S402は残りたったの80台。中津川名物「栗きんとん」昨日から発売!!
2008年 08月 26日

久し振りの
STI渾身の「Sシリーズ」、
402を語りたい。

その前に、振り返るべきことがある。
昭和40年代後半、日本発の世界へ向けた、
革新的な自動車技術、
それは乗用車をベースにした「高効率で軽量」な4輪駆動車だ。
海外でも「ジェンセン4WD」という乗用車ベースの4WDが存在したが、
本格的な量産車はスバルが世界で初めて開発したといっても過言ではなかろう。
スバルはクルマの持つ自由な世界を大きく躍進させて、歴史に名を残したともいえよう。
これまで、スバルは独自の方式を持つ4輪駆動の改良を重ね、
新しい技術を蓄積し、磨き続けてきた。
そうする中で、既存の磨き方では満足できない人々のために、
さらに、「走りの味」を極める造り込みを始めた。
STIという技術集団が、本格的にハイパフォーマンスカーを考えるようになったのだ。
それは13年ほど前のこと、GC8型インプレッサに、
ドライバーズコントロールセンターデフというウエポンを与えた少量限定車、
STi typeRAがリリースされた。この時こそが、大きな転機だった。
そして、富士重工から伊藤健氏がSTI取締役企画部長に就任して以来、
二つのSシリーズに加え、チューーンドバイと呼ばれるレガシィや
インプレッサtype RA-Rなど、乗れば乗るほど深い味わいのある名車が誕生した。

22BとTYPE RA-Rの貴重な2ショット
STI創立20周年に当たる今年、
久し振りの4シリーズを開発するに当たり、
驚いた事に、たった402台のために、
ニュルブルクリンクでテストを積み重ね、

専用のワイドフェンダーと

標準シートに比べ、

全くオリジナルと言って良い高性能シートまで製作したのだ。
インプレッサをベースとする「2シリーズ」と、レガシィベースの「4シリーズ」は、全く性格を異にしている。

インプレッサは、例えるならば戦闘機。
徹底的に低イナーシャモーメント化されたエンジンは、
軽くあおるだけでノーマルとの差が歴然としている。
対するレガシィは、乗って味わうと、
初めて、その「しっとりした優しさ」が感じられ、
明らかな「上質感」を得られる。
贅沢な事に、我が社では今、同時に2つのシリーズを比較することが出来るのだ。

とにもかくにも、「2」と「4」は、
水平対向ターボエンジンを搭載し、絶対にマニュアルミッション車しか作らない以外は、共通点は無いといっても良い。
そして402は標準のレガシィ(と言っても右の車は名車チューンドバイ2007だが)に対して、性能面では贅の限りを尽くしている。

ここでは、右側のチューンドバイSTI2007と、左側S402のフロントアクスルを比較して欲しい。
ここだけ見る限りでも、これほどの違いがあり、こんな事をするメーカーは他にはちょっと見当たらない。

このホイールは、一見S203のモノと同じように見えるが、
レガシィ専用で、右側のチューンドバイのクリップボルト周辺を較べると、
ハブの部分が明らかに違う。
これにはこんなわけがある。
先ず、モノブロック6ポッドキャリパーがすんなりと収まる事。
次に、235サイズのタイヤが収まる事。
そして100ピッチのレガシィのPCDにあわせて製作されており、
決してインプレッサの流用では無い。
何のために、
こんな贅沢な力の入れようをするのかは、
乗ってワインディングを走るとすぐ解る。
特に下りを攻めるとビックリする。
粘りと、しっとり感が秀逸なのだ。

普通のコーナーでも

気持ちよくて

ここが「キュン」と
堪らないイイ味なのだ。

ところで、大切なお知らせだ。
栗きんとんが、昨日より発売になった。

スバリストにはピッタリの自慢の中津川の味。
うれしい事に、我々にはいつも初物が老舗からプレゼントされる。
秋から初春だけの、旬の味覚「栗きんとん」

まざりっけなしの
栗と砂糖
それで作られたお菓子。
しかも初物だから、栗は新鮮で
数時間前に出来たばかり。
これ以上の栗きんとんは中津川以外では食することは出来ないだろう。
さて、
この出来立ての栗きんとんだが
S402と
大いに味が似ている。

コーナーに侵入

包みを開く

ステアリングを切り込む

瑞々しい姿が現れる。
S402の

ここからステアリングをギュッと切って、


この
何ともいえない、
優しい歯ごたえ、
優しい甘み、
そして窮めつけの滑らかさ。

もう一押しステアリングを切り足すような
深いターンに遭遇した時、
このクルマの真髄を感じる。
栗きんとんの凄みといったらお解かりいただけるだろうか。
くれぐれも誤解しないで欲しい。
年中買うことの出来る冷凍品は中津川の面汚し。
食べてはいけない。
ここに来た時しか味わえない、旬の味。
S402もレガシィが最高に熟した時にだけ、
ほんの一瞬だけ生産される
「旬の味」なのだ!
語りつくせぬ魅力を持つ、S402は
今日現在残り「just80台」
あなたの手の届くところにある。
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そんなS402の味わいを彷彿とさせる栗きんとん、ゼヒとも味わってみたいものです。
中津川で直接購入する「栗きんとん」しか、
絶対に出せない瞬間の味覚を堪能していただきたい。
東京で購入したり、インターネットで買うものとは、
鮮度が違うのです。かじった後の様子を良く見て下さい。
「敬礼」ものの美味であります!


研究会で使用した「七福」さんは、僕自身が好きな店です。理由は「おいしいから」、それだけです。先ほど抵抗感と言いましたが、保存技術が発達して、インターネットも上手く使えて、小手先で商売する店も現れ始めました。はっきり言って「味に差」があります。せっかくの伝統のお菓子を、壊しかねない。だから心配しています。S402のベース、レガシィも、もはや完成形。だから作り手の心意気が行き渡っていると、味わいに深みが出るわけです。

本物と言えばレガシィに来年SIシャーシが使われると、またひと味違った完成形を目指して進歩していくのでしょうね。SIはしなやかだと思いますが、現行シャシはものすごく高剛性を感じます。なかなかそれも捨てがたいと思いますが、どう変わるか楽しみであり心配でもあります。
そしてS402のベースになった現行車両の「美味しい部分」、そこには「熟成」があります。
僕にとって、進歩は大きな第一歩となる、フルモデルチェンジを指します。熟成には時間を必要としますから、出来上がったクルマが時間をかけて更に良いものに変化して「美味しく」なる事を意味します。スバルは熟成させることがとても上手いと思いますが、いかがでしょうか。