蓋を開けたら、フワッと湯気が出てメガネが白く曇った。寒くなったね。
ファミマのおでんで、
これが一番好き。
これって絶対に最後に食べよう。
火傷するからね。
猫舌だと最近になって実感している。
適度に冷めるまで待てばよいのに、
待つ術を知らず齧ると熱い。
お待たせして本当に申し訳ない。
ここにきて、
少しづつではあるが、
鯨の整備が着実に進んだ。
それにしても良い風景だね。
滅多にお目に掛かれないクルマの宝庫じゃないか。
スバリストなら、
暫しの間、
そこから動けなくなるだろう。
水谷さんの愛機も車検が終わり、
主のドライブで快音を奏でながら帰った。
もう一台はまだ整備の真っ最中だ。
杉浦さんお待たせしてます。
もう少しお待ちください。
10月に戻してから、
この銀鯨も徐々に手入れが進んだ。
目も当てられない様子から、
少しずつ細部を洗浄した。
錆びたボルトなどは徹底的に取り換えて、
見てもらえる状態になったが、
まだエンジン始動は不可能だ。
浮田さんに戴いた、
YUKIZURIを取り出した。
使いかけのクリープを、
大さじ山盛り2杯ぶち込んで、
柔らかみのあるコーヒーを作った。
気分を鎮めて振り返った。
そもそも、
「時間が掛かって良いから」と預けたので、
じっくり待つ事に何の異存も無い。
ただ言えることは、
丁度このSVXを預けた頃から、
日本の世相に大きなうねりが来た気がする。
昨日の帰り際に、
女将さんから戴いたペンを見つめた。
あれほどの繁盛店を、
何故閉めなければならないのか。
日本各地で共通の問題がある。
日本人が去勢され、
ドンドン内側にこもる。
手っ取り早く大金を掴む奴がもてはやされ、
格好いい事を自分のためにやって見せる。
頭は良いから常人より金儲けは上手い。
だが、
「素頭」はとても悪い。
基本的に税金払う事は大嫌いで、
儲けた金を自分のために使う。
危ない橋は避けるから、
逃げ足だけは人一倍早い。
人のために使っているように見せながら、
大金をジャブジャブ無駄遣いする。
売り時だと見ると、
苦労した仲間など切り捨て自分だけ逃げる。
こういう連中を、
メディアが使いたがる。
それはしょうがない。
若い奴らが一番知りたがるからだ。
結局、
お釈迦様の掌の上だ。
釈迦なら良いが、
魑魅魍魎な「オトナ」崩れの、
そんな掌の上で踊らされる。
おもちゃみたいなロケットを、
不器用に飛ばさせられ、
誰もやった事が無い事だと得意げだ。
基本的に自分が一番大事で、
カッコいい事が大好きだから、
金持たせると派手に使う。
ロケットなど兵器転用が容易なものを、
民間に任せるには裏があるだろう。
もし、
何か裏が無ければ全力で潰す案件だ。
100年前に中島知久平が、
大艦巨砲主義と真っ向から対峙し、
何も無いところから飛行機会社を立ち上げた。
それに比べ、
余りにも幼稚だな。
得意げにジェット機購入して、
おおよそ本性が見えている。
北朝鮮が本気で来た時、
あんな奴が身を挺して国を守るとは思えない。
「こっちでも、
半分シロートがこんな事できるぜ」と、
挑発に対して挑発で返す、
その先鋒を担わされているようにしか見えない。
LINEと言うものを誰が作り、
ZOZOと言うものを誰が作り、
最後に金出して買ったのは誰なんだ?
それは本当に国を愛する奴か?
あのようなプラットフォームを構築し、
ドンドン金を吸い上げ、
その金を湯水のように投資し太る。
現実の世界で働くことに魅力が無く、
一人で手っ取り早く稼げることが素晴らしく見える。
そんなヒトを増やすために、
嬉々と仕事をするヒトが増えた。
蕎麦屋は修行が大事で、
手取り足取り教えられ、
教えられなきゃ盗んで覚える。
修行中は給料なんてあてにできない。
そんな「丁稚奉公」なんて今は死語だ。
プラットフォームを作り、
大規模で均一で高品質にしないと勝てない。
それだと、
あお木の大将の、
蕎麦打ち流儀には合わんだろうな。
任せるものがいない。
戻って来た時に、
直感で何かがおかしいと感じた。
最近中津スバルでも、
以前のようにアルバムを作りたがらない。
やり難い仕事が溜まってるせいもあるが、
紙面ベースで「見える化」する事は大切だ。
あのクルマは、
預ける前に相当な投資をして、
完全な状態で預けた。
その記録を取り出した。
外装が完成しないと顧客にも開示できない。
紙面ベースだと、
このように記録が明確に残る。
整備を終わらせた時、
自分の感想も書いてもらう。
吉村整備士にくどいほど頼んで、
手書きしたものを提出させた。
整備伝票も塩漬けされ、
ファイルの中で眠っていた。
そんなに酷いクルマじゃなかった。
作業しやすいように、
外装パーツを分解して運んだ。
どこでどうすれ違ったのか。
同じ色で塗れば、
そんなに時間はかからない。
腰から下には艶があった。
整備した時のエンジンルームは、
非常に綺麗で年式を感じさせなかった。
エンジンがかからなかった理由は、
燃料タンクを調べて解決した。
燃料が少なく、
その上、
何かの添加剤を頻繁に入れたようだ。
そのため、
酷い事になっていた。
もちろんこれもピカピカに戻す。
既に入手できなくなった貴重な部品だ。
これは、
元々普通に走れるクルマだった。
なので、
粗悪燃料のまま放置すると、
如何にクルマに良くないかを一発で示す結果となった。
戻ってまず外を洗い、
エンジンルームを見た時に、
「これは一言だけ伝えた方が良い」と思った。
これは世相を示している。
この会社が悪いのではない。
何とも虚しい日本の縮図なのだ。
そこから一歩ずつ抜け出そうじゃないか。
燃料ポンプをストックの良品と交換し、
自力で動けるようになった。
一歩前に進んだ。
こちらの黄鯨もドンドン良くなっていく。
遂にサブフレームの交換と構造変更が終わり、
軽量化してナンバーも付いた。
一段とピカピカだ。
クルマにハリが出たようだ。
シートの張り替えが遅れている。
なので臨時シートに交換した。
綺麗なシートだ。
ギリギリまでこれで凌ぐ。
まず高速連続走行に耐える体に鍛え直す。
このクルマの心臓は、
とても元気で威勢が良い。
インテークマニホールドを、
デモカーの黒鯨風に整える。
冒頭の写真で、
このクルマがチラリと見えただろう。
こちらも自由自在に走り回れる、
元気な体に蘇った。
室内もピカピカになり、
きっと元の主も喜ぶだろう。
最終型のホワイトメーターも綺麗だし、
走行距離を感じさせないクルマになった。
エンジンルームの状態も良くなり、
時間をかけてさらに改善する。
楽しい企画を産み出すために、
次から次へとチャレンジする。
自然に友達が集まる。
似たような仲間が増えた。
疲れ切った室内だったが、
元のように美しく整え、
思いっきり元気に走れるよう、
徹底的に点検清掃を施した。
エンジンルームを見れば、
そのクルマがどんな目にあったのか、
一発で分ってしまう。
世相が反映されるからね。