昭和48年は記憶に残る年だ。
今の主力生産基地「矢島工場」を稼働させ、量産第一号車を完成させた。年の瀬が迫る12月22日の事だった。
これはその後大きな力を発揮するが、当時は生産力が余剰して、スバルは自社の持つ販売力ではおぼつかない暗黒期へと突入する。

モンベルから小包が届いた。

商品の価格は高いけれど、
それに見合う価値を持つ優れたブランドだ。

飲み口が具合悪く持ち込んだところ、
その場の修理で不具合は改善した。
「念のため本社に送りよく調べても良い」というので、
急ぐ訳では無いのでしっかり直して欲しい旨を伝えた。

すると、
具合の悪い所が見つかったので交換すると連絡があった。
届いた部品を見て驚いた。
その飲み口はオプションで用意された部品で、
そもそも購入した水筒は、
本筋から派生したバリエーションの一つだったようだ。

なるほどね。
この飲み口は夏用だね。
オリジナルを冬使えば、
倍長持ちしそうな気配だ。
今度、
違う飲み口を用意してもらおう。
良い商品ほど、
長く使えば味が出る。

自宅から持ってきた玉露を飲みながら、
美味しい最中を頬張った。
この最中を毎年東京の秋田さんに頂いた。
ところが昨年健康を害されて、
クルマに乗れなくなってしまった。
お目に掛かれないのが寂しい。
秋田さんは山がお好き方で、
ここでクルマを預けた後は、
アルパインの香を残すいでたちで、
電車を使って旅に立たれた。

大きな小包が届いた。

贈り主は名古屋の宮島さんだった。
中身は懐かしい「小ざさ」の最中だった。

変わらぬ手作りの味が嬉しい。
宮島さん、
ありがとうございます。
皆で美味しくいただきました。
ミセス大鶴からバレンタインデイに戴いた、
チョコレートのアソートの中に、
大好物が入っていた。

これは楽しみだと、
早速取り出してみたら、

何かいつもの雰囲気じゃない。
キットカットみたいな包装で、

ラミーらしさを感じない。
随分変わったな。

見た目よりも味の変化が凄い。
残念な味になってしまった。
老化による味覚減退だと信じたい。

確かに臭いには鈍感になったが、
舌先はまだ衰えていない。
なぜか。
それは、
この最中がベンチマークとして機能したからだ。
味を知ることは大切だ。
1300Gのエンジンも素晴らしかったが、
排気量アップしたレオーネのエンジンは、
初代BRZが現行のBRZに生まれ変わった印象とよく似ている。
そのレオーネがデビューから二年を迎え、
ビッグマイナーチェンジした。
当時は免許証を持たないが、
助手席で存分にその味を確かめた。
後年に初代レオーネを愛機にして、
北海道を一周したけど、
良い味のする頼れる相棒だった。
けれども、
暗黒期の富士重工は、
ビッグマイナーチェンジで不可解なクルマを出した。
クーペと大して変わらぬボディに、
無理やり夜のハードトップと言うフレーズを与えた。
鰐淵はるこをキャラクターに、
場違いな商品企画を成立させた。
甘い仕事が許される時代だった。
前年に誕生したREXは、
まさに時代遅れのデザインだ。
その上、
貴乃花をキャラにした、
剛力サンバーもパッとしない。
夜のハードトップのデビューから、
ほぼ半年の遅れでレオーネに1200シリーズを追加したが、
商品の魅力を何も感じさせない単なる廉価版だった。
せっかくのSUBARU初1.2リットル水平対向エンジンが、
地味でひっそりとしたデビューで勿体ない扱いだった。
地味だが燃焼効率も良く、
違う形でSUBARUのベースグレードを上手く成立させたら、
暗黒期には向かわなかったかもしれない。
レオーネバン4WDも、
ビッグマイナーで逞しいクーペの顔にフェイスリフトされ、
スタンダードで地味だった初代に比べ魅力を大きく高めたが、
時代が付いてこなかった。
そんな中を、
技術者たちはじっと凌いでチャンスを待った。
凄いクルマを作れる下地を持つと、
信じていたからに違いない。
いま改めて、
卓越した基幹性能、
特に動力性能を誇る新型車が欲しい。
SUBARUもラミーのようにならないように気を付けて欲しい。
エールを送ろう。
これまで築き上げた、
度肝を抜くような力を誇示する、
際立ったブランド力を維持せよ。
笑顔を作るなんて歯の浮いたことを言わず、
度肝を抜くものを作れ。