スポーツリニアトロニックの深部に迫る
2020年 07月 17日
ようやく落ち着いたので、
さっそく泳ぎに行ってきた。
一つだけ執念を燃やしたの。
それは15分を絶対に切って、
ブランクを撥ね退ける事だった。
けれども、
それは容易じゃない。
なんとなくわかる。
そこで禁断の一発を仕掛けた。
他にプールに居るのは、
気心が知れた男性一人だった。
ゴーグルを強めに調整し、
ストップウオッチを押して、
そのまま頭から飛び込んだ。

やってやったぜ。
でも、
なんとなく見覚えのあるタイム。


14分58秒42のタイムは、
さて、
まず汲み豆腐に合わせた。


これが美味い。

さらに奥へと手が入った。
この奥には基幹部分のプーリーがあるけど、

オイルパンをめくって中を点検する。
五感を研ぎ澄ませて調べる。

この中に大量の汚れが見つかった。

綺麗に見えるが、

こうしてストレーナーを外すと、

以下の二点を新品に交換した。
オイルパンを清掃する。

この後バスタブに垂れたオイルの状態も、

落下するオイルの不純物は、

それよりも、

コッテリと汚れが蓄積しているので、

ここまでやらないと、

磁石をここまで磨いたら、
とはいうものの、

実にそっけない容器だ。

だから発売元の確実なオイルを、

ちなみにインテリジェントリニアトロニックは、

さあ、

交換を始めると、
かなり綺麗になったが、

さて、

もう一度、
そして入れたばかりのCVTFの新油だが、
ここで惜しんでは元も子もない。

そして再び圧送交換し、

このレベルまで綺麗になった。

そして二度目のサンプリングで、

普通のメンテでもここまでやらないが、
これが二度目に100km走った直後のオイルだ。

机上の空論に過ぎない。

えっ?
ブランクは関係ないのか。
七夕豪雨の日に泳いだきりだったのに・・。
その時のタイムに比べ、
たったの0.01秒差だ。

実に気分が良かった。

晩酌は黒ラベルで始まった。
下関に住む佐々木君から粒ウニが届いた。
さっそくウニを肴に、
色々な食べ方鵜を楽しんだ。

これも良いけど、
豆腐に隠れて味がボケる。
次にイカ刺しが出た。
これには最高の相方だ。

醤油の代わりに、
ウニをイカに少し付ける。

佐々木君、
ありがとうございました。
スポーツリニアトロニックの話を続けよう。
前回はエクステンションケースを外し、
インターミディエートケースを取り出して、
中に仕込まれた濾過器を交換したところまで伝えた。
探求を小休止し、
パワーをチャージしたのでここで一気にまとめる。

この奥には基幹部分のプーリーがあるけど、
そこは非分解なので触れる必要はない。
ただしケースとケースは液状ガスケットで繋がれる。
なので、
入念に残渣も含め取り除く必要がある。
なかなかそこまで触れない理由は、
どこのディーラーも忙しさに翻弄され、
まず環境そのものが整わない。
いくら綺麗で優れた整備工場でも、
最後はヒトの手に掛っている。
たとえ良い道具があっても、
手が悪い事も有るだろう。
環境に問題が生じる場合は、
習慣による影響が大きい。
床まで徹底的に掃除する環境が、
自然の中で身につかないと、
習慣の中に問題が生じることもある。
油断も大敵だ。
人間はついつい油断する。
そこをどの段階で検知し、
憎まれようが嫌われようがクドクド伝えるのか、
そこに全てのキモがある。
ケースのシールを取り除いたら、

これはオイルストレーナーだ。
どんなものが出てくるのか、

簡単に機械をつないで、
中のオイルを循環濾過しながら交換する業者も多いが、
それではエビデンスを確立できない。
内臓を剥き出すような仕事には、
必ずリスクが付きまとう。
無用なリスクを負うことは無いが、
リスクを避けてばかりでは、
人をだます仕事はできても、
信頼される仕事に繋がらない。

スラッジは摩擦を支配する以上、
必ず生じる副産物だ。
VTDと言う前後輪の動力分配装置も、
油圧多版クラッチで摩擦を支配する。
だからそこからも、
当然スラッジが生じる。
なので汚れが溜まるのだ。

表面にはスラッジが大量に付いている。
拭い去れない汚れは、
拭い去れない汚れは、
消耗品として丸ごと処分する。
こうしたところから、
汚れが溶け出す。
なので単にトルコンチェンジャーを使って、
圧送交換しても逆効果になる場合がある。
また、
オイルの非純正化は絶対に避けるべきだ。
製造物責任法があり、
保証が付くと言えども、
無駄なリスクは背負わない方が良い。
理由は後述する。

オイルプレッシャーユニットが現れる。
プーリーの挟み込みに使う油圧や、
ロックアップに必要な油圧など、
様々なオイルラインを統括する重要な部品だ。
ここを開放し重力で可能な限り落下させ、

そしてオイルが落下する間に、


やはりかなり良くないものだ。
リニアトロニックフルードは、
通常の使用環境ではメンテナンスフリーと謳われるが、
そうではないことが明白になった。
前のブログで触れたように、
このクルマも10万キロまで至る間に、
念のために二度交換してあった。
たが、
内部には汚れが蓄積し、
単なる圧送交換では除去不能だ。

内部でできた代物なので、
実に汚いし嫌なにおいがする。
円形のパーツはプロペラシャフト前端のオイルシールなので、
リニアトロニック本体とは関係ない。
黒いひも状の物質は、
インターミディエートケースをつないだシール材だから、
こちらも本体とは関係ない。

オイルパンの内側に注目だ。

綺麗に取り除き、
磁石に着いた鉄粉も綺麗に拭いとる。

また汚れが溶け出す。
物理的に考えれば下に溜まるので、
構造上この先に手が入らなくても、
かなり満足度の高いメンテナンスになる。
くれぐれも、
忠告したい。
どこでも作業出来る訳ではないので、
「同じようにやれ」と決して強要しないことだ。
どこのディーラーも必死で仕事してる。
ネットで得た情報を盾に、
知ったかぶりはやめてほしい。
信じるべき相手と、
日頃から仲良くしていれば、
裏切るようなディーラーメカニックは、
一人としていないはずだ。

組付けをはじめ元に戻す。

その作業がまた一筋縄ではいかない。
簡単に機械繋いで、
パッと終われば楽だけど、
世の中楽してばかりでは生き延びれない。
スポーツリニアトロニックオイル(ハイトルクCVTF)は、

色も独特で決して良い香りではない有機臭が漂う。
エンジンオイルと違って、
積極的に交換する油脂類ではないからね。
こんな高いオイルを、
積極的に交換しなければ、
成り立たないシステムなのかと逆切れする客も、
日本は広いから必ず居るはずだ。
だから「メンテナンスフリー」が常識になった。
けれども、
その常識が通じない使われ方をされるようになった。

確立させたエビデンスに基づき、
良い手で行うことが大切なのだ。

「中容量CVT]と呼ばれ全く違うオイルを使う。
こちらは同じ20リットルなのに、
ショールームでも見栄えする、
スバル純正らしいオイルなのだ。
無印良品のような、
まるでそっけないハイトルクCVTFを見ると、
スバルが育んだ「驚異」の高トルク対応CVTの、
まさに「意義そのもの」を見せつけられた思いだ。

ここから全てのオイルを可能な限り交換する。
全てのオイルと言っても、
20リットル、
つまり一缶を限度にする。
それ以下で綺麗になれば良いが、
まず無理だろう。

上の点検窓に真っ黒なオイルが現れる。
下を新油が走るのでその差は明確だ。

ここで20リットル使い切った。

ここからが出番だ。
ステラリングを握る時が来た。
ここから走行プログラムに沿って、
丁寧に100km走行させる。
特定の場所を特定の走り方で、
決まった距離を消化する。
そして、

メカニックの手にクルマを渡す。
まずサンプリングが大切だ。

きっぱりと下から綺麗に放出させる。

だから予算を切った仕事はお受けしない。

クルマの中に新しい息吹を注入する。
最初に抜いたオイルをサンプリングすると、
この後比較が容易になる。
交換機に現れるオイルを鵜呑みにすると、
後々問題が残るからだ。

ケチらずに一缶使い切ることも重要だ。
中途半端に残すより、
缶単位に購入していただき使ってしまう。
そして、
今度は最初と違う方法で、
丁寧に丁寧に100km走行させる。
中津川の地理的優位性がいかんなく発揮され、
メーカーのテストコースよりリアルで、
適度に負荷をかけた走行が可能だ。

効果のほどを確かめる。
これがエビデンスだ。
一度の圧送交換では不十分なことが、
この作業で証明できる。

さらなる探求心を持つと、
また違う道が開ける。

どうだろう。
納得していただけただろうか。
やはり机上の空論は、

ネット社会は自分に都合の良い情報を集め、
頭でっかちになりがちだ。
リアルワールドでは、
やはりマンパワーが大切で、
そこには特別の技量は要求されない。
つまり、
躾そのものがまず必要で、
次には深い好奇心が必要なのだ。
さあ、
明日も頑張るぞ。
毎日楽しく拝見しています。今回もリニアトロニックの”内部探訪”見ごたえがありました。油圧コントロール部の精密ダイカストは美しさすら感じました。(さらに奥も見てみたいような・・・)しかしながらすごいのが出てきますね。又、すごい追い込み整備でした。ここまでの実証記事は大変貴重だと思います。今後も期待しています。
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了解しました。おたのしみに。
こんばんは。
オイル(交換)の世界は深いですね。特にミッションオイルに関しては様々な意見がありますが、実例を示していただき、ありがとうございます。今回も大変よい勉強になりました。
オイル(交換)の世界は深いですね。特にミッションオイルに関しては様々な意見がありますが、実例を示していただき、ありがとうございます。今回も大変よい勉強になりました。
> 埼玉のさとうさん
こんばんは。まあ正しい手順で交換して損する事は何もないです。予防とはそういう事ですよね。
こんばんは。まあ正しい手順で交換して損する事は何もないです。予防とはそういう事ですよね。
こんにちは。はじめまして。
CVTFについて、興味深く読ませていただきました。
何事も先手を打って予防に徹することが大切ですね。
当方、BMMのE型に乗っておりますが、初回車検時に交換を断られ、無交換で現在約23万5千kmです。
最近、ギアを入れた時のショックが気になり始め、いよいよ寿命かと思っているところです。
3回目の車検を1月に控え、通すか箱替えか…悩んでいます。
このブログを読ませていただき、非常に勉強になりました。ありがとうございます。
CVTFについて、興味深く読ませていただきました。
何事も先手を打って予防に徹することが大切ですね。
当方、BMMのE型に乗っておりますが、初回車検時に交換を断られ、無交換で現在約23万5千kmです。
最近、ギアを入れた時のショックが気になり始め、いよいよ寿命かと思っているところです。
3回目の車検を1月に控え、通すか箱替えか…悩んでいます。
このブログを読ませていただき、非常に勉強になりました。ありがとうございます。
本当に耐久力は抜群です。
アメリカでよく売れるわけですね。
アメリカでよく売れるわけですね。
by b-faction
| 2020-07-17 21:47
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