
V8の迫力を存分に見せる、
トラディショナルなセダンと一緒に、
記念撮影を行った。
素敵なお土産を戴いた。

ズッシリと重い。
中身がが何かを、
付箋紙にメモしペタリと貼り付けられていた。
これはとても親切な包みだ。
明確に日持ちしない優良な食べ物だと理解できた。

予想通りだ。
「うわあ!」っと、
思わず声を上げたほど美味そうだった。
この美味しさこそ、

水平対向六気筒エンジンのフィールだな。
長江さんもマルチシリンダーが大好きで、
愛機はBOXER6搭載のBPEだ。
フラットトルクでシュンと回るエンジンは、
もはや手放せない至宝となった。

更にそれを上回る至宝が、
このアルシオーネSVXだ。
現在予防整備の真っ最中だ。
それに加え、
元々頑強な本革シートを、
完全なオリジナルシートに張り替えた。
カラダの当たる部分をアルカンターラにして、
その他を新しい本革に張り替えたコンビシートだ。

手間がかかっただけあり、
とても肌触りの良いシートになった。
大量生産ではない、
手作りの味が生きている。
クルマを少しずつ改善する喜びは、
環境改善に情熱を注ぐ行為に通じる所がある。
この場所は、
道路改良後の放棄地となり、
荒れに荒れていた。

特に葛のはびこりようは物凄く、
道路を渡って蔓が伸びる程だった。

そこを除草してフラットに均し、
斜面から葛を徐々に取除いた。
しかし強靭な根が深く入り込み、
取除くのは至難の業だった。
執念が実り、

根絶に成功した。
そこに南信州にルーツを持つ、
数種類のブルーベリーを植えた。

これが最初の一歩だった。
やがて茎が伸び始め

花を咲かせた。
最初に花を見た時、

何て健気で美しいのだろうと、
本当に心の底から感動した。
コツコツと砕石や不純物を取り除き、

植えてから10年が経過した。
ある時はウッドチップを敷き込み、
冷えないための工夫を施した。

徐々に荒れた場所が落ち着いていく。

この変遷を記録に残し、
クルマ文化の醸成にも役立てる。
クルマだけでは無く、
その周りの環境も含めて、
文化的価値を醸成する。

中部電力にお願いして、
コンクリートの電柱をズバッと抜いた。
それから一気に環境が変わった。

電気はとても素晴らしいインフラだが、
全て電気で賄う事に深い疑いを持っている。
電動化に大して賛同しないのは、
この気持ち悪さからくる経験則に寄るものだ。
抜いた途端に、
今まで見た事の無かった、
龍舌蘭の開花が起きた。

ビックリする事が起きると、
それに連鎖してビックリする事が立て続けに起きる。
ジャングル状態だった庭の中を、
コツコツと土壌改良し、
不純物を掘り出しては捨て、
剪定や腐朽菌による樹勢低下の予防を施した。
高圧洗浄機で、
木の幹に着いた苔を洗い流した。

樹木の高さに注目して欲しい。
ここからビックリするほど伸びた植物がある。

それはシュロだ。
余りにも凄い勢いで周りの樹勢に影響を与えるほどだ。
根本は細く安定性に欠ける。
シュロを植えるのが、
この地域で流行った時期があるようだ。
お隣も含め、
ご近所の数件で庭に一本立っていた。
それがどの家にも、
最近見当たらなくなった。
プロは切る方が良いという。
土を硬くしてしまうらしい。

信頼できるプロなので、
勧めに従った。
出会いは桜の古木の枝を切りたいと、
担当する工務店が来た時のことだ。
「切るべきでは無いですよね」
「そりゃあ切るべきじゃない」
このやり取りで人柄が読めた。
だから、
この人に任せたいと思った。

樹木が見る見るうちに、
床屋に行った後のようなサッパリ感を見せ始めた。
こんなに伸びてたの・・・。
思わず絶句するほど剪定が進んだ。
二本あるヒバも綺麗に形が整えられ、
ヒムロヒバがこれ以上伸びないよう止めを打った。

それにしても大きくなったな。
ある程度の迫力は欲しいので、
倒木しないように整えて戴いた。

こうして本格的な庭の手入れが終わった。
池の周囲にも光が沢山差し込むようになり、

冬から春にかけて、
どんな植生の変化が訪れるのか、
なんだかワクワクする。
綺麗になった望桜荘の庭を見て、

改善真っ最中のGC8がほほ笑んでいる。
彼の改善はエンジンルームに移行した。
次のクルマの内装改善が続いている
先日紹介したこのクルマに、

ミセス大鶴が取り組みを続けている。
もう少しで20万キロに達するGDAだ。
このクルマも外国に連れていかれそうだった。
すんでのところで引き留めて、
中津スバルに連れて来た。
距離は伸びてるし、
それ相応に汚れていた。
だが、
最初に見た西尾君が、
「社長、このクルマは意外に綺麗になりますよ」
そう太鼓判を押してくれた。

ミセス大鶴が、
それは丁寧に丁寧にシートの隅々まで、
スチームクリーナーで念入りな清掃除菌を施した。
彼女の真面目な仕事には、
本当に大いなる定評がある。

薄汚れたシートが、
元の輝きを取り戻しつつあった。

それもそのはずだ。
一人のオーナーに愛されたクルマだ。
シートはやつれ、
ハンドルは擦れて、
外装も消耗している。
でもそれは情熱で復元できた。
このクルマの仕上がりに、
是非期待して欲しい。
それと同時に、
海外に涙目を流出させなかった事に、
大いなる賛同を寄せて欲しい。
ペターが大活躍したあの頃が蘇る。