
賤母発電所の先に、
驚くほど美しい場所が現れた、
こんなに綺麗な景色を見たのは久しぶりだ。
まるで額縁に入った絵画のような景色の中を、

特急しなの号が駆け抜けた。
自然美と人間の作りだした工学美が、
とても美しく融合していた。
良いものを見せてもらった。
会社でも朝礼で自然美と工学美の融合を続けている。

数か月前に玉竜を剥ぎ取った場所は、
気温が下がり始めて穏便だ。
樫の木の根元を覆い尽くしていたが、

跡形もなくなった。
これで樫の樹勢が回復するかどうか、
ちょっと楽しい実験が始まった。
この樫の木だけが、
葉の表面に黒い斑点を見せるようになった。
松の木の根元からも取り去った。

何故か玉竜の増殖と共に、
マツカレハの毛虫が大発生するようになった。
地面を覆い尽くされ、
充分な養分が摂れず抵抗力を失うのだろう。

望桜荘の前庭も、
コケ取りが進み綺麗になったので、
遂に一番大きなマツバギクのコロニーを、
根こそぎ取り除いて堆肥化した。

植樹した根元には芝桜もあるが、
マツバギクに比べたら可愛いものだ。

凄い生命力で太い根を張り巡らす。
ゼラチン状の物質を纏い、
厳寒期でも柔らかく枯渇しない。

この場所に人為的なきっかけや、
自然界の偶然が重なって植生が生まれた。
マツバギクは元々他から移植したつつじに寄生し、
この場所で一気に植生化しつつある。
ちょっと厄介なので抑制する。

あわせて芝桜を別の植生に置き換える。
黄葉が終わり、
花梨も葉を落とし、
庭の景観が一変した。

少し樹勢を落とし気味の白梅を、
元気づける試みを始めた。

枝の広がり具合を見て、
ランダムにホルサーで穴をあけ、
取り出した土を一輪車に纏める。
そこに牛糞や鶏糞、
それにおがくずなどをEM菌で発酵させた、
堆肥を購入して練り込む。
使う水にも拘り、
水道水ではなく池に溜めた水を使う。
庭の土の中に居る有用菌をリサイクルし、
樹木の健康回復に役立てる試みだ。

掘ったところに戻していくと、
午後になって興味深い事が起きた。
綺麗なモンキチョウが飛来し、
土の周りを飛び交って離れないのだ。

そして定期的に土の上に留まっては、
何か念じるようにじっとしている。
良い匂いでもするのだろうか。

池から前庭にかけては苔を育てる。

この比較的珍しい種類のシッポゴケは、
増えるようで増えず適度なバランスを保っている。

これ以上触手のように伸ばしても、
必ずそこから出た部分が枯れる。
不思議な環境依存だ。

苔は強い。
底知れぬ魅力を感じる生命体だ。
植生を替えるために、
違う芝桜を選んだ。
この種は何故かマリモの様に群生し、

ここから増えもしないし減りもしない。
その下部から間引きし、
むっちゃんがコツコツと株分けを進め、

一週間余りで300個ほどのカップが出来上がった。

これを越冬させ来年の春になったら、
また望桜荘の前庭に植える。
そしてこの場所も土壌改良する。

何を植えても枯れる理由を、
本気で根本的に確かめたくなった。
そんなこんなで、
一週間があっという間に過ぎた。

宮下さんに戴いた、
NHK純正のクッキーで、

マリオ達の取材に協力したのは火曜日だ。

川西編集長の熱心な取材姿勢にほだされ、
本気で丸一日取組んだら、
気持ち良く体を絞ることが出来た。

そして翌日、
久しぶりに開田高原のコナラに会うと、
その変貌ぶりに胸が痛んだ。

せっかく剥ぎ取った芝だが、
元のように地表を覆っていた。
また根が窒息状態になっている。

モグラが居るのでまだましだが、
弱ってる気にとっては、
ダメージに繋がる可能性がある。

この10年間で姿が大きく変わった。

最初の樹木医が治療した部分も、
今では朽ち果てて腐朽菌が入り込んでいる。
立ち腐れの状態が日々刻々と進んでいるようだ。
側で見る者がいない以上、
これ以上はどうしようもない。
人が植えて育った上に、
植生も人の手で変えられたから、
これは摂理なのだろう。
もう口出しするのを止めよう。
定休日を挟み、
新たな一週間が始まると新車が続々と届いた。

宮地さんのステラと、
杉山さんのXVが仲良く並ぶと、
何故かプラズマイエローがプラズマグリーンに変わった。
まるで自然界で紅葉を見たように、
自然美と工学美が融合したのだろうか。
不思議な体験だった。

納車準備を着々と進めながら、

新たな仲間を続々と迎え入れた。

今年はドカ雪が心配なので、
久しぶりにスノープラウを活動させる。
そのベースマシンの仕上げを進めながら、

ホットなWRXの仕上がりを待った。

平成19年に初めて会った時と、
11年経過して再開した印象が、
これほど違うとは思わなかった。

同じ車ではないが年式も色も同一だ。
下回りを洗い車内を清掃後、
内装を徹底的に分解して消臭除菌した。

さわやかなクルマになる一連の工程は、
ミセス大鶴の匠の技で進められ、

ピッカピカの内装に蘇った。
そして彼女は次の家畜に取り掛かった。

EJ20の自然吸気エンジンを搭載し、

マニュアルミッションと組み合わされている。
内装を分解し、

シートから先に清掃を開始した。

丁度天気も良く洗ったパーツの渇きも早い。

好天に恵まれ今年は仕事がはかどる。

ミセス大鶴の作業の脇で、
R2のアイマニキュアが進んでいた。

やはり樹木に対しても家畜に対しても、
深い愛情が大切だ。

そこを理解しているので、
工房が活気に包まれている。
「仕上がりました。
テストしてください」
西尾君から声がかかった。
そこで、
まず小手調べに動画撮影を兼ねて10キロほど走らせた。
なんだか凄いぞ。
このクルマの「しなり方」が普通じゃない。
実にバランスよく「こなれた」感じがする。
早速動画撮影後、
いつものコースを80km走らせた。
コイツには参った。
何という素晴らしいライントレース性能なのか。
RA-Rではできない走りを、
11年前の11万キロ近く走ったクルマが実現させる。
惚れた。
そして、ごちそうさまでした。
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