
2021年6月13日
一向に改善できなかった望桜荘の前の花壇には、
苔がはびこりスギナが茂っていた。
環境だけでなく、
社会も疲弊し、
あちこちで働く意欲が喪失していた。
改めて振り返ると、
その時の様子が心に滲み出る。
良い味はしないな。

店長に問題があるとは書かなかった。
だが電話口で止める理由を聞かれたので、
それはあなただと言うと、
店長は退会届けを書きに来いと言う。
ほう、根性あるじゃないか。
出掛けて行ったら、
バイトが代わりに出て来た。
やっぱり、
そういう奴は最後まで駄目だ。
サインして清々したので、
この玄関先で国際犬訓練所に電話した。
シェパード飼います。
お世話してください。
すると・・・
「なんでご存じなんですか?」
へ?
何を??
「私どもでシェパードが繁殖したのは十数年振りなんです」

今も警察犬の訓練を続けるこの地方きっての老舗だ。
でも、
今は主力がラブちゃんなんだ。
退会届けを書いて、
その二日後に会いに行った。

その間の一日が本当に長かった。

この子が4頭の中で最期に残った一頭だった。
今でもはっきり覚えてる。
一斉に放たれた途端、
脇目も振らずに足元に走って来た。
こうして運命の出会いがあり、
帰り道でカーマによって七輪を買った。

今思い起こせば、
恐らく此処が共に過ごす場所となると、
何となく悟ったんだろうね。

新品の七輪や五徳が眩しい。
北海道から戴いた新鮮なアスパラガスを焼いた。

貝も焼いた。

七輪の凄い効果に目が丸くなった。
これが犬酒場発祥の瞬間だ。
この年の夏は長雨で始まった。

陸斗を受け取ったのが6月30日。
この前から激しい雨が降ったりしてたが、
その翌日から雨が毎日降り続けた。
スギナを抜いても無駄。
苔を取り除いても無駄。
水はけが良くなると言われて、
期待した土壌改質剤を投入しても効果なし。
要するに、
基本的な手入れがまだ理解できてなかった。
シェパードもそうだ。
解ってるつもりでも、
解っていないことだらけ。
それを乗り越えるキーは何か。
それは「硬い決意」だ。
三日目の7月2日に、

ドロドロにぬかるんだ場所で陸斗の御飯を食べさせた時、
外に陸斗の居場所を作るのは不可能だと悟った。

子犬のうちは中でも仕方が無いと思って、
夏も近い事だからエアコンを付けた。
この部屋を陸斗専用にするとは決めて無かったが、
家の中で飼うと決めた。
今は簡単な事だけど、
過去に室内でシェパードを飼ったことは一度もない。
この時に感じた「決意」は、
今思い出しても「熱い」感情だった。
頭切り替えたので、

そこからはスムーズだった。
抱かれることを厭わない子なので、
身体中を毎日三度、
食事の前後で徹底的に拭いた。

もともとシェパードはドライブが大好きなので、
陸斗もドライブには良く馴染み、
7月17日には荷台に乗れば繋がなくても心配がなくなった。
まだ家族になってひと月に満たなかったが、
クルマ好きの主に相応しい相棒になった。
そして2日後の19日に久しぶりの青空を見た。

すると、
梅雨の終わりを告げに豪雨が訪れた。

近年に無い豪雨だった。
もう少し続いたら、
いやそれよりも、
この河川改修が数日前に終わっていなければ、
間違いなくこの下の家は床上浸水するところだった。
橋と川底の間隙がほとんど無くなっていたからね。
凄い雨が降った後は、
夏らしくなり27日にはカーマで買ったラティスを張って、
簡易犬酒場が仮オープンした。

もう、
とにかく、
こんな可愛いヤツが家に居ると思うだけで、
何もかもが輝いて行動の全てに「やりがい」が溢れる。
まだ怪力を持たないので、
女性でも散歩も自在に出来た。
まあ、
そこからの破戒魔王は、
予想してたけど凄かった。
何事も苦労があってそれを乗り越えるから、
その後に楽しさ嬉しさが倍増するんだよね。
今思えば、
もっと齧らせてやればよかったね。
一人前になったけど、
個性は変わらない。
コドモっぽさも全く抜けない。

昨日は昼間もお姉ちゃんと走った。
それに昼寝する時間も殆ど無かったので、
よっぽど疲れたんだろう。
犬酒場でいつもより早く睡魔が襲ったようだ。
ヒトにくっついた方が安心するらしく、

眠くなると足の上に背中を載せて来る。
寝ちゃったよ。
実に酒が美味しいね。
同じ年月を過ごした望桜荘の庭も、
固い決意とその理解者の協力のおかげで、

随分力強くなった。
二年に渡る猛暑で、
かなり枯れた株も出たが、
また春に向け復活させる。

懐くクルマも可愛い。
だんだん育って大きくなったWRXは、
とても飼い甲斐のある高性能車だ。
ただ、
このデビューした頃とは、
かなり内容が違って来た。

最近は豪華になり価格も高くなって、
それはそれで良いのだけど、
コドモっぽさが全くない。
デビューした頃は、
まだ十分その素性が残ってたけどね。
やっぱり価格が高すぎる。
税金も高すぎる。
日本は自動車輸出立国だ。
為政者よ、
改めよ。
そして、
皆クルマ好きに戻れ。
高性能なスバルを飼う気になって可愛がろう。
苦労もあるけど、
その先には素晴らしいスバルライフがある。
さあ、
背中を押すよ。
直ぐにその扉が開くよ。
それでは、
明日もお楽しみに。