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スポーツリニアトロニックの深部に迫る

先週の火曜日に痛めた右足が、
ようやく落ち着いたので、
さっそく泳ぎに行ってきた。

一つだけ執念を燃やしたの。
それは15分を絶対に切って、
ブランクを撥ね退ける事だった。

けれども、
それは容易じゃない。
なんとなくわかる。

そこで禁断の一発を仕掛けた。

他にプールに居るのは、
気心が知れた男性一人だった。

ゴーグルを強めに調整し、
ストップウオッチを押して、
そのまま頭から飛び込んだ。
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やってやったぜ。
でも、
なんとなく見覚えのあるタイム。
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えっ?
ブランクは関係ないのか。
七夕豪雨の日に泳いだきりだったのに・・。

その時のタイムに比べ、
たったの0.01秒差だ。

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14分58秒42のタイムは、
実に気分が良かった。
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さて、
晩酌は黒ラベルで始まった。
下関に住む佐々木君から粒ウニが届いた。
さっそくウニを肴に、
色々な食べ方鵜を楽しんだ。
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まず汲み豆腐に合わせた。

これも良いけど、
豆腐に隠れて味がボケる。

次にイカ刺しが出た。
これには最高の相方だ。
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醤油の代わりに、
ウニをイカに少し付ける。
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これが美味い。
佐々木君、
ありがとうございました。

スポーツリニアトロニックの話を続けよう。

前回はエクステンションケースを外し、
インターミディエートケースを取り出して、
中に仕込まれた濾過器を交換したところまで伝えた。

探求を小休止し、
パワーをチャージしたのでここで一気にまとめる。
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さらに奥へと手が入った。
この奥には基幹部分のプーリーがあるけど、
そこは非分解なので触れる必要はない。

ただしケースとケースは液状ガスケットで繋がれる。
なので、
入念に残渣も含め取り除く必要がある。

なかなかそこまで触れない理由は、
どこのディーラーも忙しさに翻弄され、
まず環境そのものが整わない。

いくら綺麗で優れた整備工場でも、
最後はヒトの手に掛っている。

たとえ良い道具があっても、
手が悪い事も有るだろう。

環境に問題が生じる場合は、
習慣による影響が大きい。

床まで徹底的に掃除する環境が、
自然の中で身につかないと、
習慣の中に問題が生じることもある。

油断も大敵だ。
人間はついつい油断する。

そこをどの段階で検知し、
憎まれようが嫌われようがクドクド伝えるのか、
そこに全てのキモがある。

ケースのシールを取り除いたら、
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オイルパンをめくって中を点検する。
これはオイルストレーナーだ。
どんなものが出てくるのか、
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五感を研ぎ澄ませて調べる。

簡単に機械をつないで、
中のオイルを循環濾過しながら交換する業者も多いが、
それではエビデンスを確立できない。

内臓を剥き出すような仕事には、
必ずリスクが付きまとう。

無用なリスクを負うことは無いが、
リスクを避けてばかりでは、
人をだます仕事はできても、
信頼される仕事に繋がらない。
スポーツリニアトロニックの深部に迫る_f0076731_19564082.jpg
この中に大量の汚れが見つかった。
スラッジは摩擦を支配する以上、
必ず生じる副産物だ。

VTDと言う前後輪の動力分配装置も、
油圧多版クラッチで摩擦を支配する。

だからそこからも、
当然スラッジが生じる。

なので汚れが溜まるのだ。
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綺麗に見えるが、
表面にはスラッジが大量に付いている。
拭い去れない汚れは、
消耗品として丸ごと処分する。

こうしたところから、
汚れが溶け出す。
なので単にトルコンチェンジャーを使って、
圧送交換しても逆効果になる場合がある。

また、
オイルの非純正化は絶対に避けるべきだ。

製造物責任法があり、
保証が付くと言えども、
無駄なリスクは背負わない方が良い。

理由は後述する。

スポーツリニアトロニックの深部に迫る_f0076731_19570201.jpg
こうしてストレーナーを外すと、
オイルプレッシャーユニットが現れる。

プーリーの挟み込みに使う油圧や、
ロックアップに必要な油圧など、
様々なオイルラインを統括する重要な部品だ。

ここを開放し重力で可能な限り落下させ、
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以下の二点を新品に交換した。
そしてオイルが落下する間に、
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オイルパンを清掃する。

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この後バスタブに垂れたオイルの状態も、
やはりかなり良くないものだ。

リニアトロニックフルードは、
通常の使用環境ではメンテナンスフリーと謳われるが、
そうではないことが明白になった。

前のブログで触れたように、
このクルマも10万キロまで至る間に、
念のために二度交換してあった。
たが、
内部には汚れが蓄積し、
単なる圧送交換では除去不能だ。
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落下するオイルの不純物は、
内部でできた代物なので、
実に汚いし嫌なにおいがする。
円形のパーツはプロペラシャフト前端のオイルシールなので、
リニアトロニック本体とは関係ない。

黒いひも状の物質は、
インターミディエートケースをつないだシール材だから、
こちらも本体とは関係ない。
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それよりも、
オイルパンの内側に注目だ。

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コッテリと汚れが蓄積しているので、
綺麗に取り除き、
磁石に着いた鉄粉も綺麗に拭いとる。

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ここまでやらないと、
また汚れが溶け出す。

物理的に考えれば下に溜まるので、
構造上この先に手が入らなくても、
かなり満足度の高いメンテナンスになる。

くれぐれも、
忠告したい。

どこでも作業出来る訳ではないので、
「同じようにやれ」と決して強要しないことだ。

どこのディーラーも必死で仕事してる。
ネットで得た情報を盾に、
知ったかぶりはやめてほしい。

信じるべき相手と、
日頃から仲良くしていれば、
裏切るようなディーラーメカニックは、
一人としていないはずだ。
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磁石をここまで磨いたら、
組付けをはじめ元に戻す。
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とはいうものの、
その作業がまた一筋縄ではいかない。

簡単に機械繋いで、
パッと終われば楽だけど、
世の中楽してばかりでは生き延びれない。

スポーツリニアトロニックオイル(ハイトルクCVTF)は、
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実にそっけない容器だ。

色も独特で決して良い香りではない有機臭が漂う。

エンジンオイルと違って、
積極的に交換する油脂類ではないからね。

こんな高いオイルを、
積極的に交換しなければ、
成り立たないシステムなのかと逆切れする客も、
日本は広いから必ず居るはずだ。

だから「メンテナンスフリー」が常識になった。

けれども、
その常識が通じない使われ方をされるようになった。
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だから発売元の確実なオイルを、
確立させたエビデンスに基づき、
良い手で行うことが大切なのだ。

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ちなみにインテリジェントリニアトロニックは、
「中容量CVT]と呼ばれ全く違うオイルを使う。

こちらは同じ20リットルなのに、
ショールームでも見栄えする、
スバル純正らしいオイルなのだ。

無印良品のような、
まるでそっけないハイトルクCVTFを見ると、
スバルが育んだ「驚異」の高トルク対応CVTの、
まさに「意義そのもの」を見せつけられた思いだ。
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さあ、
ここから全てのオイルを可能な限り交換する。

全てのオイルと言っても、
20リットル、
つまり一缶を限度にする。

それ以下で綺麗になれば良いが、
まず無理だろう。
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交換を始めると、
上の点検窓に真っ黒なオイルが現れる。
下を新油が走るのでその差は明確だ。
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かなり綺麗になったが、
ここで20リットル使い切った。

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さて、
ここからが出番だ。

ステラリングを握る時が来た。

ここから走行プログラムに沿って、
丁寧に100km走行させる。

特定の場所を特定の走り方で、
決まった距離を消化する。

そして、
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もう一度、
メカニックの手にクルマを渡す。
まずサンプリングが大切だ。
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そして入れたばかりのCVTFの新油だが、
きっぱりと下から綺麗に放出させる。
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ここで惜しんでは元も子もない。

だから予算を切った仕事はお受けしない。

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そして再び圧送交換し、
クルマの中に新しい息吹を注入する。

最初に抜いたオイルをサンプリングすると、
この後比較が容易になる。

交換機に現れるオイルを鵜呑みにすると、
後々問題が残るからだ。
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このレベルまで綺麗になった。
ケチらずに一缶使い切ることも重要だ。

中途半端に残すより、
缶単位に購入していただき使ってしまう。

そして、
今度は最初と違う方法で、
丁寧に丁寧に100km走行させる。

中津川の地理的優位性がいかんなく発揮され、
メーカーのテストコースよりリアルで、
適度に負荷をかけた走行が可能だ。
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そして二度目のサンプリングで、
効果のほどを確かめる。

これがエビデンスだ。
一度の圧送交換では不十分なことが、
この作業で証明できる。
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普通のメンテでもここまでやらないが、
さらなる探求心を持つと、
また違う道が開ける。
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これが二度目に100km走った直後のオイルだ。

どうだろう。
納得していただけただろうか。
やはり机上の空論は、
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机上の空論に過ぎない。
ネット社会は自分に都合の良い情報を集め、
頭でっかちになりがちだ。

リアルワールドでは、
やはりマンパワーが大切で、
そこには特別の技量は要求されない。

つまり、
躾そのものがまず必要で、
次には深い好奇心が必要なのだ。

さあ、
明日も頑張るぞ。

Commented by みちのくの中島飛行機乗り at 2020-07-18 21:55 x
毎日楽しく拝見しています。今回もリニアトロニックの”内部探訪”見ごたえがありました。油圧コントロール部の精密ダイカストは美しさすら感じました。(さらに奥も見てみたいような・・・)しかしながらすごいのが出てきますね。又、すごい追い込み整備でした。ここまでの実証記事は大変貴重だと思います。今後も期待しています。
Commented by b-faction at 2020-07-19 09:32
了解しました。おたのしみに。
Commented by 埼玉のさとう at 2020-07-19 20:24 x
こんばんは。
オイル(交換)の世界は深いですね。特にミッションオイルに関しては様々な意見がありますが、実例を示していただき、ありがとうございます。今回も大変よい勉強になりました。
Commented by b-faction at 2020-07-19 21:31
> 埼玉のさとうさん
こんばんは。まあ正しい手順で交換して損する事は何もないです。予防とはそういう事ですよね。
Commented by BMM-E乗り at 2020-08-14 17:47 x
こんにちは。はじめまして。
CVTFについて、興味深く読ませていただきました。
何事も先手を打って予防に徹することが大切ですね。
当方、BMMのE型に乗っておりますが、初回車検時に交換を断られ、無交換で現在約23万5千kmです。
最近、ギアを入れた時のショックが気になり始め、いよいよ寿命かと思っているところです。
3回目の車検を1月に控え、通すか箱替えか…悩んでいます。
このブログを読ませていただき、非常に勉強になりました。ありがとうございます。
Commented by b-faction at 2020-08-15 17:05
本当に耐久力は抜群です。
アメリカでよく売れるわけですね。
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by b-faction | 2020-07-17 21:47 | Comments(6)

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