今日も相変わらず忙しかった。
写真を整理したら、
思いがけない写真が見つかった。

昭和63年の全国販売店大会で撮影された記念写真だ。
田島社長と共に撮った唯一の写真だろう。
一番右の最後列にちゃっかり写っている。
前列向って右端が、
当時の岐阜スバル社長を務めた竹内さんだ。
後年社長を務めた加納さんの姿もある。
その加納さんの社長時代に、
中部圏のロードマンを担当されたのが、
現SUBARU社長の中村さんだ。
きっと懐かしく思われるだろう。
この時は、
まだレガシィがデビューする前だった。
田島社長もそうだったが、
その前の佐々木社長も雲の上の存在だ。
社長との距離が、
余りにも遠かった。
若いから当たり前ではあるが、
手の届く存在では無かった。
その結果、
末端の声が社長に届かず、
品質面で苦労の連続だった。
この時、
皆で危機感を共有した。

中央に座っているのは、
渡部さんで後に専務を務めた大人物だ。
営業と開発、
そして製造分野にまたがり人望が厚かった。
この時代はメーカーが赤字を出したり、
品質に問題が多く散見された時代だ。
今とは全く違う、
ある意味で黎明期だった。
クルマがガラリと変わったのだから仕方がない。
あれを産みの苦しみというのだろう。
渡辺取締役も、
まだお若い。
実はこの時の対談を仕切ったのが渡辺さんだったと、
今になって気が付いた。
その時が初対面だったので、
多分緊張していたのだろう。
代わる代わる地方に向かい、
一販売店の経営者を集めては意見を交え、
その様子をフェロールームが記事にまとめた。
良い企画だった。
その時、
丁度レガシィが初のビッグマイナーチェンジを迎えた。
ルビーレッドからクリムソンにボディカラーが変更になり、
「実に素晴らしい色調だ」と素直に感想を述べた。
それを聞いた、
当時の林田課長が物凄く嬉しそうに、
「流石にお目が高い」とほめて下さった。
それが記憶に残ったのか、
或いは当時の吉田専務にお目に掛かった時、
「SVXは先にワゴンボディを売り出した方が良かった」と、
真正面から意見を行ったことが評価されたのかは分からない。
思いがけない場に招聘された。
後から聞いた話では、
直前にメンバーが差し替えられたという。
他の社長を岐阜スバルから推したようだが、
直々にご指名を戴いたらしい。
富士重工側から、
真摯に意見を交換する場を与えられた。

その時の写真まで見つかった。
押し入れの中という異次元には、
色々なモノが眠っている。

その時の出席者も、
しっかりと記されていた。

丁寧な仕事は、
林田さんの下で活躍する、
助さんと角さんの功績だ。
篠木さんと太田さんは、
縁の下の力持ちとして大活躍した。

中央には吉田専務が座り、
存在感を存分に示す。
渡辺取締役と、
嬉しそうに写真に写っている。

お招きいただき、
本当に嬉しかった。
ありがとうございました。
こうした機会が、
深い信頼関係を構築する。
当時の議事録に、
忌憚のない意見が沢山載っている。
そのしっかりした議事録も、
後から直接送られてきた。
今では考えられないほど、
国内営業本部には危機意識が滲んでいた。
述べた意見が反映された商品が、
実際に形となって販売された。
最近はビジネスミーティングも開かれない。
こういう時に、
忌憚のない意見が交わせると良いね。
末端からしか見えない事もある。
またスバルのトップだからこそ、
本音で伝えたい事もあるはずだ。
この時、
ある質問を役員に投げかけた。
場がシーンと静まり返った。
懇親会の席で、
篠木さんと太田さんに何故かと聞くと、
「そんな事、誰も知らないからですよ」とこっそり聞かされた。
懐かしい。
そうやって信頼を重ねてきた。
最近SUBARUは、
またちょっとブレてる。
せっかく商品企画本部の遠藤君が、
執念で考え出した企画なのに、
ちょっとあざとい感じがするね。
懲りずにまたやるらしい。
執念でゴールドホイールを取り戻し、
栄光の555台をもじる事は良い。
「抽選商法」があざといのは、
誰でもわかるよね。
エンジンは究極の魅力を出すのだが、
本来ならイエローグリーンのキャリパーと同時に、
搭載が可能なはずじゃなかったのかなぁ。
出し惜しみして、
その上で抽選商法は、
潔いはずのスバルがやるべき商売じゃないね。
ここがユトリと揶揄する理由だ。
なかなか思うようにいかないね。
もう少し最前線の意見を、
あらかじめ真摯に聞く方が良いのじゃないかな。
お元気でお過ごしだろうか。

東京スバルの社長を務められている時に、
灘でお目に掛かれたのが最後の機会だった。
なぜか渡辺さんとは、
深い話を一度もした事が無い。
潔いと、
肌で感じるお人柄だった。
以心伝心・・・・。
欧米人には存在しない。
これがあるから、
日本民族は骨格が頑強なのだ。
日本人にとって、
それはとても大事な能力だ。
渡辺元本部長なら、
この企画を何と思うかな。
伺ってみたいものだ。