ちょっと拍子抜けしたけど、こればかりはやむを得ない。
技術的なブリーフィングが開催されたのは、
前回からなんと4年ぶりである。
その時は初めてSGPを詳しく解説し、
SUBARUは正しい手順を追って、
本当に良いクルマ作りを進めるなぁと感心させられた。
それに対して今回は、
既に米国で走り回っている、
CROSSTREK HYBRIDが紹介された。
日本もクロストレックと名付けると良いが、
日米の嗜好性の差や商標権など、
様々な問題があるのだろう。
これには、
紛らわしいe-BOXERなどと言う、
独りよがりな名称を付けず、
PLUG-IN
HYBRIDと表記される。
日本版のXVと見た目は同じだが、
中身は相当違うし価格も高い。
このトランスミッションに新鮮味は無い。
既に発表されてから、
数年の月日が経った。
でも、
良く見れば見るほど、
このストロングハイブリッド用のミッションは、
もの凄く凝っている。
更に安全設計も並みじゃない。
詰まれるボディはガソリン車に対して、
リヤボディフロアを中心に24%、
つまり全体の4分の一を専用設計に改めた。
と言うより、
並行開発かな。
高電圧バッテリーを搭載するから、
安全アルミ押し出し材を贅沢に使った、
バッテリーケースまで新設計した。
スバルがどれくらい強烈衝突試験をするのか・・・、
それは結構他社が青ざめるほどの厳しさだ。
それを経て作られた、
かなりのクルマなんだが、
日本では発売しない。
けれども、
新採用の技術だけで相当な数だ。
これをそのまま放置するはずはないわな。
まず水平対向エンジンを、
始めて本格的なアトキンソンサイクル化した。
これはスバルにHEVセクションが出来て以来、
ず~~~とやってきたことなので目新しくないが、
シリーズパラレルハイブリッドシステムを組み合わせた所が、
けっこうおもしろいんだ.
これさえあればディーゼルエンジンの熱効率を上回る・・・、
が、
世の中そんな単純なモノでもないな。
さてシステムの概要は、
満充電の状態で、
EVモードのみで約27km走行可能。
EVモードでの最高時速は約104km。
電池の定格電圧は351.5ボルトで、
電池総電力8.8キロWアワーとなかなかのものだ。
充電時間は120ボルトで約5時間、
240ボルトなら2時間で終わる。
写真のように、
トランスミッションは2つのモーターを持ち、
エンジン側のMG1(モータージェネレーター)は発電とスターターモーター、
電気式無段変速機に組み込まれたMG2は、
駆動と減速時に回生ブレーキとして働き蓄電させる。
しかも、
スバルにとって初めて変速にオイルを用いないトランスミッションだ。
従ってトランスファーも新設計で、
電子制御カップリングで後輪トルク配分をコントロールする。
WRXのEMCDを作った会社だから、
それくらいはお茶の子さいさいだろう。
TOYOTAの技術を導入したが、
全くオリジナルと言って良いほど凝った作りだ。
これで現行システムの様に、
12ボルトのスターターモーターや、
アイドリングストップの再始動も兼ねた、
余分なジェネレーターを持つ必要がなくなった。
理想形だね。
この張りぼてには驚いたが、
何もないより見せた方が良いという、
サービス精神の表れだ。
TOYOTAとのアライアンスを、
一旦よく見直して、
セカンドステージに入った時に見せた。
去年の6月の事だ。
ちょっとカビが生えかけてるが、
「単なるコンセプトカー」(笑)なので大した意味は無い。
カメラマンの雪岡さんは、
この頃エディターとしても活躍中だ。
きっと意欲的な取材を繰り広げただろう。
レポートが楽しみだ。
ユナイテッドの藤原さんは、
スビーチャンネルを担当している。
一昨年の24時間スビーチャンネルを実現させた男だ。
またぜひやりましょう。
技術ブリーフィングの会場から、
詳細なレポが届いた。
シェアするのでご覧いただきたい。
中村社長の語りは非常に誠実で、
しかも内容が解りやすい。
日月さんの後を継いで、
技術部門のトップに立った、
大抜さんも丁寧にSUBARUの今後を語っている。
中津スバルも、
同じ道を歩く。
SUBARUの社長や技術本部長が代替わりをしたのと同様に、
受取るメディア側も大幅に世代交代が続く。
だから、
このミーティングは重要なのだ。
これからのSUBARUは、
ディファレントで行く。
はっきりとそう伝わった。
楽しみにして欲しい。
ところでマリオ!
こういう時には最前列に座らないと、
良い取材は出来ないぞ。
無料の講演会は後ろの席から埋まるもんだ。
さて、
この技術ブリーフィングは、
どこのだれにもわかりやすいし、
マリオの心にも深く刺さったと聞いた。
次のスバルマガジンを楽しみに待とう。
SUBARUの進む道は、
過去の十年からこれからの十年を結び付けた。
そのメッセージが、
「SUBARUは本気で「死亡交通事故ゼロ」を目指します!」
2030年にSUBARU乗車中の死亡事故および、
SUBARUとの衝突による歩行者・自転車等の死亡事故をゼロへ
来月のかわら版に、
タイトルとして使わせていただいた。
中村社長、
素晴らしいメッセージをありがとうございました。