海を背景にした、
FFインプレッサSTIスポーツのプロトタイプは、
この時タイヤのテストも兼ねていた。
アウトバーンでも通用するエコタイヤとして開発された、
コンチエココンタクト6を装着し、
高速道路から一般道路を徹底的に走った。
良いタイヤだと自信が持てたので、
積極的に販売している。
その後、
更にSTIパーツを組み、
北原課長の手で完全なコンプリートカーとして仕上げられた。
最近某大手ディーラーで、
同様な仕事が散見されるようになり、
中にはエンジン制御のコンピューターにまで触れる事例が増えた。
以前も例えたことがあるけれど、
コンプリート化の仕事を、
大学院の研究室レベル、
高校の文化祭レベル、
幼稚園のお遊戯レベルと分けたとしよう。
自動車メーカーの製造は勿論どれにも当てはまらない。
その上で、
STIの仕事は大学院の研究室レベルだといえよう。
だからこそ、
スバル本体はもっと精緻で崇高な仕事を、
STIに委託して「やっていただく」ぐらいに育てるべきだ。
そして、
そのステージに上るための高校生が、
教えられた事をベースに文化祭を繰り広げる。
じゃあ、
大学院の研究室レベルとは、
具体的にどういう仕事を指すのか。
例えば、
マニュアルミッションの優れたプロトタイプを、
スバル本体が取り組めぬ代わりに、
STIが主体となって開発するのだ。
そしてそれを製品化し、
スバルも利益を上げさらに次の仕事をSTIに委託する。
NAエンジンの凄い奴も、
FF専用にSTIに開発させ、
それをスバルがうまく使う。
こういう関係を作れば、
もっとクルマが楽しくなるが、
そのようなことは望めない。
高校の文化祭のテーマを決めたクルマ作りが、
本来はもうひとステージ必要なのだが、
そうした地盤が日本にあるとは思えない。
メーカーがやらない、
閾値の変更を意欲的にやる勇気は凄い。
ただ、
研究室レヴェルで封印したことを、
兄貴差し置いて強行すると失うものも多くなる。
ディーラーがやろうが、
サードパーティのチューナーがやろうが、
それはすべて幼稚園の学芸会レベルだ。
学芸会の中で猫も杓子も四駆ターボを標榜する。
そんな中、
以前からスバルのFWDが、
他社より優れている事実をアピールし、
SGPを活かせるよう、
一年も前から意欲的に商品を作った。
なので、
このFFインプレッサSTIスポーツは、
この後きっと終わることは無いはずだ。
京都の渡辺さんから頂いた、
ジュレを冷凍庫で凍らせて食べた。
スプーンを入れて気が付いた。
大事なアドバイスを忘れていた。
冷凍庫から出したら、
10分間ぐらい放置してから食べる。
まさに匙加減だ。
この匙加減が大切で、
具体的に言うならば。
今後スバルはマニュアルミッションの開発を、
全てSTIに担ってもらうと良いだろう。
それがまっとうな仕事の流れだ。
この市場はまだ消えていない。
そこに丁度現れたのが、
カローラフィールダーだ。
いつの間にか、
カローラツーリングと名前を変えたが、
こちらの方がインプレッサに近い。
トヨタらしく、
灯火器には金を使ってる。
LEDヘッドライトを持っている。
流石にフォグまではLEDではないが、
トヨタセンシングをマニュアルシフトのFWDに成立させた。
リヤの灯火器も立派だ。
そこで、
実際に点灯して構造を観察した。
リヤゲート側にもランプが入っている。
まずテールランプを付けた。
あれ?
内側のユニットに何の変化もない。
むっちゃん悪いけどブレーキ踏んで。
えっ!
嘘!!!
ダミーなのね。
内側にブレーキランプの帯が広がらない。
こうした安普請だけは、
スバルも決して見逃さず、
余計なことに金はかけない手はずなんだ。
そこで、
カローラツーリングを調べたら、
ちゃんと進歩した(?)6速マニュアルになっていた。
軽量薄造りでブリッピングコントロールが付いた、
庶民派向けのマニュアルミッションだ。
超熟成の味がする、
スバルの軽量6速マニュアルミッションなら、
いつでもSTIがシフトフィーリングを調律し、
専用のギヤレシオを揃えて用意できるに決まっている。
研究室レベルの、
玄人好みの仕事こそ、
本気で欲しいコンプリートなんだ。
インプレッサはもともとカローラと似たレイアウトで計画され、
そのポテンシャルは非常に高かった。
余計な事を話しているが、
まあ、
聞いて損は無いので興味のあるスバリストは覗いてほしい。