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スバルから1300cc復活。軽快な仲間を御嶽山麓でフルテスト

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先日、開田高原から嬉しい知らせが届いた。


「本田です。
ご無沙汰しております。
お元気で御活躍のことと存じます。

コナラの件、進行状況を・・・・
コナラも落葉となり、腐朽部も薬剤塗布後、乳白色の状態でしたが
その上に薬剤を塗布し、着色もしました。
今は、黒くなっておりますが、退色すると樹の色に近くなると想います。
また、周囲3mほどの部分の根を全て掘り起こし土壌改良を行いましたので
来春の芽吹きが楽しみです。
その上に藁を敷き詰め、工事は完了しました。
コナラも冬の眠りに入りました。

一気に寒くなり、今日は除雪の初出動も行いました。

向寒のおり、御自愛の上ご活躍ください。」

この知らせを受け、矢も盾も堪らなくなり、
一刻も早く開田高原に出かけたかった。
しかし、自由な時間がなかなか取れない。
今日やっとDEXのテスト車両が手元に届いた。

ドライブにうってつけの
快晴の陽の光の下、
DEXを走らせた。

今回のテストの感想の前に、
話しておかなければならないことがある。
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昨年、冬の眠りに就いたコナラの大樹に最後に会ったのは、
12月30日。
暮れも押し迫ったこの日に、
発表されたばかりの新型フォレスターで、
雪上限界性能を試しに行った時だ。

すっかり深い雪に覆われ眠っていた。
この時は全く気が付かなかったが、

その後、4月になって異変に気付いた。
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4月の中頃に、強風が吹きすさび、
春なのに台風のような低気圧が暴れまわった直後の事だ。
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フォレスターで、ドライブがてら訪れた時、
あまりの異変に息を呑んだ。
樹の周りにおびただしいほどの枯れ枝が降り注いでいた。
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幸いにも5月には一斉に芽吹き、いつもと変わらぬ姿になるだろうと思っていた矢先、
こんな看板が梅雨の合間に現れた。
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会いに行ったときはそっと手を触れるのが、挨拶だったのだが、
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それもままならくなり、
秋を迎えた。
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10月初旬、久し振りに妻とサンバーのテストを兼ねて、
木曽馬の里を訪れると、
いよいよ本田さんから聞いていたとおり、
樹医さんの手によって、本格的な治療が始まっていた。
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海綿腐朽菌によって犯された樹皮と組織を取り除く。
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この病気は樹にとって相当厄介なものらしい。
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このようにスカスカで、まさしく海綿のように組織が変質してしまう。

そして快晴の今日、久し振りに会うことが出来た。
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開田は前回来たときとはうって変わり、
すっかり冬模様だ。
人影もまばらで、静寂に包まれている。
シーンとして澄んだ空気の中で、
田中さんのブルーベリーは、もう芽をつけている。
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足元を見ると、霜柱だ。
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誰も居ないし水も流れていないのに、
静寂の中で、ピチャピチャ、クチュクチュと足元が騒がしい。
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良く見ると土が息をしている。
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覆いかぶさった枯葉の下で、土の息吹が聞こえてくる。

こんな経験は初めてだ。
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今日は木曽馬牧場にも、馬は一頭も居ない。
人っ子一人居ない。
静寂そのもの。

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         ※軽快に2機のパワーショベルを操縦する本田さん。さすがプロだ。

先月初めに、ここで本田さんに会った時は、
大規模な排水改善工事が行われていた。

ぬかるみだった場所が、
一月ちょっとで、こんなに様変わりした。
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改良をかさねるということは、如何に大切かと実感できる。
凍結深度が70cmある開田高原では、
他の場所より基礎工事が大変だ。
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凍結深度以下まで掘り下げてやらないと、後から浮いてしまうのだ。
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厳しい自然の中で、淘汰されてしまう事も、
また必然かもしれない。

だが、人の手によって残す事ができるのなら、
そして残したいと執念を持つのなら、
全力でそれに向かうく事は大切だと思う。
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来年、開田の人たちの情熱が見を結び、コナラの大樹が病から立ち直る事を願いたい。
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薬を塗ってもらって、
ほっとしているように感じる。
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根の周りは藁の「ガーゼ」に覆われて、
気持ちよさそうだ。
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さて、DEXについて、語る前に、
スバルのルーツを改めて確認したい。

スバルの「真のルーツ」というと、
誰もがスバル360だと言うだろうが、
実は違う。

サブロクやサンバーは、当時のスバルの体力では、
実現する事のできなかった小型車生産のための基礎づくりに過ぎない。

このクルマ達が沢山売れた事により、
ようやく一人前の力を持てたスバルが満を期して投入したのが、
スバル1000だ。
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このクルマは、世界にも影響を与えたほどのエポックメーキングなもので、
良くこの時代に、このクルマを世に出したと、今更ながら、
ミスターエンドレス「百瀬晋六」の偉大さを感じる。

そして、
実は今でも一番好きなスバルと聞かれると、

このクルマだ。
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スバルff-1 1300Gという最終モデルだ。

マイナーチェンジの天才といえるスバルは、
この頃からその才能を発揮した。

新型車が登場すると、
毎年改良を重ねる。
年を重ねるごとに凄い車になっていく。

この前身のFF1スポーツも憧れだった。
その軽量な車体
トルクフルで抜群のふけ上がりを持つフラット4は抜群の走行性能を実現していた。

その最終型がこの1300ccだ。
水平対向4気筒OHVエンジンを等長等爆の左右独立排気システムと、
ツインキャブレターで武装。

レオーネまでのスバル車で、
OHV型には1000ccから1800ccまで、1500と1700を除き様々な排気量が存在した。

レオーネになってからも、1300ccは細々と続いていた。
しかし1300Gが一番光り輝きパンチも効いていた。
実際にクルマとしての性能も抜群だった、
1300ccが主力エンジンだったので特に凄かったのだろう。
エンジンが軽量な上、潜在能力が高かったから、
速くて鋭い性能のクルマに仕上がっていた。

このエンジンを飛行機に搭載して飛ばしていた人も居た。
いわゆる「スバルプレーン」だ。(エアロスバルとは異なる、念のため)

1300Gスポーツは、
1267ccのEA62型エンジンを高圧縮比にチューンアップしたシリンダーヘッドを持つ。
それは標準エンジンの80psに対して、
93psと16%以上も高い出力を誇った。

700kgを切る車体を時速170キロまで引っ張る事が出来たので、
エンジンのパワーアップにともない、シャシーも大幅に改善された。
優れた回頭性能を持っていたフロントダブルウイッシュボーンはそのままに、
リヤサスを次期新型車レオーネ用に開発した、
「セミトレーリングアーム式独立懸架」に変更された。

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その1300が復活した。

早速走り出してみると、面白いことに気がついた。
1300Gのような鋭い切れ味の性能の代わりに、
ドライブしながら、何か食べたり飲んだりしたくなるような別の魅力を手に入れた。
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とてもフレキシブルなエンジン性能だから、
一人で走行テストするようなクルマではない。
わいわいがやがや言いながら、
隣の人が取ってくれるクッキーやビスケットを、
ぼろぼろ落としながら
楽しく語らい、笑いながらドライブする事が望ましいだろう。

これまでのスバルには感じない「ちょっと違ったワクワク感」がある。

実は、我が家では、車内の飲食はご法度。(笑)
2人の子供も、赤ん坊の頃からそういう環境なので、
せいぜい食べてもキャンディくらい、後はペットボトルの飲み物を飲む程度。

以前、こんな事があった。レガシィの商談をしていて、
同じ考えのお客様に出会った。
「うちは絶対、クルマの中ではものを食べさせないんですよ」
話すと、
「ボクもそう思いますよ。食べさせないようにしなくちゃ」
と、そのお客様が言ったとたん、
「そんなら、もうクルマなんて買わんといてエエ!
と、ピシャッと奥様がおっしゃった。

その瞬間、周りの空気が凍りついた。

クルマ好きであっても、男女でさえこれほど異なるクルマ観がある。
まさしくDEXは、そんな女性達にも愛好される、
車内の和やかな空間作りを楽しむ車だろう。

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しかし、スバルのリ・デザイン技術は凄い、と改めて思う。

マイナーチェンジごとに良くなっていく、
各スバル車のエクステリアデザインを、
いつも凄いと感じるが、
その調整技術が明確に現れたのがDEXのフロントフェイスだ。
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どっしりとした台形のフォルムは御嶽山と良く似ている。
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リヤスタイルもスバルのマークと車名のロゴに新鮮さがある。
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いつものワインディングを走らせる。
すると、1.3リットルとは思えないほど軽快に走る。

低速トルク重視のDOHCエンジンの吹き上がりと、
オーソドックスなオーバードライブ付きの4速オートチックトランスミッションの、
適切な変速制御が良くマッチして気持ち良く走らせられる。

ファントゥドライブというより、
わいわいガヤガヤ向きドライブ、
といったら理解してもらえるだろうか。

ステラやディアスに近いイメージのクルマだ。
これはこれで良いと思う。

放って置いたら自然に淘汰されてしまった、
1300ccというクラスを、
人の手を加えることによって、
スバルに蘇らせることが出来た

それでは、1300Gの持っていた、
ファントゥドライブはどこに行ったのか。

明快な答えが用意されていた。
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アネシスだ。

実は、1500のFFは傑作車だと実感している。
これは1300Gに通じるテイストを持っている。
あえて、FFというのにも訳がある。

元々FFのパイオニアのスバルが、
海外でのブランドイメージの定着を狙い、
しばらくFFを「日陰者」に扱ってきたが、
昨年のインプレッサで使われ始めたSIシャシーによって、
明らかに蘇った。
そして、その事をエクシーガではっきりと
確信した。

アネシス15iのFFに乗り、
感動したので、
立て続けに、15iの4WD、20iの4WD、そして20iのFFとテストしたが、
15iのFFが一番良い。
やはり、軽さは性能なのだ。

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特に4速スポーツシフトの2,3速を小まめに変速して走らせると最高だ。
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コーナリング性能も良い。
スプーンカーブを「ヒラリ」とこなす。

こんな下りの直角に近いコーナーもお手の物。
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1300Gの持っていたスポーティで高品質な遺伝子はアネシスに。
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スバル1000の持っていたコンパクトでクラスを超えたスペース性能は、
見事にDEXに受継がれた。

スバルそのものにも、
コナラの大樹と同じような人の手による改良の成果が、
現れつつあると感じるこの頃だ。

嵐(アメリカ発大不況)の前にコナラの樹(スバル)の治療(選択と集中)を完了した。
この経営判断は、必ず実を結ぶ事だろう。
Commented by willy Jr at 2008-11-29 23:34
お久し振りです。
22日にやまかの湯に泊まり開田・御岳ロープウェイ・妻籠宿に行ってきました。
週中に雪が降り急遽スタッドレスを購入してのドライブでした。
御岳ロープウェイに行く途中、50mぐらいの雪道がありスタッドレスとAWDの力強さを味わいました。(笑)
やはり開田高原は空気や食べ物が美味しいですネ!
それと温泉とお酒も!



DEXやアネシスの登場で選択肢が増えるのは、ユーザーにとって良いことですネ!

Commented by toshi at 2008-11-30 21:49
会いたかったですね。
今度は連絡くださいね。
妻籠なら飛んでいけます。実はおじいさんの出身は妻籠なんです。

ガイドも出来ますよ(笑)
やまかの湯は一度も宿泊した事がないんです。
独自の温泉のようですね。
また感想を聞かせて下さい。

来月は(と言っても明日からですが)
新酒が一斉に販売になります。楽しみです。
一度一緒に飲みましょう。
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by b-faction | 2008-11-26 23:13 | 社長の活動 | Comments(2)

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