最近これほど抱いたイメージと、
全く異なるリアルな味の差に驚いた事はない。
包みを見た最初の印象は、
「ちょっとキツイかな」
読めば読むほど謎だらけだ。
竹皮の下には、
梅干し色の不透明な果肉が挟まれているように思えた。
ところが全く違っていた。
とっても美味しいじゃないか!
黄金色のゼリーみたいに綺麗で、
ピシッと四隅が整って美しい。
つまむと奇麗に剥がれる。
口の中にそっと入れると、
甘くて気持ちの良い酸っぱさがゆっくりと広がる。
明らかにカラダに良さそうなお菓子だ。
吉野さん、
とても美味しくいただきました。
また一つ見識が増えました。
ありがとうございます。
高い見識は仕事ぶりに現れる。
先日エアコン更新の際に、
場内放送設備の問題を相談した。
昨日徹底的な調査が行われ、
信号の伝達に問題がある事、
スピーカーが何カ所かで壊れていることが判明した。
一度天井裏に入ってもらったので、
話が通じるのが早い。
丸一日かけて調査が終わった。
台風が近づくと聞いて、
犬ゲレンデの整備もやり終えた。
マキタの4ストロークエンジン搭載機で、
破竹なども豪快に刈り揃えていた時、
おもわぬ行動に陸斗が出た。
フェンスの中に閉じ込めて、
周りをスッキリ整えていた草刈機に向かって、
威嚇しながら噛みついた。
頭しか出せないはずの隙間から、
強烈なアジリティで牙を立てようとした。
思わず引いたが、
もう少しで大きな後悔を背負う所だった。
幸いにも下唇を少し削った程度で済んだが、
舐めてかかると大怪我を負わせることになる。
怪我の様子を確かめている時、
見慣れない果実の落下に気付いた。
垂れ下がった枝を持つ白っぽい幹の樹木は、
葉に隠れたわわに実った漆黒の果実を持っていた。
正に完熟実だ。
陸斗が興味津々だったので、
いくつかとってゲレンデに放り込んだ。
すぐ飛びついて美味そうに食べている。
さらにいくつか採って、
陸斗を見ると、
「もっとくれ」と正座してるじゃないか。
このポーズは、
「いうこと聞きますから下さい」に他ならない。
そんなに美味いのか。
あいつ、
この近くで落ちる熟し柿も大好物だ。
ひとつ食べてみた。
これは美味い!
何という気持ちの良い甘さだろうか。
こんなに美味しいものが、
しらない所で土に還っていたのか。
草刈りすると良いことあるね。
これを偶然見つけたけど、
まだまだ他にもありそうだな。
陸斗の好きな栗、
それに枇杷、
柿と梅もある、
今回見つけた桑の実も、
犬ゲレンデのフェンスの脇に隠れてた。
コイツなら刃が隠れてるから、
ちょっかい出しても大丈夫だぞ。
牧羊犬の記録は無いと言うが、
元々使おうとした根拠はある。
面白いな。
家畜と認識してるんだろう。
本能って面白いね。
スムーズに事が運び、
陸斗もクタクタになったようなので、
ご飯食べさせてハウスに入れた。
そして主は久し振りに、
陽のある時間から居酒屋に向かった。
ああ、
ステキな背徳感。
このイサキは、
余りにもそのイメージと異なる美味しさを持っていた。
何という芳醇な味覚だろう。
これが食えるから、
良いオヤジの居る居酒屋は堪らないね。
大将、
ごちそうさまでした。