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新型STIのホンモノ度は

本物とは何かを考察する。
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新型STIで200キロ近く走行すると、更に深く実力がわかる。
ぐっと大人の味わいになったのに加え、レガシィのSIーDRIVEとは別の意味で、

1台で「3台のクルマ」が賄えるところが凄い。

まず究極のグラベルカーとしての姿がある。

たとえば少々乗りにくい我が社のテスト車。
このインプレッサは3つのデフのゲインを全て高めた状態に仕上たので、グラベルに強い。
このクルマには可変式のセンターデフは付いていないが、
オンロードから、ちょっとわき道にそれて、

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このような砂地に降りてみると脱出能力の高さに驚く。
このところ、小型車のパートタイム4WDに乗る機会が少ないので、
久し振りにスバルの原点に帰り、ドライブスタイルを見直すことが出来た。
軽量ゆえ弾けるようにパーンと加速するGC8。
レールの上を走るような特性は、切り替え式4WDに慣れ親しんだ僕には楽しくてよいクルマだ。
これが1台目のWRX姿。

次に、後輪トルク重視のスポーツ4WDとしてのWRX。
やはり、なんといっても1980年代の後半からラリー界を席巻した、高速4WDの登場はスバリストをいつも歯がゆい思いにさせた。
乗用車の4WDを世界で初めて誕生させ、革新的なメカニズムMP-Tを開発したのにもかかわらず、
「アウディ クワトロ」の登場によるセンターデフ式スポーツ4WDの台頭が、スバルの持つ4輪駆動技術の先進性をイメージの上で凌駕した。
しかし血の出るような思いで積み重ねたレガシィ
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とインプレッサのWRCでの成功も、

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WRカー規定に従って2ドアモデルが投入された1990年台の終わりから、
販売されているインプレッサとWRカーコンセプトに開きが生じて、ラリーカーのイメージをそのまま市販車に投影することが困難になった。
したがってこのところ、WRCを走るクルマに対して(22B以外は)

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常に一人のインプレッサオーナーとしてコンプレックスを感じてたわけだが、
これでそんなことを感じる必要がなくなった。
これが2台目のWRXの姿だ。


そして最後はやはりSIドライブを搭載したことにより、車の可能性が広がった事が最大の魅力だろう。
S#にすると、8000回転まで気持ちよく回り、これまで以上にパワフルな性能を発揮する。
だが、SI-DRIVEの真骨頂は、その性能ではなく、
実はインテリジェントモードにある。
世界中にたくさんの自動車メーカーがあり、
数々のスポーツカーを作っている。
したがってドイツの高性能車には、S#モードに近いものはいくらでもある。

ところが、ターボ車を、NAの特性に、瞬時に切り替えられるものは、まだ無いと思う。

はっきり言ってしまうと、要らない時はターボを外せる、
これが3台目のWRX姿だ。


こうして、このクルマの誕生に際して、これまで積み重ねてきた進化や、
たとえ開発者が入れ替わっても確実にスバルのDNAを受け継ぎ、ポテンシャルを向上させている。
こういうところを見ていると、決してスバルで飯を食っているからという判官びいきではなく、心底感じることがある。

ホンモノだと言う事。

ところで、残念ながら今年のモーターショーは見に行けなかった。
聞くところによると、最も会場で人気があったのは日産自動車のGT-Rだそうだ。
そのスペックはすばらしく、
マーケティングの手法からも絶対に「失敗は許されない」という練りに練った臭いを感じる。

だが、あのクルマがホンモノか、と聞かれるとちょっと首を傾げたくなる。
相当な手抜きの産物である事は、乗らなくても明確にわかってきた。

つぶれかけていた日産自動車を立ち直らせた事は確かに凄いが、
ゴーン氏が絡んでから誕生した車には、
ロクなものが無いと以前からハッキリと言い続けている。
もともと、ルノーの資金が投入された時点で、
日産としての過去の歴史は、
良かったことも悪かったことも含め終焉したわけだから、仕方が無いが

あのクルマに、今は無き「プリンス自動車」の血は全く感じないし、

ようやく明らかになったその構造を見て、
なぜ完成まで6年もかかったのか、
また、かなりの紆余曲折を感じさせたのは「なぜ?」なのか、ようやく理解できた。

それでもGT-Rというネームバリューは流石だ。
だから、巧妙な手法の日産のマーケティングに結構躍らせられる人が多いようだ。
これには少し落胆している。

自分達で「このクルマはスーパーカー」などと、
愚かしいほど地に足の付いていない発言をする、開発者の姿を見て、
日産もここまでかな、と感じている。

ちなみに、僕の判断が稚拙だと大いに反論されるかもしれないが、
あえてここで述べておきたい。

1.MT車を自社生産できない企業は「スポーツカーメーカー」としては認めたくない。
(ゴーン就任後日産自動車のミッション部門は売却されたはずだ。いくら高トルクに耐える2ペタルMTを海外から買ったところで、本当のホンモノではない)

2.以前は直列6気筒にこだわり続け、だからこそスバルの技術を導入してまで4WDと縦置きミッション組み合わせた。
日本で生まれた油圧多版クラッチによる4WD、また伝統の直6といったDNAにかかわる部分を全て消してしまった。
まあ、ここは、人それぞれ見解が異なるかもしれない。
スバルと縁が切れたため、使いたくなかったのか、システムとして劣るからなのか、それは分からない。
だが開発に時間がかかりすぎた事は紛れもない事実。

3.更に、残念なことは4WDのシステムそのものが複雑でプロペラシャフトが2本もあることだ。
このシステムは「成り下がった」としか思えない。
高性能エンジンを積み、馬力があれば当然最高速は伸びる。
でもそれらをもって、ホンモノ、と言えるかどうか。

これほど色々な電気仕掛けを搭載し、念入りに専用部品を新開発したら、
777万円という値付けが出来ないのではないだろうか。

でも、結局それで売れるということは、
相当妥協して「コーディネート」したからではないか思う。
だから、ホンモノとして成り立っているか、ということに首をかしげたくなるわけだ。
何度も人目につくようにテストを繰り返したのも焦りがあったからではないかと思う。

そして、それほど困難な問題を乗り越えて産声を上げたのに、
例の「街角突然参上」のようなPRで、
覆面を最後までオチャラけるところが子供じみてくだらない。どこに軸足があるのか、
はなはだ不審。

ここまで、乗らずに評価したが、これが大いなる誤りであれば、
日本車として喜ばしい限りだ。

ちょっと話がGT-Rにそれてしまった。
インプレッサに話を戻そう。

初代のインプレッサの弱点をここで考えてみる。

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それは衝突安全性を含めた、ボディ強度だろう。

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2代目の凄さは、与えられた条件の中で可能な限りシャシー能力を上げたこだと思う。
また、6MTを開発するという大英断は、スバルがこれからも生き残る事ができる、
大きなファクターになったと思う。
2代目のデビュー当時は、発進時に重く感じ、ちょっとがっかりした。
正直なところ、非常に批判的に見た時期もある。

が、
その反省を生かし、STIが開き直って造ったとも言える、
僕の希望通りのS202が誕生した。
これを愛用した以降、今まで以上にインプレッサが大好きになった。

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また丸目インプレッサの開発主査をされた伊藤さんと知り合ってから、
その人柄にも惚れてしまい、
ますます、いい車だなあと思うようになった。
その証拠に、今でもGDBは人気があり、いつも品薄状態だ。

そしてS202とS203は二度と作れないかもしれない、
不朽の名作だ。
またこのシリーズの最後にRA-Rという、
とんでもないクルマを造ったことも記憶に残り続けるだろう。
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このクルマのブレーキには、新型GT-Rに搭載された物が
既に「さりげなく」装着してあった。こけら脅しのような、但し書きや、
大声で、メンテに数々の制限をつけるようなコトを一切せずに。

また、S203にはまた違った意味での凄さがある。
クルマ好きにしか解らない「魂」がある、と言うこと。

クルマは他の機械と違いヒトの心の琴線に触れる「魂」を持っている、と真剣に思う。
下取に出すと決めたら、車の機嫌が悪くなった事は無いだろうか。

以前、知り合いからベントレーを借りて、その車の魂にふれ、かわいがってやったら、
別れるとき、イヤイヤをされた(笑)

そういう魂みたいなものだ。

久し振りにS203をテストドライブした。
乱暴に扱われたわけでも無く、距離も9000キロなのに、
このクルマは少し不幸だったようだ。
些細な誤解から、本当の魅力を理解されず眠っていた。

それで早速、大胆に持てる力を解放してやった。
操っていたら、また感動してしまった。
ハンドルを握りながら鳥肌が立った。
やはり、ホンモノとはこういうものだと実感した。

こうなってくるとインプレッサの味が忘れられず、立て続けにGC8をドライブ。
これにも新たな魂が宿りつつある。

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こんな綺麗な御嶽を見た。
大きな木もちょっぴりだが写っている。

自動車を自由に操る時に、金属と金属を直接「摺り合わせる」行為がある。
これが出来ない自動車は、僕にとって、「クルマ」ではありえない。
即ちシフトワーク。
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シフトワークの瞬間、いかに自分の思いどうりにエンジンや車体を操れるか、
それが醍醐味だ。

新しいGT-Rを「手抜きだ」、と感じたのはこうした様々な事を、
この3日間で味わったからかもしれない。
アダルトビデオの世界と実際の恋愛の違いかな。
「金属と粘膜」
言葉を置き換えてみて欲しい。

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Commented by nowaro at 2007-11-18 07:57
読みふけっちゃいました!
読んだら、早くSTIが買いたくて仕方なくなってきましたw
日産については、思ってる部分が似てるな~と共感してました
Commented by toshi at 2007-11-18 15:16 x
nowaroさん、いつも有難うございます。
森PGMの会心の作だと思います。
是非買ってあげて下さい。トラクションの設定切り替えは、
以前からあればいいと思っていた機能です。
昨年の東京オートサロンの出展車に装着されていたので、
実現する日は近いと思っていましたが、
SI-DRIVEの一部になったことがキモでは無いかと思っています。

日産について、5年位前に某自動車専門新聞の番記者と話すきっかけがありました。横浜工場を見せていただいた直後に、話をしたのですが。
その記者の方は「日産は復活して安泰だ」と言うような事を話されました。
僕は、既に当時から今の考えを抱いていたので、正直な意見を言いましたところ、目を丸くされました。
特に反論されなかった事が、印象深かったです。

Commented by wakao at 2007-11-21 12:10 x
ごぶさたしています、ワカオです。
NEWインプレッサWRXSTI、試乗する機会があり、早速乗ってきました。
あまりのしなやかさに驚きました。俗に言う「ああいうクルマ」は、足が硬く、同乗者に深いな振動を与えそうな印象(や過去の刷り込み?苦笑)がありますが、そんなことはまったくなくて、本当に上品な乗り心地でした。
S♯モードを試しましたが、僕にはもったいない気がしました。笑
車の持つ性能を引き出すことができなくて、クルマに申し訳ない気分になりました。でも、欲しいです!
個人的な印象ですが、BL5レガシィのスペックBよりも、
乗り味は「安定感」が高く、ハイスピードでも安心できる感じがします。

夢の夢ですが、あこがれのクルマになりました。
これなら、ペターも勝てる日が来るでしょうか・・・?

追記:スタッドレスタイヤのシーズンになりました。
交換をまたお願いします。日程が決まり次第、
予約を入れさせていただきます。
Commented by toshi at 2007-11-22 09:49 x
寒いですね。
今年は雪が多いと思います。今月中に交換したほうが良いかもしれません。
3連休通常営業です。
24日は全国から22B愛好者が終結します。
CM撮りを兼ね岐阜チャンが取材に来るので、遊びに来て下さい。
ワカオさんも飛び入りしませんか。
Commented by wakao at 2007-11-22 18:40 x
こんにちは!
24日ですか・・・。ちょっと考えてみます。(笑
ありがとうございます。
Commented by Wiily Jr at 2007-11-24 20:35 x
こんばんは,toshi様。
貴重なお時間を頂きありがとうございました。
ff1、22B+1、本物達の大集結、圧巻!
本当に濃いスバリストと共に歩んでいるお店だなと感じました。
初冬にはめずらしく暖かいいちにち、S-GTもご機嫌な清内路峠の旅でした。
(22B達と出会えるのを楽しみにしてたんですかネ?)
ご挨拶もなく退散したことをお許し下さい。
ユンボの謎解けました!?(笑)
また、遊びに行きます。
Commented by toshi at 2007-11-25 09:47 x
ご来店いただき嬉しかったです。
また遊びに来て下さい。
昨晩は22Bオーナーズの皆さんと深夜まで宴会。
元気100倍でたったいま、
出社です。
清内路は紅葉が見ごろだったでしょうね。
楽しいドライブが出来てよかったですね。
22Bの皆さんも全国に旅立たれました。

目が回るような1日でした。
またゆっくりお会いしましょう。
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by b-faction | 2007-11-17 23:15 | インプレッサ | Comments(7)

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