エアバスA350とスバル
2024年 01月 08日
離陸した瞬間に感じ取った。
海外に行く機会が極端に減り、
あまり多くの機材を体験できなくなった。
この10年間ほど、
エアバスにしか乗っていない気がする。
それくらい、
昔に比べエアバスの市場占拠率は高くなったと感じる。
眼前のポケットから説明書を取り出した。
快適な機内は離着陸のショックも少なく、
今年は大変な船出になったけど、
大ヒットした777は、 世界で2000機以上が活躍し、
現在の主力製品は787に移行している。
全世界で1800機以上を受注し、
半田事業所はこの二つの飛行機の中央翼を、
これらの部品は、
カーボンに強いスバルは、
ヤル気になればすぐできる事は、
この飛行機のための専用工場を完成させた。
このドリームリフターだ。
また明日。
平成の頭に海外へ盛んに出る時期があって、
その当時はスカイクルーザーの乗り心地がダントツだった。
それに対して、
ダメな飛行機はMD11で、
乗るたびに「ガックリ」とした覚えがある。
確か湾岸戦争でエアラインが騒然としてた頃だ。
1980年代からスバルはボーイングと深いつながりがあり、
デジタルコクピット機の開発に関与した記憶がある。
当時富士重工から天下りで岐阜スバルの社長に就任した、
沖本太平氏が航空事業部と深いコネクションを持っていた。
丁度新しいショールームを作った頃と重なり、
「何かショールームに飾れるような資料は無いでしょうか」
そうお願いしたら、
物凄い質感の、
まるでポスターとは言い難い、
とても大きな写真資料を戴いた。
それは、
次世代航空機のグラスコクピットの写真だった。
こんな凄い飛行機の機体製造に関与するのか。
率直に感動したことを今でもよく覚えている。
今年のドイツ訪問は香港でトランジットした。
機材の印象が凄く良くて、
この時は、
ボーイングならば最新鋭の787に相当する、
炭素繊維複合素材で作られた機材とは知らなかった。
エンタテイメントもスムーズに楽しめた。
機内食も美味しく、
お酒のクオリティも高い。
とは言え、
楽しむ余裕は無かった。
正にギリギリの体力で渡独したので。
何しろ、
今思い出しても辛くなる。
一時間ごとに梨状筋が悲鳴を上げる。
なので、
熟睡できないし先の事を考え体力保持に精神を集中した。
快適なA350のロングバージョンで、
ゆったりめのプレミアムエコノミーに座れたことが、
到着後の元気回復に貢献したのだろう。
そんな飛行機が、
正月早々大変な事になった。
まあ、
滅多に起きる事ではないが、
今回の様な旅客機の事故で、
一気に火だるまになると、
簡単には消せないことが良く解った。
長距離を飛ぶ飛行機は、
インテグラルタンクに沢山の燃料を積み込む。
ぶつかって爆発して、
燃えながら滑走する姿に身毛がよだった。
しかも種火が大きすぎて全く消えず、
最後まで「燃え尽きよう」と執念を見せる所は、
正に七輪の中で炎を上げる炭だ。
七輪の温度が上がり過ぎて、
アンコントローラブルになった炭火を思い出した。
インテグラルタンク同士がぶつかって破裂して、
しかも炭素系の機体で火災が起きて、
それが全く消えようとしなかった。
この事実は今後の技術開発に、
大きく寄与をするに違いない。
そう思わないと、
亡くなった海上保安庁の隊員への手向けにならない。
この事故をきっかけにして、
更に素晴らしい航空機が生まれることを祈ろう。
SUBARUは軍用機を作ったメーカーなので、
被弾時に火災を起こさない燃料タンクに、
他の会社とは一味違う技術を持つ。
戦闘機は当たり前だが、
輸送機、つまり爆撃機や陸上攻撃機が、
被弾したら簡単に火を噴くようでは困るのだ。
もしインテグラルタンクだと、
そこに被弾したら火を噴いて墜落する。
直ぐ墜落する様な陸上攻撃機は、
そもそも国を守る道具として失格なのだ。
終戦間際の物資不足の中で、
中島飛行機は防弾技術の確立に頭を悩ませた。
それが関係してるかどうかは謎だが
クルマ創りの歴史で特徴的なのが、
SVXを開発する時に生まれた樹脂燃料タンクだ。
その成功は今でも引き継がれ、
エクシーガからBRZに繋がっている。
このようなスバルの遺伝子を持つ、
若い戦士と語り合えたことが、
2023年のトピックスだった。
ヨーロッパはどうですか。
お互い頑張りましょう。
SUBARUのドイツ開発拠点の田部所長と、
駐在員の村松さんは、
電動化の橋頭保で活躍する戦士だ。
素晴しい出会いをありがとうございます。
航空機事業は、
SUBARUの柱として着実に生きている。
スバルによって主翼のフェアリングが作られた。
中央翼と言う重要な構造部も任されている。
現在も生産が続いている。
半田事業所の関谷場長に詳しいお話を伺った。
まだバックオーダーを600機以上抱えている。
777の方はどういう状況かと言うと、
こちらもバックオーダーを300機以上抱えている。
専用工場を二つ建てて丁寧に一つづつ作り上げる。
それに加え航空自衛隊のC2輸送機と、
海上自衛隊のP1対潜哨戒機の中央翼も作られている。
インテグラルタンクとしての機能も持つ、
とても重要な航空機の基幹部品だ。
時折自動車にもぽつりぽつりと使用するが、
なかなか大きく取り扱わない理由は、
飛行機に比べクルマには見合わないコストだろう。
このように高度な技術で作られるカーボンパーツから読み取れる。
そのSUBARUは、
次世代航空機の開発にも関与しているので、
777に787を超える技術を応用した、
ワイドボディの次世代航空機は、
スカイクルーザーの名を汚さぬ素晴らしい航空機になるだろう。
セントレアからボーイング社に輸送する専用の機体が、
中部は今や航空事業のメッカだ。
そこで根を下ろしているスバルの技術も、
決して見過ごしてはならない。
ところでエアバスはスバルとどんな関係なの?
結構いい関係だったけど、
A380の販売不振による撤退が、
大きな傷を残したのかもしれないな。
デカすぎる飛行機は、
この時代に相応しくなかった。
三菱のスペースジェット同様に、
運が向いてこなかった。
韓国の航空会社では、
オーナーがケチ付けて航空機を飛ばさなかったことがあって、
変な意味で話題になった。
スカイマークが破綻して、
受け取らないと言い出したのでもめにもめたね。
結局支援先のANAが引き取ったようだけど、
この時代に4発の大型航空機は溶け込めないのだ。
正に、
SUBARUの6発が消えてしまったようにね。
だからスバルとエアバスの間には、
全く何の取引も無くなってしまったんだ。
これもまた、
自動車事業と重なる、
何とも面白い偶然だね。
SUBARUは未開の大地を開拓してきた、
アメリカの精神と融合するところが多いんだろうね。
さあ、
今日はこの辺で。
レヴォーグの動画を楽しんで欲しい。
by b-faction
| 2024-01-08 22:00
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