
ここまでの工程は極めて複雑で、
オリジナルの状態に戻すために、
非常に多くの時間を費やした。
国内に於ける競技向けに設計された、
超軽量な量産仕様車の存在自体が驚くべき事なのだ。
そのプロジェクトを引っ張った、
インプレッサの父から、
とてもタイムリーなプレゼントが届いた。

先日来収穫しているタラの芽を、

是非食べて戴こうとおすそ分けしたところ、
丁寧なお礼状と共に、

伊藤健さんを取材した書籍と、
奥様の澄子さんお手製のマスクが同封されていた。
かえってご心配をお掛けし、
大変恐縮です。
これを見て、
息子が大変喜んだ。

サイン入りの贈呈本なので、
食い入るように読みふけっていた。

ベストカーに連載された記事が、
一冊にまとめられている。
スバリストなら是非一冊、
書棚に飾っては如何だろうか。
クルマが完成し、
最後の準備が整いテストに向かった。

このクルマの問題は、
一体どこにあったのか。
まずリフトアップして、
その根幹がもろに現れた。

この余計なモノを取り外し、

純正のサブフレームを取り寄せた。
東亜工業が製造するハイドロフォーミングの部品は、
パイプを溶接して組み上げた程度のパーツとは、
物理学的にも天と地ほど差がある。
取り払って、

純正のサブフレームを取り付けた。
安全性能で最も効果があるのだが、
実は装着してその凄さが初めてわかる。

このように平面的なパイプとは違って、
実に三次元的な力学効果を生む。
素材がアルミだからと、
単純に捉えてはいけない。
アホな部品を組む事で、
インプレッサの躍動感がそがれてしまう。
問題はこれだけではなく、
実にでたらめな部品が数多く見つかった。
そこは次のブログで詳細に書く。
こんな事をしたら、
せっかくの名車が台無しだ。

無事に動画も撮影できた。
この限定車が、
特別に面白い理由は何か。
改めて振り返った。
執念だなぁ。
勝つためだ。
この頃、
忘れていないか。
おい!
目を覚ませ。
こいつは戦うための武器なんだ。
その競技用に設計した車を、
ロードゴーイング仕様に、
確信的にグレードアップした。
この味が好きな人種にとって、
不味いはずが無い。
パワーウインドゥやエアコンなど、
快適装備をプラスしたので、
90kgから70kgの重量差になったものの、
その驚異的な加速力は相変わらずだ。
動画中で回転制御と思わず口走ったが、
燃料切れを瞬間的に起こした。
つまりガス欠寸前で走らせたのだ。
その理由はガソリンタンクの大きさにある。
昨夜80km近くを全力で走り、
ワーニングランプが点いたのにも拘らず、
給油することなく撮影した。
それで最初のフル加速で燃料切れを起こし、
次の交差点を左折して、
ガス欠寸前だと気が付いた。
標準車よりスペックCのガソリンタンクは、
10リットルも容量が少ない。
なので警告灯が点いてから、
ガス欠までの目算を誤ってしまった。
逆に言えばそんな状態でも走れたのは、
サブチャンバー付きの燃料ポンプを搭載してるからだ。
これは急旋回時のガソリンの偏りを、
影響させずに燃料を送り込む働きをする。
競技車両に欠かせない部品だ。
最後まで安定して燃料を供給できるので、
燃料不足の兆候が最後の最後になるまで出なかった。

と言う訳でクルマは完全に仕上がった。

やっぱり軽いクルマはイイネ。