬の念を持ってくれたんだろう。
お隣同士というのは、
なかなか上手くいかない所がある。
韓国も恣意的にクドイので、
最近耳目に触れることが多くなった。
あの調子じゃあ、
下手すると北朝鮮に併合されるのを、
待つばかりかもしれないね。
そう言う大統領を選んだのだから仕方が無いが、
トップの定めるレールが、
何処を向くのかは本当に大切だ。

石屋製菓のお菓子をお土産に戴いて、
STIが大きな苦労を重ねた時期を思い出した。

今でこそ復活したが、
2007年に起きた一連の不祥事で、
一時は将来を危ぶまれる予感さえした。
だが、
ファンの多い会社だから生き残った。
銀行が全面支援し大手製菓会社が手を差し伸べ、
見事に窮地を乗り切った。
愛してくれるお客様が沢山居る、
素晴らしい会社はつぶれない。

実は、
ミルフィーユは苦手なお菓子の一つだ。
本土で作ると気温が高いせいか、
冷蔵庫から出して人体に触れても、
なかなか溶けようとしてくれない。
口の中に入れても、
さっくりとした感触は楽しめるが、
唾液とカカオマスが全く交わらない。
いわゆるエマルジョンの状態にならずに、
胃の中に下っていく。
特異体質かもしれないが、
何処のミルフィーユを戴いても、
その触感に差異は無かった。
封の切り方にも工夫が凝らされ、
顧客の気持ちを良く掴んでいる。
一般的には、
縦に裂こうとする包装がほとんどだ。
それだと斜めにカットされ出し入れに支障が出る。
このようなカットだと、
素早くきれいに取り出せ、
表面のチョコも溶けにくい。
その方がチョコの溶ける温度を上昇させられる。
よく考えてるね。
お休みの社員も居るので、
少しだけ余る。
なので役得として、
三つの味を比べさせてもらった。

これはブルーベリーだ。
一番最初はホワイトチョコとマロンの組み合わせだったが、
これはブラックチョコレートと、
ブルーベリーの組み合わせだ。

これも美味しい。
見て分かるように齧った瞬間に、
すぐ下側が唾液と混ざり合う。
このエマルジョンが美味さを構成するのだ。

三つめはミルクチョコレートだ。
大好きなものを最後に残す。
白黒ミルクの順に昔から決まっている。

良い色だね。

キャラメル味とほど良くマッチするし、
くちどけが良く胃の腑に自然に収まる。
美味しいお菓子をありがとうございました。
石屋製菓が災難に見舞われたころ、
STIにも災難の予兆が忍んで居た。
ラリーで隆盛を極め、
Sシリーズをリリースし、
GDB型インプレッサは史上最強のRA-Rで締めくくった。
それに至る過程で、
S202
S203
S204
それにレガシィベースのS402
これらをこの世に産み出して、
Spec.Cのtype RA-Rで締めた。
そして満を持して次期型が投入された。
WRCを意識し5ドアのハッチバックとして、
全面改良されたWRX STIが生まれたのだ。

その開発責任者を務められたのが、
今はSTIで開発部長を務められる森さんだ。
WRカーのプロトタイプが出来上がり、
GDBの最終モデルで、
ペターから万全の信頼を寄せられていた森さんは、
世界の檜舞台に我が子を送り出す寸前だった。
リーマンショックが世界を襲い、
涙と共にWRCを去った。
そこから敷いたレールの向きが変わって、
長い沈黙の時代に突入した。
「S」と「tuned by」の二枚看板が出来上がり、
わざとバランスを崩したRA-Rで度肝を抜く。
出来上がっていたブランドを自ら壊し始めた。
申し訳ないがtS路線は失敗だったと思っている。
でたらめな戦略が何故生まれたのか。
それはSUBARUが自分の都合だけを考え、
STIブランドを蹂躙し始めたからだ。
背の高いクルマでSTIブランドを作らない方が良い。
エクシーガやフォレスターでSTIの本質を見誤った。
その意見に耳を貸さず、
中途半端な「R」まで出し迷走を重ねた。

せっかく森さんが執念でこのspec.Cを作ったにもかかわらず、
なかなかRA-Rを作らなかった。
3年前に森さんが黄色いRA-Rに乗って、
中津スバルに現れた理由は寵児の存在だった。
嫌いなtSだったが、平川社長の執念もあり、
面白いコンプリートカーになっていた。
中津川まで石川部長が届けてくれた。

脚周りの出来が良く、
マフラーも専用品を開発し、
良いベンチマークになっていた。

商業的には今一つだったが、
味付けの良さが復活した。
何しろ石川さんはにこやかで、
周りを楽しませる努力を惜しまない。

石川部長のユニークな個性が、
最近のSTI復調に繋がったのだろう。
こういう時だからこそ、
更にSTIの腕によりをかけた活動を期待したい。
そのために必要な事を3つ挙げた。
まず一つ目は、
安易にSUBARUの手先にならず芯を持てという事だ。
その芯は動力性能最優先主義に尽きる。
動力性能に差の無いモノをSTIから出してはいけない。
そして二つ目は、
背の高いクルマとハイブリッドには触れない事だ。
その二つはSUBARUがやるべき事で、
STIがやるべきことではない。
それを出すという事は、
「手下」の立場で「手先」だという事だ。
そして三つ目が、
昔から持ち続けている野望だ。
STIブランドをスバルブランドの5倍の価値に引き上げる。
その野望を語り合いたかった。願いがかなった。

STIから新しく社長に就任された、
平岡泰雄さんが来訪された。
生粋のエンジニアで発動機開発が専門だ。
もう一人はこのブログの読者ならよくご存知の、
S209開発担当部長の高津さんだ。
彼はVABの生みの親でもある。
VABは結果的にGDBと同じように、
3つの「S」とRA-Rを誕生させた。

彼の選んだミルフィーユのように、
食べた途端に馴染む味だ。