植物の出す殺菌力は侮れない。
美味しい郷土料理の季節が来た。
朴の葉で包んだ寿司を、
この地方では朴葉寿司と呼ぶ。
最近は加工した葉を使って通年作る業者もあるが、
栗きんとんと同じ季節ものなので、
その季節以外に食べても本当の味はしない。
生きた葉を使わないと殺菌力は無いし、
その葉が出す独特な息吹を感じられないから。
それぞれの家にレシピがあり、
載せる具も千差万別だ。
とにかく必要なものは朴の木の新鮮な葉だ。
勿論プロの作る朴葉寿司も美味い。
でも、
葉の色が濃い緑や茶色では、
真の朴葉寿司とは必ずしも言えない。
この季節に現れる新鮮な葉を使い、
どこの誰が作ったのか、
明確に解る朴葉寿司が最高なのだ。
良い飼い主に飼われたと、
明確に判るクルマも魅力的だ。
このクルマはH17年のレガシィB4だ。
オブシディアンブラックパールの2.0GT spec.Bで、
4WDターボ5速マニュアル仕様の辛口スポーツセダンだ。
今朝はこのクルマのクリーンアップが予定されていた。

ボディの側面を担当し、
ピカピカに磨いた。
俊敏な運動性能を持つ大好きなクルマだ。
走行距離は186,941kmと、
かなり年季が入ってる。
だけど誰に飼われたのか分かっている。
そのオーナーはオイル交換に物凄く気を遣った。
下取りした当時は、
この年式と距離ではスクラップ対象しか考えられなかった。
だが、
なぜかできなかった。
コツコツ手を加えながら温存した結果、
素晴しく良い音を奏でる大切なコレクションになった。

西尾君に続いて磨き始めると、
ブリーフィングを終えた社員が次々と集まって来た。
飼われていたクルマを、
大切に飼い続け、
その想いが分かる人に引き継ぐ。

ピカピカになった。

エンジンを掛けると、
このクルマ独特の澄んだボクサーサウンドが響き渡る。

真っ黒いセダンには、
WRXの雰囲気も漂い、
spec.Bが目指した道を確実に辿ったようだ。
真っ黒なカラダに魅力を覚える。
昨日は午前中にB4の動画を撮影した。
なので時間に余裕が生まれ、
お昼にもう一本撮影することにした。
黒い犬にとって、
昨日の天気は絶好だったので、
まだ成長途中の陸斗を記録したくなった。
そこで、
玩具をフル装備した状態で、
陸斗を思いっきり運動させた。
それはさておき、

その時はとても痛かったが、
今日になって右手全体の色が変わっている。
おかげで今は全く痛まないが、
きっと犬歯の当たり所が悪く、
中の血管が一本切れたんだろう。
モノで叩いたことは一度も無いが、
悪いことをしたら素手で叩くし、
取っ組み合いの喧嘩もする。
なぜ噛むのかを分析した。
アイコンタクトが必要なんだ。
特に陸斗は、
子犬の時からずっとアイコンタクトを求める。
多分、
見てくれないと悲しくなるんだろう。
凄い眼力を持ってるんだ。
そして飼い主のスキを突くのも上手だ。
正に不良少年そのものなんだよ(笑)
にやりと笑って非行に走る。

これは衝動的に掘った穴だ。
あっという間に、
熊手のような前脚で、
サンダーバードに出てくるジェットモグラタンクの様に、
けたたましく掘りやがった。
本当に大きな穴を掘る。
この時の掘る衝動は、
蟻の巣によって引き起こされたようだ。
猛獣が去って静かになると、
沢山の働きアリが玉子抱えて避難してた。
動画の中で、
プーラー遊びに飽きた瞬間が分かるはずだ。
ヤツはチラチラと左の方を見始めた。
隙あらばと狙ってるのが見え見えだった。
その時、
ちょっと打合せで目を離した途端、
「やあったぜーとうちゃん!」と目標目指してすっ飛んでいった。

ヤツの狙いはこの湿地だ。
化学物質も生活排水も混じらない、
自然に湧き出る水だが、
泥の中をフォレスターの様に走り回り、
スライディングして横たわられてしまった。
それをやられると、
その後の工程に大きなロスが出来ちゃうんだよ!!
動画の通りの顛末になった。
改めて今日になり、
その惨状を確認してみた(笑)

ヤツはここで寝そべると、
ダラリと舌を出して笑いやがった。
本能が求めるんだろう。
何か魅力があるに違いない。
昨日は気が付かなかったけど、
奇麗なハナビラが落ちてた。

知らなかった。
花が咲いていたんだ。
自然に生えた名も知らぬ樹だ。
これを見て笑ったのかな。
どんな母から生まれたのか、
それが分かる犬を飼わせてもらえる幸せは、
筆舌に尽くしがたい。
一日一日を大切に積み上げる。
久しぶりに、
校倉造りの正倉院に行き、
鍵を開けて中に入った。
頼まれごとが生じたので。
スバルのデザイン部長を務められた、
石井守さんからSOSのメールが届いた。
オランダからメールがあり、
1986年式JUSTY 4×4で世界一周をしている方が困ってると言う。
しかもYAMAHAオランダの社員らしい。
ヤマハと言えばSTIと関連が深い大切なパートナーだ。
何でもボリビアで修理をしたいとのこと。
パーツを入手するために部品番号が欲しいそうだ。
凄いな。
それだけでも助けになるのか。
ジャスティが誕生した頃、
丁度社員になりたてで、
部品担当も兼務していた。
だから当時の資料を、
なるべく残しておいてあるはずだ。

あった!!
力になれるかな。
「石井さん、
お待たせしました。
フロントアクスルシャフトASSY RH 723210580
〃 LH 723210590
二駆と四駆で異なるので要注意
CVJ&シャフトユニットだけの場合
RH 723291110
LH 723291120
DOJユニット左右共通
723290100
ちなみにFハブコンプリート
723610060
Fハブべリングは
799923040
になります。
部品は残念ながら持ち合わせておりません」
とメールを返した。
少しでも力になりたいので、
このブログの愛読者で、
当時の部品をご存じならご一報いただけると嬉しい。
何しろ、
大切に飼われていたクルマのようなのだ。
その人の友人の祖母が、
1986年に新車で購入したものを譲り受け、
イタリアからアフリカまで運転し、
数年後そこからケープタウンまでクルマを走らせた。
さらにアフリカから南米へ輸送し、
既に南米の一部を走破したのだと言う。
恐らく南米から北米に渡り世界走破をもくろむのだろう。
凄い人たちだ。

さすがだな。
彼は今のスバルデザインを、
強固な理論として育て上げ、
フィロソフィーを確立した男だ。
石井守の周りには凄い男が集まるね。