
見事な作品だった。

そば幸の大将から戴いた鮎は、
見れば見るほど丁寧な仕上げだ。

?マークが興味をそそる。
釣人ではなく漁師の領域だ。
火曜日は朝遅めのトレーニングから、
そば幸へ食事に行くためのドライブ、
そこから恵那へ買い物に行くまで、
ずっと陸斗と一緒だった。
更に帰る途中で歯医者に寄って、
帰宅して運動してから、
最後はウサミで灯油買って、
オークワへ買出しに行くまで、
ずっと一緒の一日だった。

TPOをわきまえてきた。
その状況によって、
クレートに入れと命じると、
最近は素直に従う。
相変わらず、
飼主のつまみ見てピーチクパーチク煩いし、

犬や子供に「俺んとこ来い!」と喧しいが、
ここ一発の約束が守れるシェパードに成長した。
無駄な動きが徐々に減り、
マスターらしさが板について来た。

熱燗は苦手だけど、
「ちょっとひとなめいただけませんか」

と下出に要求する。
ほお!
良い子じゃないか。

ササッと膝に乗るが、
決して完全に服従してるわけじゃなく、
目的は鮎だった。
焦げる匂いが気になって仕方がない。

飛び散る脂が美味いのだろう。

本体には決して手を出さないが、
執拗にテーブルを舐めまくる。

行儀悪い!
叱られると、
「なんでやなんでやなんでや」と煩い。
最高の鮎だった。

大当たりの子持ちで、
その風味と言ったら筆舌に尽くせない。
陸斗には無理だよ。
塩振ってあるから。
ミルクビスケット食べなさい。
そんな感じで、
暖かい夜を過ごしたら、
二人そろって酔いが回って寝落ちした。
翌朝は、
精を付ける事から始まった。

朝食のとろろ飯は抜群に活力を引き出す。
大好物の一つだ。
これ食っておけば、
シェパードの全力運動に付き合える。
思いっきり走らせて咥えさせて、
ご飯食べさせた後、

マキタの高圧洗浄機を組立てた。
難しくは無いけど、
接続に無駄な動きを出したくない。
コネクトがどうなってるか調べたら、

専門メーカーのタカギが売る、
一般的なホースコネクターと同仕様らしい。
それなら夏の間活躍した、
散水用のホースが活用できる。
などと思案してたら、
陸斗に黄色いリードをつけ忘れた。
これまでなら、
相手されないと八つ当たりで何か齧ったり、
「あさおんであそんで」と煩かったが、
じっと時が来るのを待つようになった。
そして、
ラジオ英会話のエンディングが流れた途端、

俺の時間だとばかりに、
ピョンと飛び起きてた駆け寄って来た。
リードを自分でせがみ、
ここからは突進あるのみだ。
ゲレンデを縦横無尽に駆け回り、
飽きてきた頃を見計らって、
貯めていた枯草と枯葉と剪定枝の整理を終えた。

左端は三年物の剪定「幹」で、
かなり乾かしたけど切る術がなく、
そのまま焼いたら燃残った厄介モノだ。
薪に利用できないものは灰にして大地に還し、

大きめの枝を移動した焼却釜へ、
一輪車に乗せて運んだ。
そこで遅めの昼食を簡単に摂った。
良い天気なので、
太陽の下で食べるのが心地良い。

前夜の買出しで入手した、
オークワのパンをちぎって食べた。
スーパーのパンとはいえ、
侮れないのが実情だ。
東京駅の真ん前にある、
お洒落なベーカリーのパンより美味しい。
土地代が高い場所で、
上限切られる製品の販売は難しい。
「広告宣伝費」だと割り切る度胸が無いと、
大都会への出店は厳しさ増すばかりだろう。
オークワはパンの良しあしが客足に影響すると考えるのだろう。
損得よりも広告宣伝でパンを焼いてるな。
何も付けずに美味しく食べられて、
ちょっと真昼間から喉越し良いもの欲しくなる、
味わい深いパンだった。
それで犬酒場の冷蔵庫から
レモンサワーを出して飲んだ。
すると次が閃いた。
出張前に桑名のまき子さんから、
ステキな味の贈り物が届いていた。
都合が良い事に、
それを全て犬酒場の冷蔵庫の中に保管した。

早速取り出して、
一口齧って驚愕した。

これらは物凄く味が良い。

きっと残りの味も期待できる。
チーズなんて、
多分好みにピッタリだ。

こんな時は陸斗号に陣取って、
主と同じ空気を楽しむ。

お客様から戴いた「いいもの」が、
こんな時のためにストックしてある。
一つ失敗してしまった。
喧しい陸斗をゲレンデの照明ポールに繋いだ時、
季節外れの暑さに、
ブヨが復活したことに気がつかなかった。
連れに行くとブワーんとたかられていて、
毛の生えていない所を吸血されたようだ。

ゴメンネ。
迂闊だったよ。
しっかり食べ終えて、
次の作業に取り組んだ。

厄介な幹を切断し薪にする。
薪割を持ってないので、
マキタのチェーンソーで細切れにして、
燃えやすいサイズに揃えた。
使い方が下手なのだろ。
枝の節を縦に切ろうと無理したので、
もくもく煙出るけど溝が深まらない。
あほな使い方で、
電池がすぐに切れた。
カーンと割れば一発だけどね。

幹切るには電池じゃ弱い。
枝に特化した方が利口だな。

相変わらずブロワーは大活躍だ。
このコスパは抜群に高い。

燃え盛るけど枝の熱量は意外に低く、

この程度の燠では十分蒸すまでたどり着けず、
カセットコンロで追い焼した。
でも、
結果的に美味い具合にコントロールできたので、

最高の焼き芋が出来た。

一回で4本焼いたのは初めてだけど、
この大きさのダッチオーブンで十分対応できると確認できた。

見て見て!
最高だよ。
無駄の全くない美味しさだ。
皮を陸斗が喜ぶので、
丁寧に摂り分けて一緒に楽しむ。
やっと今年の大物が届いた。

得意分野を磨いた、
これは正にスバルの結晶だね。
無駄の無い動きに感動した。
俊敏でしなやか。
シャープでスイート。
ステキなクルマが誕生した。
この美味しさをぜひ店頭で楽しんで欲しい。