
「違いの分かるオトコ」の陣中見舞いだけのことはある。
たいした味だ。
持っただけで分る質の高さだ。

鮎菓子は子供の頃からなじみが深い食べ物だ。

ちょっと油断すると硬くなるし、
店の技量がすぐ味に出る。
モチをケチっても不味いが、
それ以上に皮が大事だ。
包んだ川の香ばしさ、
甘さ加減、
重厚なしっとり感など、
クリアすべきハードルは高い。
美味しくいただきました。
ありがとうございました。
その香梅が今月中に閉店すると聞き、
急いで買ってきて下さった。
感無量だ。
昨年、中津川の蕎麦屋で、
よく似た事例が有った。
客に望まれながら、
店を畳まなければなくなり、
昨年12月7日をもって「あお木」が閉店した。
蕎麦を喰う機会がガクンと減った。
昨日遂に我慢できなくなり、
暖簾のある店に行ったが、
その惨状たるや凄かった。
理由は分からないが、
一口含んでギョッとした。
まるで冷や麦を硬くして、
蕎麦風の色を付けたような味気ない蕎麦だった。
客足が遠のき大変だと女将は言った。
それはそうだろう。
客足が読めないから、
まさか冷凍してるのじゃないよね。
或いは破棄する量が多くなり、
原材料を他に変えざるを得なくなったのか。
とても1300円払う価値の無い、
とても寂しい蕎麦だったが、
現在の事を想うと何も言えなかった。
景気が戻れば味も戻るのか。
怖いのは、
その店のスタンダードが狂う事だ。
中津川には他にも蕎麦屋がある。
駅の近くにある店は、
ゴールデンウイーク中も閉めることなく、
本当に執念で営業していた。
納車式の後で、
おそばを食べたいと望まれた、
元泉さんをご案内したら、
とても喜んで戴けた。
今日、
味を確かめに訪問したが、
納得できる味だった。
蕎麦に対するスタンダードは、
決して狂っていないと自信が持てた。

執念を持ってエンジンを分解した理由は、
味の衰えが何処にあるのか、
社員全員で共有するためだった。
くどいほどオーバーホールを進言し、
時には軋轢を生みかけた。
そのままでも走るのだから、
載せ替えですませば楽だ。
以前、
買ったばかりのR1を点検して欲しいと頼まれた。
凄く走行距離が少ないので、
そこに目を付けて購入されたそうだが、
エンジンの雑味が酷かった。
ネット販売はそこに落とし穴がある。
雑味までは解らない。
気持ち良く走るR2を横目に、

吉村整備士が外したエンジンの分解を始めた。
ヘッドカバーを開けた途端に、
オイル交換の不備が散見された。

スラッジが溜まりポルトの頭が隠れるほどで、
カムの表面に鬆(ス)のような腐食が見える。

これから予測されることは枚挙にいとまがなく、
次のオーバーホール対象となった。
雑味があり気になるクルマで、
自動車文化を醸し出す個体に活かすためだ。
オイルは実に重要だ。
交換すればよいと言うものじゃなく、
どのクルマに何を使い、

誰がそれを「やる」のかが大切だ。
大きな仕事も単純な仕事も基本は同じで、
如何に丹念に手を掛けるかが重要だ。
いくらベテランだと胸を張っても、
小さな仕事をないがしろにしたら良い結果は出ない。
だから、
オイルの捨て場所も重要だ。
このような場所が暗くて汚かったら、
良い結果は絶対に生まれないので、
いつも皆で綺麗にしている。
先日、
杉本君がエアタンクを綺麗に塗ってくれた。
すると次は廃油タンクの汚れが気になった。
手順もとても大切だ。
下ごしらえが悪いと良い結果に繋がらない。

活力朝礼で吉村君が廃油タンクの改善を引き受けた。
丁寧に脱脂して塗るばかりに仕上がり、
昨日綺麗に仕上がった。

これを自社で役割分担し、
相互理解の下で進める事が大切だ。
綺麗でも素人の仕事には違いが無い。

肌を見れば一目瞭然だ。
エンジンの仕上げにおいては、
このレベルの要求度では全くダメだ。
どこをプロに任せ、
どこまでを自分たちでやるのか。

それは庭づくりにも生きている。
一斉に芽吹きが始まると、
草の成長度も早くなる。
全員で雑草処理も進めている。
最近むっちゃんはしゃがめない。
膝が老朽化して、
オリフィスが上手く機能しないようだ。

そんな姿勢で草取りすると、
種まき爺さんになっちゃうので、
思いやりを込めて虫取りを依頼した。
心配した梅の樹勢が、
少し良くなったようで元気に葉が繁り始めた。

そこで、
梅に永く寄生しているカイガラムシを取り除き、
ビンの中に集めて欲しいとお願いした。
モゾモゾ動かないから大丈夫なのに、
見たことも無い凄い形相でヒバサミ使って取除いている。

刺すわけでもなく、
飛ぶわけでもないのに怖いらしい。

ペットボトルに入っているので、
まさか殺虫剤を使ってないだろうね、と聞くと、
「まいた」とぼそりと言う。

何でそんなことするの。
エサにしようと思ったのに使えないじゃないか。
アリは生きた虫を絶対に運ばない。
死んだ虫も選り分ける。
嬉しそうにハグロケバエを引っ張る様子を見て、
以前の奇妙な光景を思い出した。
死んだセミの死骸の周りに、
砂を盛って古墳の様にしていた。
その共同作業を観察したわけではないが、
比較的大きな昆虫が死ぬと、
そのような光景を見る時がある。
ましてや、
あの濃密な空間に住む社会性の高い生き物が、
病気の虫を引っ張り込むはずがない。
そうなると、
交尾して即死ぬハグロケバエは、
正に格好の保存食ではないのか。
カイガラムシを野垂れ死にさせると、
蟻がどう捕食するか興味深かったが、
殺虫剤のおかげで水の泡だ。

仕方がないから、
このまま生ごみ処理だな。
とにかく引っ越しするは、
土木工事するは、
見張り番を務めるは、
本当によく働く。
巣の周りを見て、
オヤッと思った。

このフジツボ状の巣穴は、
クロヤマアリではなく、
もっとヤバい奴らだ。
学術的にはモノモリウムと呼ばれ、
数百種類が世界中に分布し、
生物多様性の側面から蟻より重要なグループと位置付けられている。

この小さなアリは、
巣を壊されると非常に強い攻撃性を見せる。
しかも糖分を好み、
住居の近くに巣を作るから、
家の中にも平気で隊列を作り侵入する。
数年前のヒアリで有名になったが、
この辺りにはこいつらの巣が山ほどある。
間違えて草取りなどで巣を壊すと、
知らぬ間に身体の隙間に入り刺してゆく。
小さい刺し傷だが舐めてかかると大変で、
そのアルカロイドにより、
蚊に刺されたより始末が悪く、
自然治癒に時間を要する。
刺し傷の部分が崩壊するのは、
蛋白質を分解させる酵素を持つためだ。
それを体内から排出しようと、
免疫が働きリンパ液が滲み続ける。

何度もひどい目にあった。
熱が出るような大事ではないが、
いつまでも傷口が痒く、
徐々に崩壊する様子は怖い。
その隣を、
平気で蛹を引っ張りながらクロヤマアリが通過中だ。
クロヤマアリに恐怖を感じた事は無い。
モノモリウムと、
上手に共存共栄してるのかな。

時には争うのだろうか。
それにしても巧なボディだ。
この細い蝶番の様な腰と、
細くて長い手足を使い、
強烈なレバレッジを引き出す。
クルマの部品に例えると、
精巧なコアパーツだな。
小さい部品まで舐めてかからず、
徹底的にシャシーを調査して、
相当な復旧作業を施した。

悪戯な部品を取り除き、
基幹性能に磨きをかけた。
だからと言って、
全て新品にするわけにいかない。
エクステリアも同様だ。
ルーフパネルに色褪せが生じていたので、

そこは既にプロの手でペイントを施したが、
その他の車体は社員による徹底的な研磨で終えた。

とても印象が変わり良いクルマになった。
走るには何の問題も無いが、
どこまでの品質基準に蘇らせるのか。
それには妥協も必要になる。
年相応の姿があり、
若々しくなりすぎても折り合いが悪い。

ボンネットもしっかり磨いたので、
艶はあるがシミが隠せない。
正に妙齢の女性の様に、
そこが味だと言えば味だ。
そこが、
雑味なのか、
味なのかは、
長く付き合わないと解らない。
でもクルマの場合は簡単に一部を新品にできる。
灯火器を全て新品にしたらどうなるのか。
この考えも確かにありだ。
寿命を全て一旦リセットできるから、
品質感が一気に急上昇する。

そうなると、
プロの中のプロとコラボレーションが必要だ。
そこでパートナーを思い切って切り替えた。
そして、
丁寧にボディをチェックし、
補修する部分を取り決めた。
フロントのバンパーフェイスを外し、
補修してラベル交換。
ボンネットを外して修理し完全に塗り直す。
右のフェンダーも僅かな凹みを補修し、

マッドガードも外して塗り直す。
右のドアは前後ともドアハンドルを取り外し、
僅かな凹みを修理するとともに、
外したハンドルも塗り直す。
些細な事だが、
後から簡単に直せない。

左のドアは後ろだけ凹みを直し、
前のドアのシールを剥がして完全に塗り直す。
指で差した凹みは全て修復の対象で、
それ以外の小さな凹みは目をつぶるけど、
気になる部分を補修して潰す。

もちろんドアハンドルを外して、
前後とも塗り直す。
左側のクオーターパネルも、

二か所ほど小さな凹みと、

トランクリッドの脇にピンホールが現れてるので補修する。

リヤスポイラーも外し、
トランクリッドも塗り直す。
リヤバンパーも外したので綺麗に塗り直す。
右のフロントのアウターピラーも、
アンテナを外すと同時に塗り直す。
「スッキリ男前」と言う、
素晴らしいキーワドが脳幹を直撃した。
さあ、
素晴らしいスペCに仕上げるぞ。
お楽しみに。