ＷＲＸのＳ４を究極のレベルに磨き込む

そもそも「コンプリート」とは、メーカーラインからアウトした個体を、ＳＴＩの専用工場に運び込む事から始まる。
その儀式の後、組み上がった完成車の一部を、ＳＴＩ自身の匠の技で作り直す。
その掟は門外不出で、内に秘められ漏らさない匠の技だ。

台風が近寄り冷や冷やしたが、

快適な環境下でＳＴＩの最新コンプリートを堪能できた。

ぐっと張り出した前後のフェンダーは、

後方から見るとより迫力を感じる。

リヤバンパーに設けられたアウトレットが、

コンプリートカーの証だと誇らしげだ。

シートも専用品で、

ＳＴＩのロゴが深いダークグレーに調和する。

お揃いのステアリングも、

特定の顧客に的を絞った、

ＳＴＩの拘りの品だ。

低く構えたＳ４の姿勢は、

獲物を狙う肉食動物のように逞しい。

セラミックホワイトは美しく透き通った佇まいを見せ、

低い部分に黒が多ければ多い程、

カッコ良さを理屈抜きで引き出す。

フロントのアンダースポイラーはかなりアグレッシブだ。

空力効果と凄味を共存させ、

キリッとした表情作りにも一役買う。

この位置から前後の側面が迫力を見せ始める。

コンプリートかそうでないかが一目瞭然だが、

ＳＴＩのバッジは同じでも、

カタログモデルとは違うと、

あちこちから匂い立つ。

エンジンに基本的な変わりはないが、

ＳＴＩ製低圧損エアクリーナーエレメントと、

ＳＴＩ製低排圧パフォーマンスマフラーのコンビネーションにより、

エンジンレスポンスは別物だ。

ＣＶＴオイルクーラーも装着され、

サーキット走行などに対する余裕も生まれている。

そして専用設計のフレキシブルタワーバーが、

エンジンルームに誇らしげにつく。

これは、

辰己仙人の匠の技でリヤドロに合わせてテンションを調整し、

一般では購入できない専用品だ。

トランクを開けると、

ニュルチャレンジから生まれた神パーツが姿を現す。

ガードバーが装着され、

トランク内の荷物との干渉も防ぐ。

さあ、

その違いをとくとご覧あれ。

５月に紹介したカタログモデルも見て欲しい。

こちらは一つ前のアプライドモデルになる。

ほとんど中身は変わらないが、

Ｓｐｏｒｔ＃との差がはっきりわかるはずだ。

記録は雄弁だ。

振られ方が全く違う。

百聞は一見に如かず。