クールな祭典
2023年 01月 14日
二人ともイエローハット中津川店の社員さんだった。
声を掛けなきゃそれまでだった。
こんな偶然があるから、
人生における「縁」は面白いよね。
初日のサイレントタイムが終わるころ、
北にある展示館へと脚を向けた。
気が付くと、
会場への入口に長蛇の列ができていた。
特別公開の時間になったのだ。
こちらの棟ではいつもドッと人が押し寄せる場所がある。
今回もごった返していた。
密もへったくれも無い。
異様な鼓動が野望と共に湧き上がっている。
男の出す精神波で周りの空間がユラユラと撓むほどだ。
人垣の向こうに精神波の集中する獲物が居た。
皆それぞれが手に持つガジェットで獲物を狙う。
おお!
ずっとロックオンしたままのガジェットもある。
このホームセンター感覚が堪らない。
「辛抱」がキーワードだろう。
これも妖気を漂わせる、
はっと我に返った。
これこそがオフショアブルーじゃないか。
昨日の動画に、
何かの後遺症でもあったかの如く、
触りを振るだけで深入りしない。
初めて開発された、
STIの篠田部長も交え、
そして奇妙な色のインプレッサに向かった。
マリオよ、
妖気を感じるほどだ。
素足じゃないか。
獲物をスキャンしていくガジェットもあれば、
なんともクールな光景じゃないか。
どの素肌も輝いている。
ココロから感心しつつ、
その場を後にした。
これこそがオートサロンの醍醐味。
小綺麗なスタイルで商品を持ち込むと、
場違いに映るのはこういう事だ。
少し歩むと更に強い妖気を感じた。
生活感もあるがホームレス感を匂わせる、
とても野望に満ちた住処だ。
それを漂わせることで自らを鼓舞するのだ。
素晴しい男の住処だ。
眩暈がしそうになった。
フラフラと歩むと、
遠くの方にオアシスが見えた。
引き寄せられるように進むと、
それは砂漠のオアシスでは無くクルマのボディだった。
そこにはスバルの兄ちゃんや姉ちゃんが居た。
なぜここにいるのかと聞くと、
アウトドア棟を担当する別動隊として活躍してるらしい。
しかし、
ここは実に緩い。
ゆっくりしたリズムで仕事をこなす。
この時間になっても、
パフォーマンスは殆ど発揮できていなかった。
狙いは土日と割り切る、
ユトリのある対応だった。
だからこそ、
ユトリも必要なんだ。
ここで目が覚めた。
じゃあ、
さっき見た「あれ」は何だったんだろう。
こちらの照明だと、
泉大津の研修で見た、
リアルなボディカラーだ。
ここではクロストレックの新色だけが展示されていた。
なぜSTIブースのLEVORG STI Sport#は、
クールグレーカーキの様に見えたのだろうか???
オートサロンの照明は、
実に危険極まりなく、
色の再現性が非常に悪い。
灯具の問題だろう。
明るさ優先で鮮映性は二の次なのだ。
だから、
インプレッサも変だったんだ。
初めて見たサンプレイズ・パールは、
どう見ても美しい色には思えず、
日本人には絶対受けない色だと感じた。
過去に同様のオレンジがあった。
河童もといカッパオレンジだ。
銅をテーマにしたアースカラーだが、
とてもお金を払って買いたいとは思わなかった。
まあ、
そんな事もあり、
インプレッサについて突っ込みが厳しかったが、
決していじめたわけじゃない。
だけどね、
途中で心配そうに現れた親分から、
ポンとタオルが投げ込まれた。
「代田さん、シートの事でいじめないでくださいね」
現れたのは毛塚PGMだ。
実に愛あるフォローじゃないか。
突然の振りにもかかわらず、
真摯に対応していただき、
本当にありがとうございました。
紹介しよう。
SUBARU技術本部、
内装設計部の松田哲也さんだ。
直接伝えることも時には大切だ。
フィルターが掛からなくなるからね。
これからのスバルに期待しよう。
そして、
あの男も現れた。
どうも様子が変じゃないか。
そわそわしている。
腹を壊した釣り堀の魚みたいだ。
釣り針の餌をちょんちょん突っつくだけで、
サッと話題を次に逸らす。
ヤバそうな車の前に来ると、
変な奴だな、
と思っていたら、
ボンネット開けた途端に食い入るように見てる。
ドロータワーバーの存在を目の当たりにして、
何かに火が付いたようだった。
新たな構造に対して技術的なポイントを探った。
ドロースティフナーのような構造を、
フレキシブルタワーバーに与えた野心作だ。
これこそ、
STIがSTIだとする最も重要な要素。
まずクルマを作り、
その実証を元に優れた製品をFANに届ける。
どう見ても奇妙な色だが、
レヴォーグを見ての通り、
これは相当化けさせられている。
だから、
冷静に見ないといけない。
これはインプレッサだけの新色だ。
と言う事は、
前回の様に、
XVだけに新色が用意された、
「歪な製品群」では無くなった。
それにしても、
このオレンジこそ、
クロトレに必要なはずだが、
なぜこのようなカラー展開になるのだろうか。
あ!
アメリカでは、
さっき見た鮮やかなオアシスブルーがインプレッサのシンボルだ。
と言う事は、
このオレンジをクロトレ用に展開するのだろう。
正に「たすき掛け」の理論か!
米国ではクロストレックは、
クルマとして既に日常だ。
そこにオレンジも定着している。
日本ではXVをクロストレックと名前替えして、
新型車に巻き直そうと企んだ。
だから、
ステレオタイプを拭うために、
敢えてクロトレからオレンジを抜いた。
そして、
インプレッサに与える事で、
今まで以上に新鮮さを醸し出そうとしたんだろう。
ナイス!
凄いユトリだ。
マリオよ。
新型クロストレック&インプレッサのカラー戦略は、
従来とはかなり異なる。
思っていた以上に巧妙だ。
インプレッサビームスエディションに端を発したオレンジ戦略は、
先々代XVの導入時に与えられたタンジェリンオレンジ、
先代XVのサンシャインオレンジと続いた。
フルモデルチェンジ毎にイメージカラーをオレンジに置き、
グローバルでも常に認知されてきた。
スバルはそのオレンジを、
マイナーチェンジで一度かならず外し、
中途半端な色に入れ替えた。
その上で、
必ず次のフルモデルチェンジで新たなオレンジを開発する。
従って今回も同じ戦略で臨んだはずだが、
国内だけ韻を外す「たすき掛け」で目を眩ませた。
このユトリ戦略をキチンと見定めないと、
掌の上で転がされてしまうぞ。
広報資料には、
サンブレイズ・パールと記されている。
だが明らかにオレンジ色だ。
サンブレイズとは何か。
それは次のブログで掘り下げよう。
本来ならばクロトレに塗られるべく誕生したボディカラーだ。
ところが、
今回はその韻を敢えて外し、
SPORTの名が消えたインプレッサを、
国内で際立たせるためのアイテムとした。
インプレッサには、
この後どんな色が塗られるのだろうか。
とりあえずオレンジは決まった。
インプレッサにはガソリンエンジン仕様が残るのだろうか。
もし残ればFFインプレッサにサンブレイズオレンジを着せて、
このショーモデルと同じ仕様にしてみたい。
そう考えると、
このサンプレイズオレンジは魅力的だ。
今度こそ滑らかに、
FFインプレッサSTI SPORTと名乗ることも可能になった。
そうなれば、
入門編のSTIとして自信もって紹介できる。
TーREX誕生にも協力して欲しい。
久しぶりに軽いFFがスバルに加わったんだ。
970kgしかないんだぞ。
コイツを昔の様に走らせるのも、
物凄く楽しいはずだ。
スバルの血を濃くしてね。
それでは、
また明日。
by b-faction
| 2023-01-14 22:00
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