大阪の内田さんから頂いた、
海苔天なる食べ物は、
誠にもって美味極まる。
その大きさと言い、
適度な歯ごたえと言い、
申し分のないおつまみだ。
素敵な酸っぱさも堪らない。
独特の齧り感と、
噛み締めるたびに滲み出る旨味は、
まさに初体験の感覚だ。
硬すぎても美味しくないし、
スカスカだと味気ない。
齧った心地良さが重要なんだ。
陸斗がやって来て三日目ぐらいの時、
この体勢で転寝したら、
上唇がケージで持ち上がり牙が丸出しになった。
目覚めた瞬間に、
ヨソ行きの顔に戻ったけど、
その後の噛み癖を予想させる怖い顔だった。
噛み癖のある名古屋市長は、
陸斗とよく似た歯並びをしている。
野生の本能だろう。
噛みたくて仕方がないのだ。
理屈だとか、マナーだとか、
そんな事はどうでもよくて、
抑えられない衝動なんだ。
もう良いじゃないか。
謝ってるんだから許してやろう。
「私なら号泣する」とか、
めんどくさくなりそうなことを承知で騒いじゃだめだ。
これぐらいの事、
軽く受け流して許してやった方が良い。
犬だって、
本当は主を噛みたくないけど、
その衝動が抑えられない。
陸斗も市長とそっくりな顔をして、
散歩の途中で長靴を噛もうとする。
昨日、
竹藪で作業中に、
その長靴がザックリと切れた。
竹藪の作業には危険が伴う。
破れたのを潮時にして作業を止めた。
厳しい暑さで脱水直前だったよ。
破れた長靴を脱いで、
捨てようと思ったが思いとどまった。
玩具代わりになる。
与えたら思った通り刺さった。
全身使って振り回して噛む。
「噛みたい」衝動を、
ストレスにならない様に玩具で発散させる。
名古屋の市長もストレスがたまってたのだろう。
昔、
山岡のドンファンはシェパードに襲われ、
腕を噛まれた。
その時は泥酔していて、
まさにやりたい放題だった。
陸斗が長靴と戯れる姿は、
酔ったドンファンと似ている。
ドンファンは、
その時に見知らぬシェパードに出会った。
よせばいいのに、
ちょっとやくざっぽいシェパードに、
我が家の愛犬「カール」の名前で声を掛けた。
シェパードがリードも付けずのそのそしてたが、
誰も気に留めないおおらかな時代だった。
カールと呼ばれたシェパードは、
「変なヤツ」に「因縁つけられた」と勘違いした。
眼と眼があったとたん、
いきなり飛び掛かって来た。
猛速で襲い掛かったシェパードの牙は、
首をかばった左手に怪我させるほど深く刺さった。
真冬のその時、
小雨が降っていた。
傘を差そうとしないドンファンに、
その時着ていたマウンテンパーカーを貸した。
それが幸いした。
強靭なテキスタイルを羽織っていたので、
牙が深くまで入り込まなかった。
大型犬の扱いに慣れた友人が他にも居た。
セントラル建設の阿部護君も同級生で、
ちょうどその時一緒に居た。
それで、
その犬を引き離すことはできたが、
その場から逃げ去ったシェパードは、
噛み癖が収まらなくなり、
その後近くの中学校に乱入して生徒を噛みまくった。
そのきっかけを作ったドンファンは、
相変わらず明け方から歩く。
最近は楽曲を聞きながら歩くらしい。
得意げに見せてくれた。
おい代田、
見てみろよ、
ちゃんと歌があったぞ。
なんの歌だ。
これだよこれこれ。
「クックック」と嬉しそうに笑う。
彼にとって、
スマートフォンはドラえもんのポケットと同じだ。
ほら見ろ、
ちゃんと「ドンファン」と言う歌がある。
これを聞いて歩くと快調だ。
そうか。
それは良かった。
神田弘美を覚えているか?
知らない。
何で知らない!居たじゃないか。
自分だって、
この頃知ったんじゃないのか?
ところで、
彼はこの頃たまに接触事故を起こす。
大したことじゃないが、
二度あることは三度あるので、
本当にお互い気を付けよう。
ある日、
サンバーに乗ってスーパーマーケットに行き、
両手いっぱいに荷物を持ちながら、
ドアを開けた途端に、
突風が吹いた。
当てる気なんてなかった!
と彼は言った。
そりゃそうだろう。
風に煽られたドアが、
隣のクルマにコツンと当たった。
大したことはないと思ったが、
念のため当たった場所を注視したら、
少しペイントが付着していたと言う。
それで咄嗟に、
「これぐらいなら唾つけて擦ればとれる」と思った。
そこで指に唾を付けて、
その部分を一生懸命擦ったけど、
後が消えないので困りはてた。
すると、
その時、
クルマの中から持ち主が現れた。
かなりの剣幕で、
「なんてことをしてくれたんですか!」
とお怒りだったそうだ。
それは凄い目をして降りて来たぞwww、
と思い出すのも怖そうに言うので、
どんな目をしてたかやって見せてくれ、と言った。
すると、
こんな目だ、と言う。
それは怖かっただろう。
びっくりしたね。
君なら絶対にそんな怒り方はしないはずだ。
ただね、
想像の幅を広げるとだね、
コツンとぶつけた以上に、
気分を害したことがあったはずだ。
それはね、
多分唾つけて擦ったことが、
君が思う以上にいけなかったんだと思うよ。
陸斗君もね、
噛みたい衝動を抑えられないんだ。
噛まれても、
舐められても、
自分の犬だから唾ついても汚いとは思わない。
これがヨソのヒトだと、
可愛いね、
とお世辞は言っても、
心の底では嫌なはずだ。
ましてや、
シェパードは食糞する習性があるので、
そのあたりを昔から知っていないと、
簡単には受け入れられない人も多かろう。
これまでヨソの犬に舐められても、
可愛いとは思った事はあまり無い。
犬自体は可愛い。
けどね、
舐められても嬉しくないので、
積極的に触らない。
金メダルを齧ったのが不快なのではなく、
不快なおっさんの唾が付いた、
のが嫌なんだよ。
珍しくトヨタ自動車が正式にコメントを出した。
恐らく彼らも、
そこが言いたいんじゃないのかな。
ここに品性と言うものがある。
持って生まれた性分と、
後天的に備わった性分があるけど、
「誰が触れたか分らぬモノ」を、
平気で口に入れた所が、
「流石!政治家だ!!」と舌を巻かせてくれたね。
だから、
つまらないことで騒がないように。
犬と一緒だと思えば、
大して騒ぐことじゃない。
そう思うと、
「私だったら号泣する」は大げさだ。
もう少し抑えた方が良いね。
当の齧られた本人のリアクションは、
凄くオトナに見えた。
齧ってる政治家は、
陸斗以下の顔をしてる。
面白いね。
さて、
一昨日のブログで、
明日見せると約束したけど、
昨日は陸斗と一緒に昼間から酒飲んで、
気が付いたら夜の九時を回ってたので、
お昼に食べた肉の話を書いたんだ。
順調に進んでる。
このエキマニの素晴らしさは、
かなりのクルマ好きでも難解だろう。
サイドシルを左右に分かれて排気管が伸びる。
ディスクブレーキもユニークだ。
キチンと制動力は維持されている。
中央の鍋を二つ合わせたような構造物は、
クラッチハウジングで、
その下からドライブシャフトが出ている。
バネ下重量を軽減するために、
フロントブレーキがデフ側に取り付けられた。
整備士泣かせのメカニズムだが、
基幹性能上は大いに有利だ。
リヤのブレーキのオーバーホールも終わった。
くどいようだが、
念のため再度お知らせしたい。
昭和の時代のクルマの整備は、
一部の例外を除き、
新規では一切お受けできないので、
予めご了承いただきたい。
リヤはシンプルなドラムブレーキだ。
この時代のサイドブレーキは、
フロントブレーキに装着された。
エキゾーストパイプの修正が続く。
イベントに向けて待った無しとなった。
長い年月が各部を錆に犯させる。
燃料を抜く理由は、
燃料計が動作しないためだ。
SVXでも苦労したが、
ガソリンを中途半端に入れた状態では、
フロートが錆付き動かなくなる。
それを分解して克服し、
いよいよエキゾーストパイプが装着された。
マフラーが取り付けられると、
次は検査が待つばかりだ。
こうして1300Gが徐々に復活していく。